1. 酒ずしの特徴は?

酒ずしはいまから400年以上前の江戸時代のころから親しまれている歴史の長い郷土料理である。当時、島津を治めていた殿様が、花見を開いた際に残った食べ物に酒をかけて発酵させたのが酒ずしの始まりという説や、女性のための花見料理として酒ずしが考案されたといった説も残っているため、酒ずしの起源に関しては諸説あるといえるだろう。
押し寿司のような見ためをしているが、普通の押し寿司とは異なり、酒ずしでは鹿児島県の地酒である灰持酒を使用する。ほんのりとした甘みをもつ灰持酒と、具だくさんの寿司の相性はバツグンであり、いまでも鹿児島で人気を誇る料理のひとつなのだ。
2. 酒ずしはどんな食材を使用している?

酒ずしは、灰持酒を使用することが唯一の絶対条件であり、使用する具材については、人によって微妙に異なる。ただ、よく使用される具材としてはエビ、卵、しいたけ、干し大根、タケノコ、タイ、イカなどが挙げられる。
干し大根やしいたけ、タケノコなどの野菜類には食物繊維が豊富に含まれており、エビやタイ、タコ、イカといった魚介類にはタンパク質が含まれているため、酒ずしは栄養豊富な料理といえるだろう。
ただし、酒や米といった糖質の高い食材もいくつか使用しているため、糖質制限を行っている人は食べ過ぎに注意する必要がある。
3. 酒ずしの食習の機会や時季

酒ずしの起源は花見が深く関係していることから、現在でも春の料理として扱われることが多い。そのため、入学式や卒業式、就職祝いといった春に関連する祝いの席でふるまわれる傾向にある。また、花見料理として酒ずしを用意するケースもあるようだ。
ただ、春限定の食材を使用しているわけではないので、春とは関係ない季節に行われる誕生日や結婚祝いの席でふるまうケースもある。
4. 酒ずしの作り方を紹介

酒ずしは具材を多く使用するため、大がかりな準備が必要なように見えるかもしれないが、作り方自体は非常にシンプルで簡単だ。灰持酒を手に入れた際は、ぜひ好みの具材で酒ずしを作ってみてはいかがだろうか。ここからは、誰でも簡単にできる酒ずしの作り方について解説していこう。
具材とごはんの準備をする
まず酒ずしに使用したい野菜や魚介類などの下準備を済ませる。また、卵を使用する場合は、錦糸卵の状態にしておこう。具材の準備が完了したら、大きな器のなかに米と灰持酒を入れてよくかき混ぜておく。
層になるように重ねて半日発酵させる
ごはん、具材、ごはん、具材...といった交互の層になるように、順番に重ねていき、盛りつけを行ったら、最後に重石を置いてそのまま半日ほど発酵させる。発酵が完了したら、酒ずしの完成だ。
5. 酒ずしの食べ方は?

酒ずしは大人数で食べることを想定して作る料理なので、食べる際は1人前の量をそれぞれおに取り分けるのが一般的である。
ホールケーキのように、ナイフで均等に取り分ければ、酒ずしならではの美しい断面も楽しめるので、取り分け方も重要なポイントのひとつといえるだろう。
おしゃれな見ためにアレンジするのもおすすめ
見栄えももっとかわいらしくしたい場合は、たまごメインの酒ずしやタイがメインの酒ずし、エビがメインの酒ずし...といったように数種類の酒ずし寿司を作って、カラーバリエーションを用意し、それらを一口サイズに切って交互に並べるといったアレンジを加えるのもおすすめだ。
カラーバリエーションを作ってランダムに並べるだけで、見ためだけでなく食べやすさも一気に向上するため、パーティー向けに酒ずしを作る場合はぜひ取り入れてみてはいかがだろうか。
結論
酒ずしがひとつあるだけで、食卓が一気に華やかになり、大人数のお腹を満たすこともできる。「祝いの席や花見のためにごちそうを作りたいけど、手軽に用意したい」と考えている人はぜひ灰持酒を使った酒ずしを作ってみてほしい。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 酒ずし
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sakezushi_kagoshima.html
農林水産省 うちの郷土料理 酒ずし
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sakezushi_kagoshima.html
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