1. 清水白桃の特徴と歴史

清水白桃は意図して作られた品種ではなく、偶然見つかった品種である。白桃と岡山3号を一緒に栽培していた施設の中で発見された。にも関わらず、非常に美味しい奇跡ともいえる桃なのだ。偶然見つかる品種のことを「偶発実生(ぐうはつみしょう)」と呼ぶ。桃に限ったことではないが、自然に地面に落ちた実や種が交配し、美味しいフルーツができあがることが稀にあるのだ。ここでは、清水白桃の特徴を挙げよう。
全体的に乳白色で美しい見た目
清水白桃は熟してもあまり赤くならず、全体的に乳白色なのが特徴だ。その見た目が非常に美しく、思わず見とれてしまうのだ。また、表面だけでなく中も美しい乳白色をしている。白っぽい見た目から硬そうなイメージを持つ人も多いが、一気にかぶりつけば予想外の果汁の多さに驚くだろう。
ジューシーで甘い
果汁が多く、かじると滴り落ちるほどジューシーなのも特徴。繊維が少なく柔らかい実は、とろけるような美味しさだ。糖度は9~13度と桃の中ではやや低めだが、酸味が非常に少ないので十分甘く感じる。
香りが強い
桃の豊潤な香りが強いのも清水白桃の大きな特徴。むく前でもしっかり香りを感じられるほど、濃厚な香りがするのだ。ナイフでカットすれば、さらに強く芳醇な香りが広がる。ぜひ桃に顔を近づけて、その香りを楽しんでみてほしい。
2. 岡山生まれの清水白桃の旬

岡山県は清水白桃の元となった白桃の発祥地でもあり、現在でも主な産地となっている。岡山市の北区佐山には、「清水白桃発祥の地」と書かれた石碑が飾られている。清水白桃の収穫時期は7月下旬から8月上旬とやや短め。短期間にしか収穫されず、栽培されている場所も少ないため、希少な桃の品種といえるだろう。ジューシーで柔らかな実は傷みやすく、完全に熟してから収穫するとすぐに傷が付いてしまうのが難点。ギリギリのところで収穫し、一番美味しい状態で食べられるように工夫しながら栽培しているのだ。
3. 清水白桃の食べ方は丸ごとガブリが一番!

桃は皮をむいてからカットして食べるのが一般的だが、清水白桃はぜひ皮をむいて丸ごとかじりついてほしい。滴り落ちるほどの果汁と、口いっぱいに広がる香りと味わいを存分に楽しみながら食べてみよう。贅沢な食べ方だが、一番桃の美味しさをダイレクトに感じられるのでおすすめだ。種の周りも残さず、しっかりと食べつくそう。
皮のむき方
清水白桃は非常に柔らかい品種のため、しっかり熟していれば手でもむくことができる。逆をいえば、手で皮がむける頃が一番の食べごろなのだ。手でむけないときは、常温に置いて追熟させるとよいだろう。食べる直前に1時間ほど冷蔵庫で冷やし、皮をむいてかぶりついてみよう。あまり冷やしすぎると甘みを感じにくくなるので、ほんのり冷やすくらいがベストな食べ方だ。
結論
清水白桃は、桃の中でも女王といわれるほど完成度の高い品種。なかなか手に入らず、価格も高価だが、食べる価値のある桃といえるだろう。桃好きの人は、ぜひ一度は試してみてほしい。食べる際は、皮をむいて丸ごとガブッとかじりついてみよう。その美味しさとジューシーさにきっと感動するにちがいない。ちなみに、清水白桃は滴るほど果汁が出てくるので、手や洋服の汚れには気を付けよう。油断してかぶりつくと、滴る果汁でそこら中が汚れてしまうので注意が必要だ。