1. 日本で最もメジャーな栗「筑波」の特徴とは

日本で最も生産量が多い栗の品種「筑波」。栗の一大生産地である茨城県を中心に、日本各地で栽培されている。育てやすさや耐寒性、強い甘みなど、生産者にも消費者にも嬉しいメリットを持つ「筑波」の詳細をみてみよう。
「筑波」の誕生は昭和34年
筑波は、日本国内で最もメジャーな品種として君臨する栗である。昭和24年から始まった「岸根」と「芳養玉」の交配の結果、昭和
34年に筑波が完成した。その後、栗の生産量が抜きんでて多い茨城県と熊本県を中心に栽培が普及し、現在は中生栗の筆頭として9月下旬ごろから10月にかけてその美味しさを堪能できる。
34年に筑波が完成した。その後、栗の生産量が抜きんでて多い茨城県と熊本県を中心に栽培が普及し、現在は中生栗の筆頭として9月下旬ごろから10月にかけてその美味しさを堪能できる。
筑波の味覚と外観
筑波は栗の大きさとしては中程度、実の頂部に毛が生えているという愛嬌のある姿が特徴である。果皮は赤褐色でつやつやとしているため、いかにも栗らしい絵になる姿をしている。果肉は淡い黄色で、香りも強い。長期保存が可能で、食せばとても甘みがあり、さらに栽培がしやすいなどさまざまなメリットを持つ筑波は、北は北海道から南は九州にいたるまで栽培が可能という万能ぶりを誇る。
2. 栗の甘みをとことん味わうための選び方や保存法

秋の味覚として人々にことのほか愛される栗。それだけにハズれに当たったときの落胆も半端ではない。秋の夜長に栗の美味を心ゆくまで楽しみたい人のために、筑波の正しい選び方を紹介しよう。
筑波の旬と選び方
筑波は、9月下旬から10月に収穫が行われる中生栗の代表とされている。品質が安定している筑波ではあるが、下部に膨らみがあり、手に取った時に重みがあるものが好ましい。厚みがなく軽い栗は、濃厚さや甘みに欠ける帰来(きらい)があるためである。また、筑波の樹木は老齢になると実が小さくなる傾向がある。壮年の樹木からなる実は、20~25gが標準とされている。虫食いの栗には、目を凝らすと小さな穴が開いているため、よく観察して避けよう。また、保存性が高いといえども、カビにやられるとひとたまりもない。購入してすぐに食べてしまわない場合には、カビがないか終始チェックする必要がある。カビが生えていると、においからも察知できるので購入の際には鼻を利かすのがいいだろう。
筑波の保存方法
世界中の栗の産地では、いかに長く栗を保存するかで頭を悩ませてきた歴史がある。栗の収穫の時期は秋とはいえ、地球の温暖化によりまだまだ暑い。常温よりも冷蔵庫での保管が望ましいとされている。筑波は、多数ある栗の品種の中では比較的保存が効く部類に属す。そのため、自宅で消費する分には新聞紙にくるみ湿気の少ない冷暗所に保管しておけば、購入して1週間ほどならば問題はない。ただし、前述したごとく虫食いとカビには注意が必要である。
3. 欠点なしの栗「筑波」の食べ方

栗は、そのまま食べるだけではなく、さまざまな加工品となっても人気のある食材である。俗に「いもくりなんきん」といわれるように、とくに女性にファンが多いのが栗をはじめとする秋の甘い味覚なのである。
栗ごはん、栗きんとん、渋皮煮、マロングラッセ、マロンテイストの菓子やアイスなど、栗の加工品は枚挙にいとまがない。筑波は、こうした加工品にも適した品種である。栽培量が日本一である理由は、美味しさや栽培の安易さだけではなく、こうした多岐にわたる用途もそのひとつなのであろう。
もちろん、甘さでは定評のある筑波であるから、茹でたり炒ったりというシンプルな食べ方でも愉しむことができる。お茶請けとして、はたまた赤ワインのお供にも最適なのである。
栗ごはん、栗きんとん、渋皮煮、マロングラッセ、マロンテイストの菓子やアイスなど、栗の加工品は枚挙にいとまがない。筑波は、こうした加工品にも適した品種である。栽培量が日本一である理由は、美味しさや栽培の安易さだけではなく、こうした多岐にわたる用途もそのひとつなのであろう。
もちろん、甘さでは定評のある筑波であるから、茹でたり炒ったりというシンプルな食べ方でも愉しむことができる。お茶請けとして、はたまた赤ワインのお供にも最適なのである。
結論
日本で最も栗の生産量が多い茨城県において、全体の収穫量の30%を占めるといわれる筑波。品種が多い栗の中でも、盤石の安定感で秋の市場を彩り続けている。外観はいかにも栗らしい姿に恵まれ、甘みと保存性にも長けた幸運な栗といえるだろう。
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