1. 食とコロナウイルス

新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中に広がり、我々の暮らしは大きく変化した。国によって緊急事態宣言が出され、自粛生活を送ったことも記憶に新しい。現在は、緊急事態宣言は解かれ、自粛の基準は下がりつつあるが、まだまだ予断を許さない状況である。
コロナ禍で変化した食
人が生命をつなぐために、食は欠かせないものである。睡眠欲、性欲と並ぶ三大欲求のひとつでもあり、日々の暮らしの中枢を担っているといっても過言ではない。そんな食もコロナ禍で非常に大きく変化した。たとえば、感染拡大を防ぐ目的で、飲食店にも自粛が求められたことで、外食の機会が減ったことやデリバリーフードが一気に充実したこと。食関連の通販サイトや宅配業者への需要が高まったこと、地域密着型の店に対する価値変化などもその一例に挙げられるだろう。
2. 家庭での食事とコロナウイルス

コロナウイルスの流行で、家庭での食事にも変化が起こった。まずは自粛生活に伴い、家庭での食事回数が圧倒的に増えた。時短料理やワンプレート料理など、手間がかからず、美味しい料理を検索したり、作る人が多かったりしたのではないだろうか。また買い物の回数を減らすことが推奨されたことで、家にある素材で工夫をして料理をするようになったという人もいることだろう。
中食の利用
中食とはいわゆるテイクアウトやできあいの惣菜など、外食でも内食でもない料理のこと。中食の利用はこのコロナ禍で、飲食店経営の新たな一手となった。普段なら入店することができない高級店がテイクアウトを始めるなど、敷居が下がったこともあり、これまであまり利用していなかった人にも普及した。
プロのレシピ
SNSを通したさまざまな試みも注目を集めた。とくに食というカテゴリーで話題になったのは、一流の料理人や食のプロたちによるレシピ公開。人気レストランやプロの料理研究家が、秘伝ともいえるレシピを公開したことで、家庭料理がぐっと楽しいものになったという話もよく耳にする。
3. アフターコロナと食事

インターネットを介して、多くの人が情報を手にすることができる現代において、食事もその影響を多分に受けることとなる。コロナウイルスの脅威、席巻によって、そのスピードは一気に加速した感がある。たとえば、UberEats。ビフォーコロナの時代は都市部での運用がメインで、まだまだ全国で当たり前とはいい難い状況であった。しかし、このコロナ禍において、その浸透は一気に加速。ボックスを背負って走る自転車は、日常の風景の一部となった。
消費以外の価値
これまで家での食事は生きるための食であり、どちらかといえば、消費の印象が近かった。しかし、今回のことで家での食事を消費から生産へ変化させる人も多くなったように思う。より楽しんで生きる、食事を作ること自体がその手段のひとつに変化したのだ。
健康意識
今回のような異常事態が起こると、健康意識もより高まる。健康と食事との関係が深いことはいわずもがな。実際に調査も進められているが、キリン食生活文化研究所のアンケートでも、多くの人が健康への意識が変化したと述べている。サプリやプロテインはもちろん、昨今では発酵食品を食べることにも注目が集まっているようだ。
結論
コロナ禍により変化した私たちの暮らし。なかでも食事に関しての変化は、多かれ少なかれどんな人にもあったのではないだろうか。まだまだ変化を余儀なくされる事態が続く可能性もある。今回のコロナ禍は、食べるということに向き合うよいきっかけになるかもしれない。
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