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ベラとは?ベラの主な種類や代表的な魚のキュウセンなどについて解説

ベラとは?ベラの主な種類や代表的な魚のキュウセンなどについて解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 岩切千晃(いわきりちあき)

鉛筆アイコン 2021年8月25日

ベラは関東ではあまりなじみのない魚だが、瀬戸内海付近では高級魚としても知られる。ベラは日本や世界で数多く発見され、主な種類にはキュウセンやホシササノハベラなどがある。今回はベラについて、特徴や食べ方など詳しく解説する。

  

1. 魚の「ベラ」とは?

ベラとは、海水魚のなかでも種類が多い魚で、硬骨魚綱スズキ目ベラ科の総称。ベラの生息地は広範囲に渡り、日本沿岸部では北海道南部から沖縄にかけて見られ、世界では海水温度が高いエリアに生息する。
ベラは北海道南部より下の地域であればどこでも捕れる魚ではあるが、食すのは主に西日本で、東日本ではあまり食べられない。実はベラは、食べて美味しい種類が限りなく少ないのだ。しかし、白身魚のベラは肉質が柔らかく、煮る、焼く、揚げるなど食べ方はさまざま。よい出汁もでるため、麺類や鍋の出汁にも使われている。

2. 魚の「ベラ」の主な種類とは?

ベラの種類は世界で約70属、520種類発見されており、そのうち日本産種は37属、146種類だ。このなかに水中撮影にて記録したベラは含んでいないため、実際の種類はもう少し多いとされている。そんなベラは見た目が鮮やかで、観賞魚としても知られる。ここではベラの種類ごとの特徴について解説する。

種類1.キュウセン

瀬戸内海付近の地域では、夏を代表する高級魚。関東ではほとんど流通しておらず、オスとメスで色が違うことが特徴だ。このほかにもキュウセンの特徴として、性転換が挙げられる。幼魚にあたる時期はメスで赤色、成魚になるとオスで色は青色になる。身は水分を多く含み、加熱しても硬くならない。生食から焼き、煮付け、揚げなど、どのように食べても美味しい魚である。

種類2.ホシササノハベラ

20cm前後まで成長し、形は左右が押しつぶしたように平たい側扁。旬は春から夏頃で、色合いは黄土色や緑がかったものが多く、やや赤いホシササノハベラもいる。どれも背などに斑点のような、まだらな模様があるのが特徴だ。身はやや水っぽく、透明感のある白身だ。加熱調理しても硬くならず、刺身で食べる場合は食感よりも魚のもつ甘みを堪能できる。

種類3.オハグロベラ

名前は女性のお歯黒からきているとされていて、体長は20cm程度まで成長する。流通することはほとんどないが、旬とされている時期はほかのベラと同じで春から夏頃だ。オハグロベラは見た目の悪さもあり食べる人は少ないが、味は淡泊で柔らかい食感。ベラのなかでも水分が多く、刺身にはあまり向かず、加熱調理がおすすめである。

種類4.アカササノハベラ

ホシササノハベラと同属だが、アカササノハベラは、ホシササノハベラよりも深場に生息する。春から夏にかけ旬を迎え、20cm前後まで成長する。皮は赤やオレンジなど、濃く鮮やかな色が特徴だ。身はやや水っぽく、透明感のある白身である。加熱調理しても硬くならず、煮付けにすると魚のもつ甘みをしっかり堪能できる。

3. ベラの一種「キュウセン」の特徴や魅力

キュウセンは、数多いベラのなかでも代表的かつ、美味しい魚である。しかし、全国で捕獲できる魚でありながら、関東など東日本で食べる人は少ない。価格も安い関東と異なり、キュウセンが一般的に流通するエリアでは高級魚として扱われる。これはキュウセンの住み場やエサなどで美味しさが変わるためとされている。そんなキュウセンの特徴や魅力について詳しく解説しよう。

その1.春から夏にかけて美味しくなる

キュウセンの旬は5~10月で、産卵期は5~7月頃で続く魚のため、とくに夏季は身付きのよい状態で楽しめる。西日本のなかでも瀬戸内地域では食用として長年親しまれ、旬を迎える夏には鮮魚店にも並ぶ知名度の高い魚だ。

