1. ウェルビーイングキュイジーヌがトレンド入りするわけ

ウェルビーイングとは
well-beingは、この数年で耳にすることの増えた言葉のひとつである。身体的、精神的、社会的など、生きるうえで関連するさまざまな領域において良好な状態であることを指す言葉である。総じて、幸福などと訳される場合も多い。実はこのウェルビーイングという言葉は、1946年にすでにWHOの憲章前文で使用されており、概念としては最近登場したものではないのだ。
ウェルビーイングと企業
日本でウェルビーイングに注目が集まるようになったのは、個人だけでなく、企業や組織としてのウェルビーイングがささやかれるようになったから。働き方改革にはじまる国としての施策を具現化し、企業や組織自体がマインドフルネスや健康経営を考えるなかで、ウェルビーイングの概念をより浸透させたところがある。従業員が心身ともに健やかなこと=ウェルビーイングな状態であることは、企業全体の生産性や価値を押しあげるなど、よいことずくめ。人材不足が叫ばれるなかでも非常に有効的な手立てとされているのだ。
ウェルビーイングキュイジーヌ
キュイジーヌとは料理、料理法を意味する言葉。ウェルビーイングキュイジーヌとは、心身ともに健やかな状態に繋がる料理といい換えることができる。完全なる造語であるが、食に敏感な人やプロの間では、来たるトレンドとしてささやかれているのだ。
2. ウェルビーイングキュイジーヌとは

ウェルビーイングキュイジーヌと一口にいっても、その概念はまだまだ多様である。ただいくつかの指標が存在するのは事実だ。第一に、対象が誰か?という問題。一個人に対してのウェルビーイングキュイジーヌと世界全体、国全体など、集団に対してのウェルビーイングキュイジーヌでは、少々意味合いが異なることが予測できる。
ウェルビーイングキュイジーヌと日本食
日本食は、カロリー控えめで美しく、世界からも注目される存在だ。日本人にとって日本食は、ウェルビーイングキュイジーヌであるということができるかもしれない。糖質や脂質が過多になりがちな現代の食事に比べて、「まごわやさしい」に代表される日本食で中心になる食材は、健康維持にはもってこいの存在だ。
ウェルビーイングキュイジーヌと食糧難
世界の人口は増加の一途を辿り、食糧難はそう遠くない未来を席巻する問題のひとつと考えられている。ウェルビーイングキュイジーヌを世界規模の観点で捉えるならば、地球環境を良好に保つ料理と考えることもできるだろう。昆虫食や人工培養肉などは、ひとつのツールと捉えることができる。
3. ヌーベルキュイジーヌとウェルビーイングキュイジーヌ

ヌーベルキュイジーヌとは
フランス語で新しい料理を意味する言葉。こちらも造語で1970年代頃に登場し、それまでの正統派フランス料理とは異なる、素材の美味しさを生かしたより軽やかで、繊細な料理という意味合いでつけられた。現代フレンチの源流とも呼ばれる存在である。現在ではヌーベルキュイジーヌをベースに、さまざまな手法、味わい、テイストへと発展を遂げている。
ヌーベルキュイジーヌとウェルビーイングキュイジーヌ
ウェルビーイングキュイジーヌが、ヌーベルキュイジーヌをはじめとするこれまでの食文化と少し異なる部分は、フォーカスされているのが美味しさだけではないというところ。いかに心身ともに健やかであるか?という味わいを越えたところに、その目的がある。
結論
今回は、ウェルビーイングキュイジーヌについて紹介した。世界が大きく変わるなかで、食文化も変容から免れることは不可能だ。心身ともに健やかになる食事=ウェルビーイングキュイジーヌは、これからの新しい食のあり方を考えるきっかけになるかもしれない。
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