1. フレキシタリアンとベジタリアンと環境問題

皆さんは、普段の食事のなかで規定を設けることがあるだろうか?世の中には、ある一定の規定に沿った食主義を実践している人がいる。たとえば、ベジタリアンはその一例。日本では菜食主義と訳されるのが一般的だが、ベジタリアンといっても、非常に幅広い種類、捉え方が存在する。たとえば、菜食だけでなく、卵や乳製品を食べることができるベジタリアンは、ラクトオボベジタリアンと呼ばれ、ピュアベジタリアンは、完全菜食主義=ヴィーガンのことである。
今回のテーマであるフレキシタリアンもベジタリアンの分類のひとつ。食主義は、ある意味では食事制限と捉えることもできる。それぞれに食べることができるものが決まっている、逆にいえば食べられないものが存在するのだ。
ベジタリアンを選択すること
ベジタリアンやそのほかの食主義を選択する理由は、健康意識の高まりだけではない。まず、考えられるのは宗教上の理由。たとえば、インドでは乳製品を食べることができるベジタリアン、ラクトベジタリアンがポピュラーだ。これはヒンドゥー教徒とジャイナ教徒に多いといわれている。
さらに近年では、環境問題を考え、ベジタリアンを選択する人も非常に多い。地球環境に限りがあることが広く知られたいま、食主義、そして暮らしに渡るすべての選択は、1人1人に課された大きな役割ともいえるのだ。畜産が環境に与える影響は、かなり大きいと考えられている。これは畜産が、非常に多くの地球資源を使っていることの表れでもある。
ベジタリアンを選択すれば、肉の消費を減らすことになる。結果として、地球環境を守ることにもなるという考え方だ。ベジタリアンと一口にいっても、さまざまな観点から取り入れている人がいるということを知っておくべきだろう。
2. フレキシタリアンとは

フレキシタリアンは、別名セミベジタリアンや準菜食主義とも呼ばれている。ベジタリアンといってもある一定量であれば、動物性食品を摂取することができる食主義で、フレキシブルであることから、このような名前がつけられたといわれている。フレキシブルとベジタリアンを合わせた造語なのだ。この概念、言葉が誕生したのは、1990年代のアメリカ。動物性食品をたまに食すベジタリアンという意味合いで広く使われるようになり、世界各国に広がった。2003年には、アメリカ英語学会によってもっとも便利な言葉に選ばれたほどだ。
フレキシタリアンのメリット
フレキシタリアンは、とにかくハードルの低さが持ち味。食べてもよい動物性食品の量が決まっているわけではないので、外食や会食なども気兼ねなくできる。日本ではゆるベジタリアンと呼ばれることもある。
フレキシタリアンのデメリット
フレキシタリアンを実践するとき、ネックになるのがルール作り。明確な決まりがあるわけではないので、自分である程度のルールを決め、実践する力が求められるのだ。
3. フレキシタリアンを実践するには

前述の通り、地球環境のためにも積極的に取り入れたい食主義、フレキシタリアン。実はこのフレキシタリアン、日本人にぴったりな食主義ともいえるのだ。というのも、フレキシタリアンをはじめとするベジタリアンを実践するとタンパク質が不足してしまうケースがある。しかし、日本には古くから良質な植物性タンパク質源として愛されてきた大豆食品が存在する。豆腐や油揚げ、納豆など、日本の家庭ではなじみ深い食品ばかり。これらを上手に活用すると、フレキシタリアンはぐっと身近な存在になる。
ルール作り
「ミートフリーマンデー」は、月曜日は肉を食べることをやめて、環境について考えよう!とアメリカの大学院が提唱した考え方。人気歌手のポールマッカートニーが賛同したことでも知られている。このように週に1度だけ、肉や魚を食べない日を作る、1日1食は菜食のみにするなど、あまり無理をせず守れそうな範囲でルールを決めるのがおすすめだ。
さらなる1歩
せっかくフレキシタリアンになるのであれば、いくつかの食品については注意をしていきたい。たとえば、ファストフードや加工食品などは、できるだけ控え、糖質の摂りすぎにも注意したい。合わせてアルコールも控える、休肝日を作るなどするとよりカラダにも優しい食主義になる。肉や魚が食べられないのはつらい、と考える人もいるかもしれないが、実際にトライしてみるとそんなに苦にはならないという人も多い。胃腸に負担がかかりにくいため、カラダが軽いと感じることも。
結論
フレキシタリアンは、ルールのゆるいベジタリアン。時々動物性食品も食べることができるので、ベジタリアン初心者にもぴったりだ。とくに日本には、大豆加工品という頼れる植物性タンパク質が存在する。上手に活用しながら、動物性食品を食べない日をまずは月に1度から始めてみてはいかがだろうか?環境問題へ思いを馳せるきっかけにもなりそうだ。
この記事もcheck!