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かんぴょうとは?原材料や製造方法などのかんぴょうの基本を解説!

かんぴょうとは?原材料や製造方法などのかんぴょうの基本を解説!

投稿者:ライター 若藤雅奈(わかふじかな)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年7月30日

かんぴょうとはなにか、詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。巻き寿司の具材によく入っている印象はあるが、何が原材料で、どのように製造されているか見ためからも分かりにくい食品である。ここではかんぴょうの基本について、種類や食べ方を含め解説していく。

  

1. かんぴょうとは?

かんぴょうとは、ユウガオというウリ科の野菜からできており、細く帯状にして乾燥させたものである。歴史は長く、300年前から食べられている食品だ。巻き寿司の具やロールキャベツの紐として使われることが多いが、味付けはいかようにもできるので、スープやサラダ、ヨーグルトに添えても美味しく食べることができる。

原料のユウガオとは?

ユウガオは一年草のつる性植物である。淡い黄緑色で冬瓜のように丸っこいものと、ひょうたんのように細長いものがあり、かんぴょうには主に丸っこいふくべと呼ばれる品種が使用されている。生育が旺盛で、7~8kgの大玉スイカほどの大きさに成長。海外では食用以外に楽器や入れ物に加工されることが多く、かんぴょうにするのは日本だけだ。よって、かんぴょうの英語は「Kanpyo」と日本名のまま呼ばれている。ユウガオの名前は朝に花を咲かせるあさがおの反対で、夕方に花を咲かせることに由来している。

2. かんぴょうの製造方法とは?

日本で製造されるかんぴょうの9割は栃木産である。では、かんぴょうの製造方法について解説していこう。

かんぴょうの作り方・製造方法

  • 収穫したユウガオを皮むき機を使用して皮をむいていく
  • 皮がむけたら、実を専用のかんなで帯状にむく
  • むけた実を一定の長さに切りそろえ、竹竿などに吊るす
  • 屋内で2~3日間程度かけて乾燥させ、完成
かんぴょう特有の甘みは乾燥により出る。よって、天候により風通しをしたり、乾燥機を使ったりして、しっかりと乾燥させるのだ。ユウガオは主に6~7kg程度で収穫し加工されるが、中心部には綿のついた種が詰まっているため、加工できる部分は1玉のうち半分以下の200g程度しかない。甘い香りのあるもの、肉厚で幅が揃っているものが良品なかんぴょうだといわれている。

3. かんぴょうに含まれる栄養素

かんぴょうに含まれる栄養素は、カルシウムや食物繊維、カリウムなどが豊富である。日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)によると、茹でかんぴょう100gあたり、カルシウムは34mg、食物繊維は5.3g、カリウムは100mg含まれている。どれも1日分の必要量を摂取するのは難しいとされている栄養素だ。レタスに含まれる食物繊維が100gあたり1.1gのため、かんぴょう100gと比較すると大玉のレタス丸1個分に相当する。また、茹でかんぴょうだとカルシウム、カリウムは少なくなってしまうが、乾燥の状態ではカルシウムは100gあたり250mg、カリウムは1800mgも含まれている。カルシウムもカリウムも熱に強く、水にさらすと溶けだす性質のため味噌汁などに入れて汁ごと飲めばかんぴょうの豊富な栄養素が摂取できるので、ぜひ試してみてほしい。
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4. かんぴょうの戻し方・食べ方とは?

では、かんぴょうの戻し方・食べ方について解説していこう。

かんぴょうの基本的な戻し方

戻す前の下準備として、まずは表面に付いている汚れを落とすためさっと水洗いする。水洗い後、ボウルに水を張り、3分ほど浸けておく。3分経過したら水を捨て、小さじ半分ほどの塩を入れて弾力が出るまでよくもむ。かんぴょうには、無漂白のもの、漂白のものと2種類あり、漂白のものは防カビ、変色防止を目的に二酸化硫黄で燻製を行っている。よって、漂白のものは戻す前の下処理をしっかりと行ったほうがよい。無漂白のものは、塩は入れずに軽くもむ程度で大丈夫である。弾力が出たら、流水で塩を洗い流し、たっぷりのお湯で茹でていく。10~20分程度したら爪で切れる程度のやわらかさになるのでザルにとり、水分をふきんなどで搾り取り、戻す作業は終了となる。
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かんぴょうの美味しい食べ方

かんぴょうの食べ方は、甘辛煮にして食べたり、巻き寿司に入れたりするのが定番だが、味噌汁やサラダにも合うので入れてみてほしい。食感がしっかりしているのでヨーグルトにのせるだけでもアクセントになり、食べごたえもでるのでおすすめだ。
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5. かんぴょうに関する疑問・質問に回答!

ユウガオには毒があると聞いたことはないだろうか。ここではかんぴょうに関する疑問や質問に回答していく。

Q1.原料のユウガオには毒があるの?

厚生労働省の自然毒のリスクプロファイル(※2)によれば、ユウガオは毒のあるひょうたんと同一種であるため、ごく少量だが毒が含まれるものも存在している。実際には、ひょうたんと間違えて食べてしまった場合や、ユウガオ自体を食べて症状が出た事例もある。ユウガオに含まれるククルビタシンという成分により食中毒が起こるのだが、この成分は苦みがあることが特徴だ。ユウガオを食べる機会があれば、苦みの強いものは摂取しないほうがよいだろう。市販されているかんぴょうに関しては安全だといわれているが、念のため食べすぎには注意したい。

Q2.かんぴょうには白色のものがある?

巻き寿司などに入っているかんぴょうは、甘辛く味付けされているため茶色のイメージが強いが、実は本来の色は白色である。無漂白タイプでも、生成り~淡いあめ色をしており白色に近い。スーパーなどでよく見かけるタイプは漂白タイプが多いので実際に見てみると白さが分かりやすいだろう。無漂白はそのままでも使用でき、戻し汁も旨みが多く料理に使用できる。漂白タイプは賞味期限も長く、常温保存も可能だ。どちらを使用するかは好みに合わせて選ぶことをおすすめする。

結論

かんぴょうの基本について解説した。普段、食材として選ぶことの少ないかんぴょうだが、栄養も豊富で見ため以上に魅力的な食材である。巻き寿司以外にもアレンジして食べられる方法はたくさんあるのでぜひ試してみてほしい。
(参考文献)
※1 文部科学省 食品成分データベース
かんぴょう(ゆで)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06057_7
かんぴょう(乾燥)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06056_7
※2 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ユウガオ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000079844.html
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  • 公開日:

    2020年3月11日

  • 更新日:

    2021年7月30日

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