1. 非常事態と定番商品

未曾有のコロナ禍は、我々の生活に大きな変化をもたらした。まず、大きかったのは緊急事態宣言に伴うリモートワークの推進。これまで通勤し、会議をこなし、残業して仲間と飲みに行く...と1日のほとんどを会社やその周辺で過ごしていた人が、リモートワークになり、自宅にこもりきりになってしまったというケースも少なくないだろう。
生活スタイルと購買
生活の変容は、購買行動に直結する。たとえば、マスク。東京では、ある時期街中からマスクが消えた。これは異常な需要に供給が追いつかなかった結果である。マスクを追い求め、店をはしごするという人も少なくなかったはずである。これまで、苦労なく買えた当たり前の商品が、瞬く間に手に入らない商品になる。これは購買行動がもたらすものだ。
料理熱と定番商品
長く続く自粛ライフの間に料理を身につけ、自炊しているなんていうケースもよく耳にする。自粛期間中は買い物もままならない状態が続いたので、まとめ買いがスタンダードになり、そのなかで注目を集めたのが定番商品なのだ。これがあれば大丈夫という安心感が定番商品の強みだ。また悩むことなく手にすることができるので、買い物の時短にも繋がる。
2. 人気再燃!定番商品

ホットケーキミックス
人気再燃のトップにふさわしいのがホットケーキミックス。巣ごもり需要の筆頭株ともいえよう。ホットケーキミックスは非常に万能で、これさえあれば、ホットケーキのみならず、パウンドケーキ、アメリカンドッグなど、幅広いレシピにアレンジが可能だ。子どもでも扱いやすいという点も需要を押しあげたゆえんといえる。
ルウ商品
カレーやシチュー、中華料理などのルウ商品やレトルト商品も見直された定番商品。コロナ禍において、食事を準備する負担を痛感したという人も少なくないだろう。記載通りに作るだけでOKというルウ商品の手軽さは、救世主のような存在であったと推測できる。
冷凍食品
すぐに食べることができる冷凍食品も注目を集めた。買い物に自由にいけない日々だったこともあり、価格が安定していて、鮮度が落ちにくい冷凍野菜や冷凍海鮮も定番商品として見直された感がある。
3. 新商品より定番が強いワケ

定番商品の強みのひとつとして挙げられるのが安心感。対して新商品の強みは新体験といえるだろう。このコロナ禍でこれまでの日常は一変した。当たり前が当たり前でなくなった世界で、多くの人は日常を懐かしむ気持ちから定番商品を手にしたのではないだろうか。無意識のうちに新体験よりも安心を選ぶ気持ちは、多くの人が理解できるところであろう。
これから売れるもの
これからの時代も定番商品は引き続き、売れ筋傾向になると推測できる。というのもアフターコロナにはまだまだほど遠い状況で、ウィズコロナとしての暮らしが続くから。新しい生活様式と相性のよい商品もぐっと売上げを伸ばす可能性を秘めている。
結論
世界的な変化が起きている現在、定番商品はその秘めたる実力を遺憾なく発揮しているといえよう。人気が再燃した商品はもちろん、これからも情勢に合わせて新たな定番、人気商品が登場するはずだ。新商品にはないその価値を改めて考えてみるのもよいだろう。
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