目次
1. ジェノベーゼとは?

ジェノベーゼとは、本場イタリアで「ペストゥ」と呼ばれている、バジルを使ったオイルソースのことだ。本来は「砕いたものを合わせただけの調味料」であったが、現在はペースト状のバジル・松の実・チーズ・オリーブオイルを合わせて作ることが多い。また、発祥地であるイタリア・リグーリア地方以外では、オリーブオイルのほかに植物油、砂糖、ナッツ類などを加えることもある。
ペスト・ジェノベーゼとは?
日本でも有名なバジルを使ったペストゥ(ジェノベーゼソース)は、イタリア北西部にあるリグーリア州で誕生した調味料である。中でも一番有名なのが、原産地名称保護制度に指定されているジェノヴァの「ペスト・ジェノベーゼ」だ。この地域にあるバジルの名産地・プラー地区で栽培されたバジルは非常に香りが優れており、ソースにしても美味しく食べられる。
茶色いジェノベーゼとは?
日本では「ジェノベーゼ=緑色のソース」だが、本場イタリアでは「ジェノベーゼ=茶色いソース」である。もう少し詳しく説明すると、イタリアでは炒めた玉ねぎや牛肉を煮込んだ「スーゴ・アッラ・ジェノベーゼ」などをジェノベーゼと呼んでいる。なお、スーゴ・アッラ・ジェノベーゼは「ジェノベーゼ(ジェノヴァ様式という意味)」と付くが、ナポリで有名な料理の一つである。
2. ジェノベーゼの食材の選び方

ジェノベーゼを美味しく作りたいなら、食材選びが特に重要になる。ジェノベーゼの基本的な食材であるバジル・オリーブオイル・チーズ・松の実(ナッツ類)の選び方を確認しておこう。
選び方1.スイートバジル
バジルの中でも特に多く出回っているのは「スイートバジル」という品種。すっきりとさわやかなのに、どことなく甘い香りがするハーブだ。バジルの葉はつややかな明るい緑色で、一枚一枚がしっかりしているものを選ぶのがコツ。育ちすぎているものは、やや苦みを感じることが多い。鮮度が落ちてくると葉が黒っぽくなり、ハリが失われて縮んできてしまう。購入後はできるだけ早く使いきろう。
選び方2.オリーブオイル
ジェノベーゼのオイルにはさまざまな植物油が使われているが、基本はオリーブオイルがおすすめ。また、オリーブオイルオイルの中でも特に香りと品質がよい「エクストラバージンオリーブオイル」を選ぶのがよい。ジェノベーゼの場合はほとんど加熱しないでオイルを使うため、オイルそのもののよさがソースの仕上がりを左右する。
選び方3.チーズ
本場のペストゥには、イタリアチーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」と強い風味が特徴の「ペコリーノ・サルド」が使われている。しかし、日本ではなかなか目にしないため、もし見つからなければ粉末タイプのパルメザンチーズなどで代用しても問題ない。
選び方4.松の実・ナッツ類
松の実はスーパーの調味料コーナーや中華食材コーナーなどに置いてあることが多い。もし見つからなければネット通販などを利用するのもよいだろう。また、クルミやカシューナッツなどのナッツ類で代用することも可能。本場のものとは少し異なるが、本来とは違う風味を楽しむこともできる。
3. 美味しいジェノベーゼソースの作り方

フードプロセッサーを使えば、自宅でも簡単に本格的なジェノベーゼソースを作ることができる。前述したバジルやオリーブオイルなどの食材を用意したら、以下の手順で自家製ジェノベーゼソースを作ってみよう。また、美味しく作るためのポイントについても確認しておこう。
ジェノベーゼソースの作り方
- 松の実をフライパンで乾煎りしておく
- フードプロセッサーにオリーブオイル・ニンニク一片・松の実を入れて混ぜる
- フードプロセッサーにバジル・チーズを加えて混ぜる
※ペースト状にならない場合はオイルを少しだけ加える - ペースト状になったら、塩コショウで味を調えて完成となる
【バジルを調理するときのポイント】
バジルを洗いすぎると香りが飛んでしまう。汚れなどが気になる場合はキッチンペーパーで拭く程度にしておこう。また、調理する前に両手でパンパンと叩いておくと、バジルの香りが立つのでおすすめ。包丁を使うよりも、手でちぎったほうが風味はよくなる。
4. ジェノベーゼソースの美味しい使い道

