1. 酒の肴とは?
肴(酒の肴)とは、お酒を美味しく飲むための食べ物のことをいう。肴のことを「おつまみ」、「アテ」、「お通し」、「オードブル」などと呼ぶこともあるが、基本的には全て「お酒と一緒に出される料理」のことである。時代によって飲まれるお酒は変わり、それに伴い酒の肴の種類も増えている。現在は生もの、揚げ物、焼き物、漬物、乾物などのほか、スナック菓子を肴として食べることもある。
酒の肴の歴史
酒の肴の起源は明確にはわかっていないものの、室町時代に確立した本膳料理では「酒の肴」が存在している。当時のお酒は食事の最後に出されるものであり、その直前に出される「吸物膳」が酒の肴に相当したそうだ。なお、本膳料理の略式として誕生する会席料理は、基本的にすべて酒の肴である。
また、明治時代の中頃になると「恵比寿ビヤホール」という日本初のビアホールがオープンする。それにより日本人の間でビールが飲まれるようになるのだが、当時のおつまみは大根や佃煮だったそうだ。それから徐々に酒の肴は変化していき、戦前は日本の珍味(このわた・越前雲丹・からすみ)やおでんなど、戦後には落花生、枝豆、焼き鳥、フライドポテトなどが酒の肴の仲間入りをしていく。
また、明治時代の中頃になると「恵比寿ビヤホール」という日本初のビアホールがオープンする。それにより日本人の間でビールが飲まれるようになるのだが、当時のおつまみは大根や佃煮だったそうだ。それから徐々に酒の肴は変化していき、戦前は日本の珍味(このわた・越前雲丹・からすみ)やおでんなど、戦後には落花生、枝豆、焼き鳥、フライドポテトなどが酒の肴の仲間入りをしていく。
肴の語源と由来
一般的に肴の語源は「酒菜(さかな)」だと考えられている。菜とは副食(おかず)のことを指す言葉で、「お酒のための菜(おかず)」であることから酒菜と付いたそうだ。また「な」の文字には菜のほかに「魚」や「肴」が使われることもあったそうだ。その後、肴はお酒のおかずに対して使うようになり、魚は魚料理に対して使うようになったと伝えられている。
2. 関東と関西で酒の肴の呼び方が違う理由
酒の肴は地方によって呼び名が違う。関東圏では「おつまみ」と呼ぶことが多いが、関西圏では「アテ」と呼ぶことが多いそうだ。このように酒の肴の呼び方が違う理由について確認してみよう。
関東圏では「おつまみ」と呼ぶことが多い
関東地方では、酒の肴を「おつまみ」と呼ぶ。語源は「つまみもの(摘みもの)」であり、主に手に取ることができる食品・料理を指す。そのため乾物やスナック菓子などを特に「おつまみ」と呼び、刺身や漬物、焼き物などのように箸を使う食品は「肴」と呼ぶことが多い。ただし、あくまでも一般的な傾向であり、酒の肴のことをまとめて「おつまみ」と呼んでいる人もいる。
関西圏では「アテ」と呼ぶことが多い
近畿地方では、酒の肴を「アテ」と呼ぶことが多い。語源は「あてがう」であり、「酒の肴をあてがう」「酒席にあてがうおかず」などの意味から使われるようになったそうだ。また、もともと芝居関係者の間では食事のおかずを「アテ」と呼んでいたそうで、それが酒の肴に転じたのではないかと考えられている。一般的にお通しのような簡単な小鉢・小皿のことを「アテ」と呼ぶことが多い。
3. ご当地のおすすめ酒の肴を5つ紹介!
今ではビール、ワイン、ウイスキー、日本酒などさまざまなお酒が飲まれており、そのお酒に合った酒の肴がよく出されている。そこでそれぞれの地域で人気の「酒の肴(名産品)」を紹介する。
その1.鮭とば(北海道)
北海道産の人気のおつまみには、秋鮭をスライスして乾燥させた「鮭とば」がある。冬の寒風にさらして熟成させた鮭はうま味もコクもあり、北海道に行ったらぜひ食べてみたい一品である。
その2.落花生(千葉県)
関東の名産品といえば千葉県の落花生で、お酒のおつまみには欠かせない一品だ。特に千葉産の半立種は甘味が強くコクもあり、輸入品とは違った美味しさがある。
その3.このわた(愛知県)
このわたは日本三大珍味の一つに数えられる愛知県の三河の名産品で、なまこの腸を塩辛にしたものだ。日本酒によく合うので、ぜひ一度食べてみてほしい。
その4.越前雲丹(福井県)
越前雲丹は福井県の名産品であり、日本三大珍味の一つである。高級バフンウニを塩漬けにしたもので、バフンウニ本来の濃厚な味わいが凝縮されている。
その5.からすみ(長崎県)
からすみは日本三大珍味の一つであり、長崎県の名産品となっている。ボラの卵巣を塩づけにして天日干しで乾燥させたもので、濃厚な味わいが特徴。酒の肴としても最高の一品だ。
結論
酒の肴は関東ではおつまみと呼び、関西ではアテと呼ぶことが多い。また、酒の肴自体はお通し、オードブル、前菜などさまざまな呼ばれ方をする。このように呼び方は違うけれど、いずれもお酒を美味しく飲むための食事であることには変わりない。今ではさまざまな料理が酒の肴として楽しまれているので、今夜の一杯に合う酒の肴を探してみてはいかがだろうか。