1. 昆虫食が急激に伸びた理由とは?

昆虫食が急激に伸びた背景には、将来の食糧難に対する懸念が関係している。2050年には世界の人口が約100億人に増加することが予想されており、人口に対するタンパク質源の供給が将来、追いつかなくなる可能性があるといわれている。
たとえば、タンパク質の供給源になる牛や豚などを飼育するためには、多くの水や飼料などが必要になる。また、動物のために農地や飼料を確保すると、人間に供給される穀物の食糧も不足すると考えられているため、世界的に食糧不足に陥るリスクもある。
それに比べて昆虫は家畜よりも必要な水や飼料などが少なく、昆虫食を推奨することにより将来のタンパク質不足の危機を乗り越える救世主にもなりそうだ。さらに昆虫食はタンパク質を効率よくとれ、ビタミンや食物繊維、鉄などの栄養も豊富で、日常的な栄養補給や災害時の保存食としても検討されている。
ただし、昆虫はエビやカニと成分が類似しており、甲殻類アレルギーの人は注意が必要だ。
2. 昆虫食の種類は豊富

コオロギせんべい
良品計画は地球環境や食糧問題のことも考えて、コオロギパウダー入りのせんべいを製造販売している。1袋に約30匹分のコオロギが使用されているお菓子だ。徳島大学と連携した研究で量産された食用コオロギなので安心して食べることができる。サクサクした食感でどこか懐かしさを感じる。味も美味しく香ばしいエビのような風味が特徴だ。
未来コオロギ柿の種
MNHから製造販売されており、オーガニック飼料で育てたカナダ産の安全なコオロギを使用している。コオロギは丁寧にローストされており香ばしく仕上がっている。柿の種を食べながら世界の味を堪能できるお菓子だ。味は3種類あり、メキシコのタコス味、タイのトムヤンクン味、スペインのアヒージョ味が販売されている。
タガメサイダー
昆虫食TAKEOから販売されている。好奇心を刺激することをキャッチフレーズに、塩漬けにしたタガメエキスを抽出した新しい昆虫ドリンクになっている。タガメ独特のフルーティーな香りが特徴だ。甘すぎずに飲みやすいすっきりしたのどごしになっている。
コオロギ醤油
アントシカダで販売しているコオロギの発酵調味料だ。1本の瓶に約482匹のコオロギをふんだんに使用している。作り方は、下処理をしたコオロギに米麹と食塩水を加えて蔵の中で半年以上熟成、発酵させている。コオロギ醤油の味は、コオロギのくせはなく、しっかりした旨みが感じられるのでいろいろな料理に使いやすくなっている。
コオロギビール
アントシカダでは酒の製造販売もしており、国産コオロギを使った黒ビールも注目されている。作り方は、フタホシコオロギを焙煎し、それとローストモルトを麦汁に加えてコオロギの旨みを引き出している。口に含んだときは苦味やコク、キャラメルなどの味が上手く調和されている。
蚕糞茶
バグズファームで販売している蚕の幼虫の糞を集めて焙煎し、飲みやすく加工したお茶だ。蚕は古くから食されてきた栄養豊富な虫といわれている。蚕糞茶は桑の葉が香り、渋みや苦味などもなくマイルドな口当たりになっている。緑茶のように飲みやすいので、昆虫食が苦手な人にもおすすめだ。
3. 昆虫食の自販機とは

最近では昆虫食の自販機が少しずつ増えている。都内でも5ヶ所に設置されており、女性向けのものや食事会などを盛り上げるツールとしての需要があるようだ。自販機にはコオロギせんべいやタガメサイダー、コオロギを素揚げにしたものなどが販売されており、種類は豊富だ。
また、自販機は昆虫食に適した販売方法になっているようだ。なぜなら、自販機の昆虫食の価格は450〜2700円くらいと高い金額設定になっている。したがって金額を見るとスーパーでは売りにくい値段になるため、店頭に並びにくいのだ。しかし、自販機で売り出すことにより、人目を気にせず買えたり、興味を引きつけることができるのだ。とても強みを活かした販売方法になっている。
結論
話題の昆虫食は環境にも優しく、栄養豊富な食品として注目を集めている。今後ももの珍しい昆虫食の人気を維持するためにも、昆虫の種類やバリエーションなどの変化も期待したい。味も美味しく、食べやすい食品が増えると女性にも受け入れられやすいだろう。
この記事もcheck!