1. 桃の基本をおさらい

桃とは、バラ科モモ属に分類される植物のことで、その果実は濃厚な甘みとジューシーな食感が特徴的な食用のフルーツとして知られている。また、日本全国で100種類以上の品種があるが、大きくは果肉が白い「白桃系(白肉種)」と果肉が黄色い「黄桃系(黄肉種)」に分けられる。特に有名な桃には、白鳳、あかつき、川中島白桃といった品種がある(※2)。
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2. 桃の基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、「白桃系(白肉種)」と「黄桃系(黄肉種)」の栄養価がそれぞれ収録されている。また、生の桃だけでなくジュースや桃の缶詰などの栄養価もある。ここでは基本となる「桃(白肉種/生)」の100gあたりの栄養価を確認する。
桃(白肉種/生)100gあたりの栄養価
・エネルギー:38kcal
・たんぱく質:0.6g
・脂質:0.1g
・炭水化物:10.2g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.01g
・一価不飽和脂肪酸:0.03g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g
・ビタミン
・βカロテン:0μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.7mg
・ビタミンK:1μg
・ビタミンB1:0.01mg
・ビタミンB2:0.01mg
・ナイアシン:0.6mg
・ビタミンB6:0.02mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:5μg
・パントテン酸:0.13mg
・ビオチン:0.3μg
・ビタミンC:8mg
・ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:180mg
・カルシウム:4mg
・マグネシウム:7mg
・リン:18mg
・鉄:0.1mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.05mg
・マンガン:0.04mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:0μg
・クロム:0μg
・モリブデン:1μg
・食物繊維:1.3g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:0.7g)
・たんぱく質:0.6g
・脂質:0.1g
・炭水化物:10.2g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.01g
・一価不飽和脂肪酸:0.03g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g
・ビタミン
・βカロテン:0μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.7mg
・ビタミンK:1μg
・ビタミンB1:0.01mg
・ビタミンB2:0.01mg
・ナイアシン:0.6mg
・ビタミンB6:0.02mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:5μg
・パントテン酸:0.13mg
・ビオチン:0.3μg
・ビタミンC:8mg
・ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:180mg
・カルシウム:4mg
・マグネシウム:7mg
・リン:18mg
・鉄:0.1mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.05mg
・マンガン:0.04mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:0μg
・クロム:0μg
・モリブデン:1μg
・食物繊維:1.3g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:0.7g)
3. 桃の特徴的な栄養素・成分

桃は炭水化物を多く含んでいるほか、ビタミン類やミネラル類、食物繊維なども含んでいる。また、前述の一覧にはないが「カテキン」などのポリフェノールを含んでいるのも特徴だ(※3)。ここでは桃に含まれる栄養素・成分の特徴や働きなどを解説する。
その1.炭水化物(糖質)
桃は、炭水化物を100gあたり10.2g含んでいる。このうち糖質量は8.9g、食物繊維量は1.3gとなっている。糖質はたんぱく質や脂質などと並び、体内では脳や身体を動かすための貴重なエネルギー源になることで知られている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの炭水化物の目標量は、1日のエネルギー量の50~65%となっている(※4、※5)。
その2.ビタミン類
桃は少量ではあるが、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンCといったビタミン類も含んでいる。ビタミン類の働きはそれぞれで異なるが、いずれも身体の機能を正常に保つのに欠かせない栄養素である。例えば、ビタミンEには強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素の働きを抑えたり、細胞に過酸化脂質が作られるのを防いだりする働きがある(※4)。桃からはこのようなビタミン類も補える。
その3.ミネラル類
桃はカリウムをはじめ、少量ではあるがミネラル類も含んでいる。ミネラル類は互いに影響を与えあいながら、身体の機能や状態を正常に保つために働いている。そのため、バランスよく摂ることが重要となっている。例えば、カリウムにはナトリウムを排出させる作用を通じて、細胞の浸透圧を調整する働きがある(※4)。桃はこのようなミネラル類も含んでいる。
その4.ポリフェノール
桃は、ポリフェノールの一種であるカテキンを含んでいる。カテキンは抗酸化物質の一種であり、体内では活性酸素の生成や働きを抑えたり、活性酸素そのものを取り除いたりする働きがあるとされている(※4)。なお、一般的にはカテキンは緑茶に多く含まれていることで知られている。
4. 桃の栄養面に関するよくある質問

ここまで、桃の栄養価や栄養素について詳しく解説してきた。しかしまだ「桃は1日にどれくらい食べていいのか」や「白桃と黄桃ではどんな栄養価が異なるのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、桃の栄養面に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.桃は1日にどれくらい食べていいのか?
桃の明確な食事量・上限量は決められていない。しかし、農林水産省などが策定した「食事バランスガイド」によると(※6)、果物の1日あたりの目安量は「2SV(200g)」となっている。桃1個あたりの重さは中サイズで200g程度であるため、1日1/2個~1個程度を目安にするとよいだろう。
Q2.白桃と黄桃では栄養価が異なるのか?
「日本食品標準成分表」には、白桃(白肉種)の栄養価だけでなく、黄桃(黄肉種)の栄養価も収録されている。この2つを比べると、黄桃のほうが全体的に栄養価は高い。特に、黄桃は体内でビタミンAに変換される「βカロテン」を多く含んでいる。また、βカロテンには抗酸化作用があるとされており、体内の活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりすると考えられている(※4)。
結論
濃厚な甘みとジューシーな食感が特徴的な桃には、炭水化物(糖質)・ビタミン類・ミネラル類・ポリフェノールなどが含まれている。突出した栄養素は少なく、栄養価が高いとはいえないものの、必要な栄養素をバランスよく摂れるのが特徴といえそうだ。その分、カロリーも100gあたり38kcalと低めのため、ダイエットや食事制限などをしている人でも食べやすくなっている。
(参考文献)
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:農林水産省「ももの歴史と主な品種」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1905_06/spe2_01.html - ※3:JAグループ「モモ(桃)」
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=67 - ※4:e-ヘルスネット「トップページ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - ※5:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※6:農林水産省「「食事バランスガイド」の適量と料理区分」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kenzensyokuseikatsu/about_b_guide.html
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