1. 2020年の食トレンドを総括

COVID-19と新たな食
2020年は新型コロナウイルスにはじまり、新型コロナウイルスに終わったという印象の1年であった。緊急事態宣言が発令されるなど、これまでに経験したことのない未曾有の事態が世界を襲い、いまもなお継続中である。リモートワークやテレカンは、もはや日常。人と会う機会、食事にいく機会も格段に減ったという人がほとんどではないだろうか。この影響を大きく受けた飲食業界は、倒産や閉店が相次いでいる現状だ。そんないままで経験したことのない事態が次々と訪れた2020年の食トレンドとなったのが、冷凍食品や、デリバリーやテイクアウトを含んだ家で食べる食事、中食や内食である。
料理熱がアップ
必然的に家にいる時間が長くなった2020年。せっかく時間もあるし...と料理やお菓子作りに目覚める人も多かったようだ。SNSやZoomなどを使った料理教室、プロがオープンレシピをシェアするなど、これまでとは違った料理との向き合い方も続々と登場した。お菓子作りや料理がより身近になったと感じるオリひと読者もいるかもしれない。
2. 2020年の食トレンド

テイクアウトグルメ
今年、もっともブレイクしたのは、何といってもテイクアウトグルメであろう。多くの人が活用したのではないだろうか。緊急事態宣言下では、名だたる名店や普段なら一見さんお断りの名店、予約が取れない人気店などのテイクアウトが楽しめるという事態も巻き起こった。テイクアウトのクオリティーも上がり、いままでのテイクアウトグルメとは一線を画すようなメニューも盛りだくさん。消費者にとっては、食の選択肢が増えたともいえそうだ。ただ、その一方で通常営業がまだまだできないこともあり、飲食店側は苦戦を強いられている。閉店なども相次ぎ、食材が余るといった事態も起きているようだ。
進化系ホットプレートごはん
緊急事態宣言下、目下の悩みは毎日の食事だったという人も多いはず。そんななかで調理器具がひとつで済み、火を使わないので安全に楽しむことができる、ホットプレートで作るごはんに注目があつまった。焼きそばやお好み焼きといったこれまでのホットプレートごはんの定番だけでなく、パエリアやペッパーライス、チーズフォンデュ、グラタン、ハンバーグなど、そのレシピは多岐にわたる。同時にオシャレなホットプレートや小さめのホットプレートなど、ギアにも熱視線が注がれた。
代替肉と昆虫食
地球の人口は増加し続けており、食糧難はすべての人に関係する社会問題のひとつでもある。そんななか注目を集めているのが、環境にやさしい食事だ。なかでも代替肉と昆虫食は、今年広く知れ渡ることとなった。代替肉とは、大豆など、植物性たんぱく質をメインにした肉のような食感、味わいの食べ物のこと。大手食品メーカーや飲食チェーン店でも、食べられるようになり、より身近な存在になった。昆虫食のなかでは、コオロギに注目が集まっている。栄養豊富で、味わいにクセがないことから、さまざまな料理、お菓子に転用ができるとされているのだ。
3. 2021年食トレンド予測

サスティナブルフード
代替肉や昆虫食のように、地球環境に配慮した食、サスティナブルフードは来年以降も注目され続けるキーワードである。とくに代替肉は、家庭にも広がりを見せる可能性を秘めている。以前よりも格段に美味しく進化した大豆ミートも増え、手に取りやすい価格になりつつある。地球環境にはもちろん、カロリーが抑えめである場合も多いので健康面でも取り入れたいという人が増えていく可能性がある。
ハニーバターチキン
家時間が増えたことで、映画やドラマ、アニメにハマった人も多いはず。なかでも韓国ドラマは一大ムーブメントになったといえよう。その影響を受け、来年流行ると目されているのがハニーバターチキンをはじめとする韓国フードである。甘しょっぱい、みんなが好きな味のハニーバターチキンは、やみつきになる美味しさだ。
産直&直接取引
新型コロナウイルスの収束は、未だ先が見えない状況だ。しばらくは家庭での食事が増えることが予測される。一方飲食店の閉店が相次ぐ影響もあり、食材はやや余りがちな現状だ。そこで注目されているのが、産直や市場との直接取引。これまでであれば手に入らないような食材をリーズナブルに手に入れる手段が増えている。しかも配達を使用すれば、人に会うこともなく、小さな子どもがいるような場合にもぴったりだ。
結論
今年は多くのことがコロナウイルスによって奪われたり、変化を強いられた1年であった。食トレンドも然り。最大の食トレンドは、やはりテイクアウトグルメだろう。ホットプレートごはんも今年らしいトレンドといえそうだ。来年の予測を鑑みつつ、どんな食トレンドが生まれるのか楽しみに待ちたい。
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