1. よもぎ茶ってどんなもの?よもぎは古来から使われている薬草

よもぎの香りにはそこはかとない懐かしさを感じる。これは、よもぎにまつわる歴史と関連があるからかもしれない。よもぎは、東洋においては古くから生薬として愛用されてきた歴史があるのである。その効能も含めてみていこう。
薬用であったよもぎ
日本薬学会によれば(※1)、よもぎは婦人科の生薬として愛用されてきた歴史をもつ。化粧品としても使用されていた形跡が残っている。さらに、徳島県薬剤師会のサイト(※2)には、よもぎは解熱作用、抗菌作用、脂質降下作用、降圧作用、消炎性利尿の効能があることが明記されている。つまりよもぎには、現代のわれわれにとっても有益な効用があるのである。近年の研究では(※3)、よもぎには抗酸化作用があることも報告された。こうしたことからよもぎは、「ハーブの女王」の別名をもつ。
デトックスや身体を温める効果も?
よもぎは、現在も薬用専門店などで販売されている。それぞれの店のよもぎの項目を見ると、デトックス効果や身体を温める効能などがうたわれている。また、腸内環境を整える効果などがうたわれている場合もある。
よもぎがお茶となったのは
ちなみに、よもぎがお茶になったのは大正時代初期から昭和時代にかけてといわれている。よもぎ茶はとくに鹿児島県で愛され、ここから全国に普及していったようだ。
2. よもぎ茶を自宅で作ってみよう

よもぎを使ったお茶は市販のものもあるが、家で作ることも可能である。多年草で雑草のように強いよもぎは、家庭菜園で栽培できる。収穫したよもぎを使ったよもぎ茶の作り方をみてみよう。
よもぎはガーデニング初心者向き
よもぎは日本各地で見ることができる多年草である。そのため、一度植えれば毎年収穫が可能である。ガーデニング初心者でも育てやすい。とくに春に摘む香り高いよもぎの葉を使用して、お茶を作ってみよう。
よもぎの葉を乾燥させる
摘んだよもぎの葉は、土に汚れた根に近い部分を切り落とす。野菜干し用のネットなどで3日ほど天日干しし、フライパンで乾煎りして茶葉にする。フライパンで煎るときは、緑色の葉が茶色になるまでじっくりと時間をかけるのがコツだが、決して焦がさないように気をつけよう。できあがったよもぎの茶葉を急須に入れてお湯を注ぎ、2分ほど香りが出るのを待って飲む。また、茶葉を水とともに鍋に入れて煮だす方法もある。この場合は、お茶パックを使うと便利である。
残った茶葉も活用
お茶にしたよもぎの茶葉を、そのままお茶パックに入れてお風呂に入れるという手がある。身体が温まる効能をもつ(※1)よもぎは、お風呂に入れてその香りを楽しむだけでも風情がある。
3. よもぎ茶を飲む際の注意点は?

よもぎ茶の効能は数世紀にもわたってお墨付きだが、飲用を気をつけなければならない場合もある。その例をみてみよう。
よもぎにはアレルギーがある可能性も
よもぎは、キク科に属する植物である。そのため、キク科の植物にアレルギーがある人はよもぎ茶だけではなく、よもぎを使った食べ物の摂取にも注意が必要である。また、よもぎには妊婦に必要な葉酸などの栄養が含まれているとはいえ、過剰な摂取は禁物とされている。ハーブ類は、妊婦にリスクがあることを覚えておこう(※4)。さらに、体調によってもよもぎ茶が合わない可能性もある。よもぎ茶は自然のものだからといって効能を確信せず、体調や体質を鑑みながら飲用することを心がけよう。
結論
香りも麗しいよもぎは、長い歴史を誇る食材である。薬用としてさまざまな効能をうたわれてきたが、近年の健康ブームでよもぎ茶も脚光を浴びている。よもぎの生葉が手に入れば、家でよもぎ茶を作るのも難しいことではない。代用茶として楽しむのもよいだろう。しかし、よもぎにはアレルギーがある場合や妊婦などよもぎの摂取に注意が必要な人もいるため、家族の体調や体質をよくよく考慮しながら飲用することをおすすめする。
(※2)運営元:一般社団法人徳島県薬剤師会
該当ページ名:カワラヨモギ
https://www.tokuyaku.or.jp/kouhou/50-member/yakuji/medicinal-plant.html
該当ページ名:カワラヨモギ
https://www.tokuyaku.or.jp/kouhou/50-member/yakuji/medicinal-plant.html
(※3)運営元:関西医療大学紀要 6巻 20-32ページ 2012年
該当ページ名:ヨモギの抗酸化作用についての研究
https://www.kansai.ac.jp/pdf/kuhs_kiyo_06/02_rv_toda.pdf
該当ページ名:ヨモギの抗酸化作用についての研究
https://www.kansai.ac.jp/pdf/kuhs_kiyo_06/02_rv_toda.pdf
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