1. 鶏汁の特徴

鶏汁とは大分県の郷土料理だ。鶏汁と書いて、にわとりじると読む。もともと大分県は鶏肉を使った郷土料理が多く、一世帯あたりの鶏肉の年間購入量も全国でトップレベルという鶏肉との関りが深い県だ。そんな大分県の鶏汁は、祝いごとなどに食べられることが多く、飼っている鶏をさばき、余すことなく料理に使う際に生まれたといわれている。鶏肉の身などは同じく郷土料理の鶏めしなどに使い、残った鶏ガラを鶏汁にしたといわれている。
2. 鶏汁にはどんな食材を使うのか?

鶏汁は主に鶏ガラや鶏肉を使って出汁をとり、そこにごぼうや干ししいたけなどの野菜を加えて作る。味付けはしょう油やみりん、砂糖、酒などで調味するのが定番だ。鶏ガラなどからとる出汁はとにかく味わい深く旨みが溢れているので、コク深い仕上がりになるのだ。各家庭によって鶏肉やごぼう以外にも、さまざまな野菜を入れたりすることもあり、栄養バランスもよい汁物といえるだろう。
■鶏肉の栄養
鶏汁には欠かせない鶏肉には多くの栄養が含まれている。基本となる鶏肉のたんぱく質はアミノ酸バランスがよく、質のいいたんぱく質を摂取することができる。さらにビタミンB群も多く含んでいるので、皮膚や粘膜を健康に保つ働きなども期待できるのだ。さらに野菜を組み合わせる鶏汁は栄養のバランスがよく、手軽に味わえる郷土料理といえるだろう。
3. 大分県で鶏汁を楽しむのはどんなとき?

大分県では、お盆や正月など人が多く集まる際に鶏汁がふるまわれる。もともと飼っていた鶏を祝い事やハレの日に捌いて食べる習慣があり、特別な日を象徴する料理でもあった。また、鶏汁と合わせて食べられていたのが鶏めしだ。鶏めしには親鳥を使うことが多く、鶏めしを作った際に残った材料で鶏汁を作っていた。親鳥はしっかりとした歯ごたえがあり、滋味深く脂の旨みも感じられる肉質だ。
4. 鶏汁の作り方

鶏汁の作り方は、まず鶏肉を1cm角に切り、ごぼうをささがきにしてあく抜きをしておく。油を熱した鍋で鶏肉を炒め、ささがきにしたごぼうを加えて炒める。鶏ガラや昆布でとった出汁を加え、アクを取ったらしょう油やみりん、砂糖、酒などの調味料で味を調えて完成だ。鶏ガラの出汁を使っているので、味わい深い風味であっさりとしているのが特徴だ。好みで柚子胡椒やかぼすの皮などを入れて味わうのもおすすめだ。そのまま鶏汁を味わうのもいいが、冷や飯やそうめんなどを加えて食べる場合もある。
5. 鶏汁をアレンジしてみよう

■みそ味の鶏汁
通常は鶏出汁にしょう油などで味付けをしたのが鶏汁だが、みそ味にした鶏汁もある。作り方は鶏肉と白菜やにんじん、さつまいもなどの野菜を炒め、そこに出汁とみそを入れて作るのだ。豚汁よりもカロリーも抑えられるのでおすすめの作り方だ。
■餅や八戸せんべいを加える
基本の鶏汁に、餅を入れて雑煮風にしたり、青森県の八戸の名物である八戸せんべいを加えてボリュームを出した鶏汁の食べ方もおすすめだ。鶏肉と野菜をたっぷり入れることで、ボリュームが出て、メイン料理にもなるだろう。
結論
鶏汁は大分県の郷土料理として鶏めしと合わせて食べられることが多い。鶏汁は鶏の出汁にしょう油などの調味料を加えあっさりと仕上げた汁物だが、家庭によってさまざまな作り方がある。鶏肉と野菜をふんだんに使うので、栄養バランスもよくボリュームもあるので、鶏汁だけでもメインになるような料理だ。豚汁よりもヘルシーな仕上がりになるので、ぜひ作ってみてはいかがだろうか。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 鶏汁
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/niwatorijiru_oita.html
農林水産省 うちの郷土料理 鶏汁
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/niwatorijiru_oita.html
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