1. ぶどうの基礎知識

ぶどうはぶどう科の木になる果実のこと。世界中でさまざまな種類が自生していたと言われている。その後、ヨーロッパやエジプトなどで、栽培されるようになる。ワインなど、ぶどうを使った加工品の歴史も古いことから、長く人々に愛されてきたことが伺える。
日本とぶどう
日本にぶどうが伝来したのは奈良時代もしくは平安時代という説がある。そもそも日本には、山ぶどうと呼ばれるぶどうが自生しており、鎌倉時代になると両者を交配しながら、さらなる栽培が行われるようになった。これが甲州ぶどう。現在、日本では巨峰やデラウェア、ピオーネ、ナイアガラ、スチューベン、甲州、シャインマスカットなど、幅広い種類が栽培されている。
ぶどうの栽培
日本では、全国各地でぶどうが栽培されているが、中でもその生産量が多く、産地として有名なのは、山梨、長野、山形、岡山。品種ごとに収穫時期に誤差はあるものの、旬は8月から10月初旬にかけてがメイン。
2. ぶどうの栄養

ぶどうは、色によって3つの種類に分けることができる。巨峰やピオーネに代表される黒、甲斐路やデラウェアに代表される赤、シャインマスカットやロザリオ・ビアンコに代表される緑。果実は、最初はすべて緑色だが成長過程で色が変化していく。
栄養成分
黒や赤のぶどうには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれている。そのほかにも品種によって、多くのポリフェノールが含まれていると言われている。また、体に吸収されやすいぶどう糖や果糖などの糖質も多く含まれているので、食べるとすぐエネルギーとして利用される。ぶどうの糖度は、15%以上と高いので、糖質制限をしている場合などは注意が必要だ。
栄養の含まれている場所
多くの栄養が含まれているのは、皮と種の部分だと言われている。ちなみに、赤ワインは果汁だけでなく皮や種も一緒に発酵することで、深い色味と渋味がうまれるのだ。栄養素を余すことなくいただくためには、丸ごとがいい。
3. ぶどうの食べ方と保存法

ぶどうの皮問題
日本では、皮をむいて食べるのが一般的だが、海外ではそのままで食べることがほとんど。皮ごと食べれば、前述の通り、栄養を丸ごといただける。ただ、実際のところ農薬も心配。基本的には残留農薬の危険性のないものが店頭には並んでいるので、きちんと洗えば食べることができるがより気をつけたい場合は、重曹を溶かした水で洗い、農薬をしっかりと落とすといいだろう。
白い粉
ちなみにぶどうの表面についている白い粉は、ブルームと呼ばれる、ぶどうが自発的に発した物質。水分蒸発を防いでくれる効果があり、新鮮さの印でもある。ブルームは残留農薬と勘違いされることもあるので注意したい。
ぶどうの上手な保存法
ぶどうは、そのまま保存することもできるが、房から外して保存することも。その場合は、手でちぎるのではなく、枝部分をハサミで切ることが重要。ちぎってしまうと皮に穴が空くので、腐敗しやすい。バラバラにしたぶどうは、そのまま冷凍庫で凍らせることもできる。凍らせると皮まで食べやすい。
結論
ぶどうは、皮と種に栄養が詰まっているので、丸ごと食べるのが正解。ただ、農薬が散布されているので、注意が必要だ。安全な場所で作られていることを確認し、さらに農薬をできるだけ落として食べることが重要。皮が硬くて食べづらい場合は、凍らせると食べやすくなる。