その2.香川県の県産品の一つである

キュウセンは瀬戸内海で多く捕獲され、産地として有名なのは香川県や兵庫県など、瀬戸内海近郊エリアだ。このエリアでベラは高級魚として扱われている場所もあり、なかでも香川県はキュウセンを県産品の一つにしている。
瀬戸内海近郊エリアは潮の流れが速く、ほかのエリアに比べキュウセンの身が引き締まっている。そのため、美味しい状態で捕獲できることが流通の理由とされるようだ。

その3.地域によって呼び名が異なる

和名では九線や求仙と書くキュウセンは、ベラ(倍良)やギザミなど地域ごとに非常に多くの呼び名があり、名前の由来はさまざまだ。
キュウセンは、メスの身体に9本の線が入っていることからきているとされている。ベラは、海中を泳ぐとき海草や岩の裂け目をヘラヘラと動きながら移動している様子からきているとされている。また、ギザミの由来はキュウセンの模様が元とされていて、刻(ギザ)のような形をしているところからこの名前になったようだ。

4. 魚の「ベラ」の捌き方と食べ方

ベラは魚のなかでも鮮やかな見た目に分類される。そのため敬遠する人もいるが、食わず嫌いをするともったいない魚だ。魚料理のなかでも、おかずや酒のアテなどさまざまなアレンジが可能である。自宅でも簡単にベラを楽しめるよう、捌き方と食べ方について解説する。

ベラの基本的な捌き方

ベラはぬめりが強いため、下処理の前にぬめりを落とすことが重要。粗塩を全体にふってもみ洗いしよう。
捌くポイントは左身、中骨、右身の三枚に分けること。中骨に沿って頭から尾に向かって切り、ベラを裏返し同じように切ろう。
大きなベラは骨が太く、口に入ると痛い思いをすることも。肋骨部分を切り落とすときは、骨が残っていないか必ず確認しよう。

ベラの美味しい食べ方

ベラは揚げ物などにして楽しむことが多いが、広島県ではベラを煮付けたあと焼いて味わう「ハブテ焼き」があり、食べ方は多岐に渡る。揚げたベラを南蛮漬けにする食べ方も、産地を代表するメニューのひとつだ。
また、旬を迎える夏になると脂がのり、独特の甘みをもつベラ。その旨みをダイレクトに感じることができる食べ方が刺身だ。少し薄めに切るのがおすすめである。

5. 魚の「ベラ」に関する疑問・質問に回答!

ベラにはユニークな特徴が多くある。ベラに関する疑問や質問のなかでもよくある内容と、含まれる栄養素についてみていこう。

Q1.ベラの特性の一つ「雌性先熟」とは?

雌性先熟(しせいせんじゅく)は、ハゼやハタなどベラ類のもつユニークな特徴である。雌性先熟とは、成長段階で雌が雄に性転換を行うこと。ベラのメスは成長とともにオスに変わる場合がある。これは子孫を残すための知恵とも考えられ、性転換のほかにも魚が成長するうえで体色や体型も変化などがある。

Q2.青ベラ・赤ベラの違いって何?

ベラは青ベラ、赤ベラに分かれるが、これらはベラの性別と成長の差を示している。青ベラはオスで成魚であり、赤ベラはメスで幼魚にあたる。青ベラはちょうど食べごろのため、旬を迎える夏季には脂がのり、とくに味がよい。

Q3.ベラはどんな栄養素を含んでいるの?

ベラの栄養素には、脂質をはじめDHAやEPAと呼ばれる不飽和脂肪酸が含まれている。不飽和脂肪酸とは、コレステロールを減らす働きがある。
DHAやEPAは体内では作ることができない栄養素の代表格。サンマやイワシ、サバなどの大衆魚に多く含まれ、血栓を防ぐ作用をもつ生理活性物質のもととなる。また、DHAやEPAは脳や神経、網膜とも深く関わりがあり、不足すると物事の判断力低下や、暗所への順応に時間を要するようになることもある。(※)

結論

ベラは日本のほとんどで見られる魚だが、食用として親しまれるのは西日本エリアにとどまる。地域により食べる機会も少ないが、脂ののったベラは格別だ。甘さと白身のあっさりした味わいがどんな料理にもマッチするベラは、家庭でも扱いやすい魚なのだ。手に入ったときはぜひ調理してみてほしい。
(参考文献)
※ 公益社団法人日本食肉消費総合センター 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、どこが違う? - よくある質問 財団法人日本食肉消費総合センター
http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui3/q_055.html
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  • 公開日:

    2019年5月23日

  • 更新日:

    2021年8月25日

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