1. あしたばの選び方と特徴

あしたばは、房総半島や三浦半島、八丈島で栽培される野菜である。今日摘んでも明日は生えてくる強さを有したあしたばは、古くから日本各地で自生していた。その生命力の強さは、青汁の原材料のひとつとなっていることでも証明済みである。あしたばを天ぷらにするために、その選び方と特徴を学んでみよう。
緑の色の濃さが新鮮さの証
あしたばは、まだまだメジャーとはいいがたい野菜である。そのため、購入の機会があったとしても選択基準がよくわからぬという人も多いだろう。あしたばを買う際には、葉の緑が濃くつやつやしたものを選び、黄みがかかってきたものは手に取らぬようにしよう。また、茎の太いものは固い食感となるきらいがあるので、なるべく茎が細いみずみずしいものを選ぶのが肝心である。茎の切り口にも注目で、ここがカサカサを乾いているものは新鮮さに欠ける。冷蔵庫で保存する際にも、葉や茎を乾燥させない用心が必要である。
油との相性がことのほかよいあしたば
明日葉や野性味が強く、ゆえに独特の苦みと香りがある。これを厭う人が多いのも確かだが、青汁の原料となっていることでもわかるように摂取する価値のある野菜である。日本には古来自生する植物だけに調理法もさまざまだか、とくに油との相性がよい食材ということは衆目の一致するところである。つまり、今回紹介する天ぷらは、おあつらえ向きの食べ方なのである。
2. あしたばの天ぷらの作り方

あしたばの独特の苦みは、大人だけが堪能できる美味といえるかもしれない。これをカリッと天ぷらに揚げれば、酒も進む。あしたばの葉はシンメトリックで、天ぷらにしても緑鮮やかな美しい料理となるのである。その作り方をみてみよう。
固い茎は切断
あしたばの旬は早春、その苦みも春の悦びを伝えてくれる。あしたばは、茎の太い部分は固くて食用に適さない。そのため、天ぷらにする際にも茎の下部は切り落とすとよいだろう。
中温でからりと揚げる
適度に大きさにちぎったあしたばに、天ぷら用の衣をつけて中温で揚げればさくっとできあがる。天ぷらの衣は市販のものを活用してもよいし、小麦粉と卵と冷水で自家製のものを使ってもよいだろう。粉は混ぜすぎると粘りが出るので、適度にとどめていこう。あしたばにはすぐに火が通るので、衣がさくっとしてきたらすぐに油からあげて問題ない。
ビールや出汁も足してひと工夫
天ぷらの衣には、ビールを加えてサクサク感を出したり、出汁を加えてコクを出す方法もある。あしたばはそもそも加工用になるものが多く、こうして天ぷらとして味わえるのはなかなかの贅沢といえるかもしれない。
塩や天つゆで味わうあしたばの天ぷら
あしたばの天ぷらは、通常の天ぷらと同じように天つゆで美味しく食べることができる。しかし、あしたばの苦みを愛する人は塩でシンプルに食することを好む人が多い。揚げたてにぱらっと塩をまぶして食べるのは、大人の醍醐味かもしれない。
3. あしたばをかき揚げで食べる

あしたばの美しい姿を愛でてそのまま天ぷらにする方法がある一方で、かき揚げとして楽しむ方法もある。あしたば同様に初春に旬を迎える桜エビとともにかき揚げにすれば、一流の料理店のような趣となる。固い茎の部分を落としたあしたばは、3cmほどの大きさに切り桜エビとともに天ぷらの衣をつける。180℃ほどの温度で揚げて、花椒塩などをつければ乙な味わいである。日本酒が進んでしまいそうだが、丼に美味しいごはんとともに盛り付けてかき揚げ丼にしても最高の美味となる。
結論
古くから日本に自生するあしたばは、強い生命力ゆえに加工されて飲料やサプリとなることが多い。しかし、あしたばそのものを食しても、自然の美味と恩恵を豊かに感じることができる。とくに油との相性がよいとされるあしたばを、天ぷらにして春の味を実感してみてほしい。
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