明日葉茶とはどんなお茶？作り方と淹れ方や飲み方を紹介！

明日葉とは、日本原産のセリ科の植物だ。野菜の中でもビタミンや食物繊維、ミネラルが豊富で、バランスよく含まれている。植物では良質のたんぱく質を含有しているのも特徴のひとつ。ひとつずつの栄養素をみると、明日葉より含有量の多い野菜もあるが、さまざまな成分が含まれており、その量が多い野菜はほとんど類をみないほどだ。まさに野菜の王様と呼んでも過言ではない注目の健康野菜といえるだろう。

そんな明日葉の茎から葉の部分までを細かくみじん切りにして作る明日葉茶。特徴はカフェインが含まれていないので、妊婦や子どもでも安心して飲めるところだ。では飲み過ぎて副作用はおきないのだろうか。中には便秘解消のような効能を期待して、お茶を飲んでいる人もいるだろう。

明日葉茶を飲みすぎて重い副作用が出た症例は、いまのところ報告されていない（2021年2月現在）。日本補完代替医療学会誌（2012年9巻2号 p.83～88）に掲載された実験報告によると、明日葉を過剰摂取（31.5g（3.5 g／包、9包）しても、副作用はみられなかったという（※1）。ただし体質に合わなければ、過剰摂取するとこの限りではないだろう。少しでも安全に明日葉茶の栄養素を摂取したいなら、製品に記載されている飲用量を守ることだ。

次に明日葉茶の作り方と淹れ方、飲み方を紹介しよう。作り方は生の明日葉の茎から葉の部分までを細かくみじん切りにする。次に鍋を火にかけて熱し、明日葉を加えて焦げないように注意しながら炒めて蒸らす。この作業で独特の青臭さが飛ぶため、面倒だと感じずに丁寧に行うこと。

茶葉がしんなりしてきたらまな板にのせ、小麦粉をこねるようにもむ。これは明日葉の味や成分を引き出すための作業だが、目安は茶葉からべっとりと水分が出るくらいだ。炒め蒸らすと、もむ作業を3～4回ほど繰り返すが、もむ作業で水分が出てこなくなるまで繰り返せばよい。葉の組織をわざとこわすと、成分がしみ出やすくなるようだ。

あとはゆっくりと弱火で焦げないように炒め、茶葉を乾燥させれば明日葉茶の完成だ。淹れ方は煮沸した湯の中に明日葉茶を適量入れ､あめ色になれば火を止める。あとは湯のみに注いで飲むだけだ｡あるいは茶さじ1杯の明日葉茶を急須に入れ､熱湯を注いで蒸らし飲んでもよい｡

最後に市販品の明日葉茶について紹介しよう。

八丈島あしたば部会の農家が、丹精込めて育てた上質な明日葉が原料の明日葉茶だ。島内の工場で8つの工程を経て作られており、荒茶を香ばしく焙煎して無糖・無着色に仕上げてある。味の特徴はほのかな甘みを感じられ、飲みやすく美味しい。

明日葉の茎の部分を切ると黄色の液が出てくるが、これが特有のバイオフラボノイドという名前の希少成分だ｡このバイオフラボノイドをはじめ､食物繊維が豊富な茎を乾燥･熟成させて作られた明日葉茶である。

徳島県産の明日葉を100％使用して作られた明日葉茶。自然の中で育った明日葉を丁寧に仕上げてあり、安心して飲めるのが嬉しいポイントだ。

多くの栄養素が含まれる明日葉から作る明日葉茶の特徴や作り方、淹れ方、飲み方を紹介した。明日葉が自生する地域では、昔から天ぷらや味噌汁の具、おひたし、炒め物で食されるほど、なじみのある野菜だ。もし多く手に入ったら明日葉茶を作ってみてはいかがだろうか。

※1出典：日本補完代替医療学会誌（2012年9巻2号 p.83-88）「健常人および境界域糖尿病者に対する明日葉青汁の過剰摂取時の安全性評価」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/9/2/9_83/_article/-char/ja