1. おつまみおにぎりに見る動向
おにぎりは、ご飯を握った日本人のソウルフード。モバイルフード、ファストフードとも言える存在だ。手で握るという行為自体がとてもパーソナルなものなので、家庭料理という印象も強い。近年は、梅や鮭といったシンプルな具材にとどまらず、食事として満足感が得られる工夫がされているものも多い。おつまみおにぎりというワードも、その動向を表している。
話題のおにぎり
SNSで人気に火がつき、一時は売り切れが続出したおにぎりこそ、悪魔のおにぎりだ。これは白だしで炊き上げたご飯に天かすなどを混ぜたおにぎりで、たぬきにぎりなどという名前で食べられてきたメニューでもある。実際、我が家では天かすとだし醤油のおにぎりは、定番である。このおにぎりは、一度食べ始めたら止まらない、後をひく味がキモ。天かすが入ることで油のコクが加わり、こってり感も十分。食べ応えもあるので、ひとつでお腹がいっぱいになるところも優秀だ。
健康系おにぎり
体を気遣う人は年々増えており、その影響は食生活にも及んでいる。おにぎり界でも、玄米や雑穀を使用したおにぎりが依然として人気である。そのほか注目度が高いのが、シンプルな塩おにぎり。塩、握り方、のりなど、こだわりどころが満載だ。その美味しさが見直されていると言ってもよい。
2. ニューウェーブおつまみおにぎり
スティックおにぎり
おにぎらずが一世を風靡したのは、数年前。サンドイッチのように食べやすく、持ち運びにも便利なことから注目され、既に定番化した感さえある。現在、話題を集めているのはスティックおにぎり。こちらもおにぎらず同様、モバイルフード感覚がウケたようだ。SNS流行の追い風を受けて、フォトジェニックなものも注目を集めている。
卵とおにぎり
おにぎりの具として台頭してきたのが卵だ。近頃話題を集めている具材が、黄身の醤油漬け。とろりと溶け出す黄身はまろやかでコクがあり、たまらない美味しさ。醤油漬けになっているので、生卵と違い、ある程度固まっているので食べやすさもある。スティックおにぎり同様、フォトジェニックなところも人気の要因と考えられそうだ。
オイルとおにぎり
オイルとご飯の相性は言わずもがな。これはおにぎりにおいても変わらず、オイルのコクが、おにぎりをさらにリッチに格上げしてくれる。食べ応えも高まるので、働き盛りのオリひと世代や育ち盛りの子どもたちにも満足度は高い。
3. 簡単に作れる新たなおつまみおにぎり
肉巻きスティックおにぎり
スティックおにぎりと肉巻きおにぎりのハイブリット版。スリムな形にすると、肉巻きもより作りやすく、崩れにくい。ご飯をスティック状にするときは、ラップを使うと便利だ。肉はしゃぶしゃぶ用の薄切りを使うと、上手に巻くことができる。シンプルに醤油・みりん・酒・砂糖のタレもよし。より簡単に、焼肉のタレなどを使ってもよいだろう。ポン酢であっさりと味付けするのもおすすめだ。
黄身の醤油漬けおにぎり
卵黄を醤油に漬けると、黄身内部の水分が抜け、そこに醤油がしみ込んでややサイズダウンする。少し硬さも出るので、おにぎりに入れやすい。黄身の醤油漬けの作り方は、卵黄を醤油に浮かべるだけ。2時間から半日くらいが目安だ。
胡椒とオイルおにぎり
シンプルで簡単、それでいて新鮮味のある組み合わせがこちら。家にあるもので作ることができるので、すぐにトライできる。オイルは、ごま油やオリーブオイルがおすすめだが、入れすぎると握りにくいので、少量にとどめておこう。対して、胡椒は大胆に入れるとスパイシーで美味しい。ひとつまみの塩も忘れずに投入しよう。おつまみはもちろん、飲んだ後のシメや鍋に合わせるのもおすすめだ。
結論
定番だからこそ、マンネリになりがちなおにぎり。ただ、他の料理と違い、簡単なのでトレンドを取り入れやすいという側面もある。子どもたちに「またいつものおにぎりか」と言われないためにも、常にニューウェーブをリサーチして、いつもと違うおつまみおにぎりにトライしてみるのもよいのではないだろうか。