1. 寿司の単位「貫」とは?

「貫」とは、握り寿司に使われる単位のこと。一般的な握り寿司は「1個ずつ」または「2個1組」で提供されることが多い。握り寿司に「貫」という単位が使われている理由は諸説あるが、数え方の辞典によると「当時、握り鮨の屋台で出される鮨の大きさが、紐を通した穴あき銭1貫分の大きさとほぼ同じだったため、「貫」で数えるようになったと言われています。」とのことだ。(※1)
寿司の単位に関するそのほかの説
ネットでは「握り寿司の重さが関係している」という説もよく見かける。そもそも「貫」とは重さの単位であり、「1貫=3.75kg」という関係である。一方の握り寿司1個の重さは約40gで、1人前(ネタ9種類)の重さは約360gであった。実際より10分の1の重さではあるが、景気のいい江戸っ子はこれを「一貫分の握り寿司」と呼ぶ。その後、握り寿司1個を「1貫」と呼ぶように定着していった。
2. なぜ握り寿司は2貫1組なのか?

一般的に、握り寿司は「2貫1組」で提供されることが多い。このように握り寿司が2貫1組で提供される理由には、「食べやすいサイズに変えたから」「日本人の感性に馴染んだから」が関係しているという。(※2)ここでは、握り寿司は2貫1組である理由などについて確認しよう。
1.食べやすいサイズに変えた
握り寿司を「2貫1組」で提供し始めたのは、江戸時代の終わり頃といわれている。当時の握り寿司のサイズは、現在の握り寿司の2~3倍程度だったそうだ。しかし、それはかなり大きくて食べづらかったため、両国の寿司屋であった華屋与兵衛が「半分に分けた握り寿司」を提供し始めたという。これがきっかけで「握り寿司=2貫1組」が定着していったと考えられている。
2.日本人の感性に馴染んだ
米は、神様にもお供えする神聖な食べ物とされていた。そのため、握り寿司を半分に割るということに対して、少なからず反発もあることが予想された。しかし「2個1組」のシンメトリーは日本人の感性とあっていたため、少しずつ「縁起が良いもの」と受け入れられたという。これも「握り寿司=2貫1組」が定着していった理由のひとつとして考えられている。
3. 寿司に関するその他の雑学

寿司には普段あまり使わないような独特な用語が使われることも多い。ここでは、そんな握り寿司に関する主な用語やその由来などを紹介しておこう。(※3)
寿司で使われる隠語と由来
・しゃり:飯のこと。米が仏舎利に似ているため
・あがり:お茶のこと。淹れたばかりのお茶を「上がり花」と呼ぶため
・むらさき:しょうゆのこと。しょうゆの色が紫色を呈しているため
・おあいそ:勘定書のこと。客が勘定書を見ると愛想をつかすため
・あがり:お茶のこと。淹れたばかりのお茶を「上がり花」と呼ぶため
・むらさき:しょうゆのこと。しょうゆの色が紫色を呈しているため
・おあいそ:勘定書のこと。客が勘定書を見ると愛想をつかすため
結論
握り寿司の単位に「貫」が使われている理由には、当時のお金の大きさや重さなどが関係しているようだ。また、2貫1組である理由には「食べやすさ」や「縁起の良さ」などが関係している可能性がある。握り寿司にはそのほかにもさまざまな雑学があるため、こうした雑学を調べてみても面白いだろう。
(参考文献)
- ※1:レファレンス協同データベース「 レファレンス事例詳細」
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000021679 - ※2:JAグループ福岡「すしはどうして1皿に2つ?」
https://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/001/005.html - ※3:レファレンス協同データベース「レファレンス事例詳細」
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000176555
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