1. 聖護院かぶの特徴
聖護院かぶの特徴
かぶは、日本国内で80種類以上もの品種があり、地方特産のものも多い。その中でも聖護院かぶは、きめ細かな肉質と上品な甘さで、関西を中心に全国的な人気がある。大かぶの代表的な品種で、大きいものは5㎏程度にもなるという。
ほのかな甘みと歯ざわりのよさは千枚漬けにぴったりで、京野菜のひとつとして大変重宝されている。
ほのかな甘みと歯ざわりのよさは千枚漬けにぴったりで、京野菜のひとつとして大変重宝されている。
聖護院かぶの由来
聖護院かぶは江戸時代、左京区聖護院に住む農家が栽培し始めたことから、その名がつけられた。かぶはかぶらと呼ばれることもあるため、「聖護院かぶら」ともいわれる。
ルーツは滋賀県大津市の「近江かぶ」で、聖護院かぶは、その特徴を色濃く受け継いでいる。
現在では、京都府亀岡市で多く栽培されている。
ルーツは滋賀県大津市の「近江かぶ」で、聖護院かぶは、その特徴を色濃く受け継いでいる。
現在では、京都府亀岡市で多く栽培されている。
ブランド京野菜・京の伝統野菜とは
ブランド京野菜とは、京都の数ある農林水産物の中でも特に優れたものだけに与えられる称号で、「京のブランド産品」マーク(京マーク)を使用することが許可されている。聖護院かぶのほかにも、「九条ねぎ」や「万願寺とうがらし」などがブランド京野菜として認められている。
また、京の伝統野菜の定義は以下のとおりである。
- 明治以前に導入されたもの
- 京都府内全域が対象
- たけのこを含む
- キノコ,シダを除く
- 栽培または保存されているもの及び絶滅した品種を含む。
聖護院かぶは、このどちらからも認証を受けており、京都の食文化の象徴として長年守り継がれている。
2. 聖護院かぶの旬や選び方
一般的に、かぶは年間通して販売されているが、特に秋のものの方が味がよいといわれている。聖護院かぶの旬は秋ものの中でも遅く、11~2月である。
また、聖護院かぶを選ぶ際は、以下の点に気をつけて選ぶとよい。
また、聖護院かぶを選ぶ際は、以下の点に気をつけて選ぶとよい。
葉が鮮やかな緑色で、ピンと張っているもの
葉先が黄色くなっているものやしわしわになっているものは、鮮度が落ちている証拠である。
茎の付け根が綺麗なもの
茎が変色していたり、折れたりしているものは、収穫から時間が経っているものなので避けよう。
根に光沢やハリがあるもの
表面が鮮やかな白色で、つややかなみずみずしいものを選ぼう。
3. 聖護院かぶの食べ方
聖護院かぶのもっともポピュラーな食べ方は、千枚漬け。大かぶの聖護院かぶだからこその味わい方である。
現在ではみりんや砂糖、酢などと一緒に漬けることが多いが、江戸時代後期、刻んだ聖護院かぶを塩漬けにしたものが元祖だといわれている。小かぶや大根などを同じように漬けたものを千枚漬けということもあるが、本来は聖護院かぶを漬けたものを千枚漬けという。
現在ではみりんや砂糖、酢などと一緒に漬けることが多いが、江戸時代後期、刻んだ聖護院かぶを塩漬けにしたものが元祖だといわれている。小かぶや大根などを同じように漬けたものを千枚漬けということもあるが、本来は聖護院かぶを漬けたものを千枚漬けという。
簡易版!聖護院かぶの千枚漬け
- 聖護院かぶは洗って半分または4等分にし、好みの薄さにスライスする。昆布は細切り、赤唐辛子は輪切りにする。
- スライスした聖護院かぶをタッパーに入れ、塩、砂糖、酢、昆布、鷹の爪を入れる。
- 軽くかき混ぜたあと、ふたをして冷蔵庫で一晩寝かせる。
千枚漬け以外の食べ方としては、かぶら蒸しやサラダなどもあるが、聖護院かぶは寒い時期に旬を迎えるので、シチューに入れるのもおすすめ。とろけるような食感と聖護院かぶ特有の甘みは、子どもにも食べやすいだろう。
聖護院かぶのシチュー
- 聖護院かぶ、人参、じゃがいも、玉ねぎは皮をむき、食べやすい大きさに切る。鶏肉を一口大に切る。
- 鍋にバターを入れ、鶏肉を炒める。色が変わったら聖護院かぶ以外の野菜を加えて炒める。
- 一度火を止め、小麦粉をふり入れてかき混ぜる。全体になじんだら再び火をつけ、水、コンソメスープの素を入れる。
- 沸騰したら弱火にし、聖護院かぶを加えて、野菜がやわらかくなるまで煮る。
- 牛乳を加えてとろみがつくまで煮たら、塩こしょうで味を調える。
結論
京都を代表するブランド野菜・聖護院かぶについて紹介した。クセのない上品な味は、かぶら蒸しなどの和食からシチューなどの洋食まで、さまざまな味わい方ができる。しかし、聖護院かぶ本来の味と歯ざわりを楽しみたい方には、千枚漬けがおすすめだ。材料を入れるだけで簡単に作ることができるので、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
この記事もCheck!