MCTオイルの使い方が知りたい！注意点や適切な摂取量をチェック

食用として使う油と聞くと、サラダ油やオリーブオイル、ゴマ油などを想像する人が多いだろう。いま挙げたような油の使い方は、食材を炒めたり揚げ物をしたりするケースが一般的だ。

一方、今回紹介するMCTオイルは、サラダ油などのように加熱する使い方に適さないのが特徴である。どんな油でも、ある一定の温度を超えると煙が上がり発火するのが自然の摂理だ。炒め物や揚げ物で使用する食用油の発火点は、370～400℃。300～320℃に達した時点で火を近づけると燃え出してしまう（引火点）ため、過度な加熱は注意しなければいけない。

それに対してMCTオイルは、140℃ほどで煙が立ち始める。ほかのオイルよりも発煙点が低いため、加熱しないのが正しい使い方である。炒め物や揚げ物に使用するのではなく、サラダなどの食べ物やコーヒーなどの飲み物にかけたり混ぜたりして使うと、安全に摂取できるので覚えておいてほしい。

いくら身体にいいといわれるものでも、使い方を誤って過剰に摂取しすぎると逆効果になってしまう。MCTオイルも例外ではない。身体にさまざまな効果をもたらすとされているMCTオイルだが、その正体は油。適切な量を守らなければ、油の過剰摂取となってしまう。

MCTオイルの1日当たりの使用量は、小さじ1～大さじ1程度。いきなり量を増やすとお腹がゆるくなったり腹痛を起こしたりするケースもあるため、最初は小さじ1くらいの量から始めるのがおすすめだ。MCTオイルの便利な使い方の一つに「コーヒーに入れる」という方法があるが、この使い方の場合も最初は1日トータルで小さじ1程度の量に留められるよう注意してほしい。

MCTオイルは、さまざまな使い方ができる。健康維持のためだけでなく、ダイエット目的としての使い方ができるオイルとして、各方面から注目を集めている。MCTオイルの主成分である「中鎖脂肪酸（MCT）」は、消化吸収の速さと素早くエネルギーに変換されるという特徴をもつ。

MCTオイルは長鎖脂肪酸を含むほかのオイルとは違い、肝臓へ直接取り込まれるため、脂肪として蓄えられにくいという性質があるのだ。また、急速に「ケトン体」を作り出すという特徴もあり、MCTオイルを適切な使い方で摂取すれば脂肪が燃焼しやすくなる。MCTオイルは体脂肪として身体に蓄積される前にエネルギーへと変換されるので、ぶどう糖に変わるエネルギーとしても利用できる（※1）（※2）。そのため、糖質制限ダイエットとの相性が非常にいいといわれているのだ。

話題を集めているMCTオイルだが、摂取するうえでいくつか使い方に注意しなければならないポイントがある。まずは、摂取量についてだ。先述した通り、身体にうれしい効果が期待できるオイルであるとはいえ、その正体は油である。

そのため、使い方を意識せず大量に摂取すると、お腹がゆるくなったり腹痛を起こしたりする可能性も否めない。大さじ1（15ml）当たり100kcalあるため、摂取しすぎるとカロリー過多となり、ダイエット効果が期待できなくなる可能性もある。適切な使用量を守り適切な使い方を知っておくことが、MCTオイルの力を最大限に利用するコツだ。

次に気を付けたいのが、摂取するタイミングである。MCTオイルは、決してカロリーが低いものではないため、夜に摂取するのではなく、1日の中で一番エネルギーを消費することができる朝から昼の時間帯に摂取するのがおすすめである。

MCTオイルは、ほかの食用油にはない特徴をもつ存在である。とくに糖質制限ダイエットに取り組んでいる人にとっては、強心い存在となるオイルだ。その効果を高めるためには、正しい使い方を知っておくことが大切である。適切に使用して、MCTオイルの力を実感してみてほしい。

（参考文献）
※1　MCTサロン - そもそも「MCT」ってなに？
https://www.nisshin-mct.com/contents/page195.html
※2　MCTサロン - 脳の栄養不足を助ける「MCT」
https://www.nisshin-mct.com/contents/page198.html