ジェノベーゼソースはパスタと絡めても美味しいが、パン・ピザ・サラダ・肉料理・魚料理などにもよく合う。ここではジェノベーゼソースの美味しい使い道を3種類紹介しておこう。
使い道1.ガーリックトースト
イタリアのレストランなどでも人気の食べ方が、ジェノベーゼソースを使ったガーリックトーストである。ジェノベーゼ・ニンニク・バターをパン(フランスパンなど)に塗り、トースターで焼くだけのシンプルさが特徴。しかし、味は濃厚で香りはよいため、非常にクセになる一品である。
使い道2.シーフードサラダ
ジェノベーゼソースはサラダのドレッシングとして使っても美味しい。たとえば、タコとブロッコリーのサラダと一緒にジェノベーゼを絡めるだけでも、フレッシュで爽やかな一品を楽しむことができる。そのほかにもジャガイモ・枝豆・インゲン・アスパラガスなどの野菜類との相性もよい。
使い道3.唐揚げ
唐揚げの下味を漬け込む際に、一緒にジェノベーゼソースを混ぜるのもおすすめだ。鶏肉にバジルの濃厚な香りが染みわたり、香り豊かな唐揚げを楽しむことができる。食べる前にジェノベーゼソースをかけるとさらに濃厚な味わいになる。唐揚げのアレンジ料理としても試したい一品である。
5. 市販のおすすめジェノベーゼソース3選

ジェノベーゼソースは、キューピーやエスビー食品などのような食品メーカーからも販売されている。ここでは特に人気がある市販のジェノベーゼソースをいくつか紹介しておこう。
おすすめ1.キューピー「Italiante バジルソース」
「Italiante バジルソース」は、キューピーが製造・販売しているイタリアンテシリーズの一つ。国内の契約農家で収穫されたスイートバジルの若芽を使っており、バジルの爽やかな香りを楽しめる商品となっている。バジルソースであるためパスタはもちろん、前菜・肉料理・魚料理などさまざまな料理にかけて楽しめる。1本あたりの内容量は150gとなっている。
おすすめ2.エスビー食品「予約でいっぱいの店の国産バジルのジェノベーゼ」
「予約でいっぱいの店の国産バジルのジェノベーゼ」は、エスビー食品が製造・販売しているバジルソースである。銀座にあるイタリアンの名店「ラ・ベットラ」のオーナーシェフである落合務氏が監修しているパスタソースであり、国産バジル・松の実・チーズを加えた豊かな香りとコクが特徴となっている。1瓶あたりの内容量は110gとなっている。
おすすめ3.バリラ「ペーストジェノベーゼ」
「ペーストジェノベーゼ」は、イタリア最大の食品会社であるバリラが製造しているバジルソースである。朝摘みバジルの風味を生かしつつ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ナッツ、ニンニクなどを合わせた香りとコクがいっぱいのソースとなっている。肉料理・魚料理・ピッツァなどに使っても美味しい。1瓶あたりの内容量は190gとなっている。
6. ジェノベーゼに関するよくある質問

ここまでジェノベーゼについて詳しく解説してきた。しかし中には「なぜ日本とイタリアのジェノベーゼは色味が違うのか」や「ジェノベーゼにはどんな意味があるのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、ジェノベーゼに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.なぜ日本のジェノベーゼは緑色なの?
イタリアでジェノベーゼというと、飴色になるまで炒めた玉ねぎと牛肉を煮込んだ茶色いソースを指す。また、緑色のバジルソースは「ペストゥ・ジェノベーゼ」と呼ぶのが正しい。しかし、日本に伝わるときに、ペストゥがペースト(練り物)と勘違いされて「ジェノベーゼ」だけが伝わってしまう。その結果、日本では「ジェノベーゼ=緑色のソース」となってしまったようだ。
Q2.ジェノベーゼとはどんな意味なのか?
ジェノベーゼは、イタリア語で「ジェノヴァ様式の~」などという意味である。そのため、ジェノベーゼソースとは「ジェノヴァ様式のソース」と直訳できる。その名前のとおり、イタリア北西部の都市・ジェノヴァ発祥のソースであるが、現在はジェノヴァを含むリグーリア州全域で食べられている。
結論
日本で有名な緑色のジェノベーゼソースは、バジル・オリーブオイル・チーズ・松の実などがあれば自宅でも簡単に作ることができる。また、パスタ・パンだけでなく、サラダ・魚料理・肉料理などにも美味しく使うことができる。機会があれば自家製ジェノベーゼソースに挑戦してみよう。
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