1. レバーの美味しい焼き方と生焼けの見分け方
スーパーでも手に入る一般的なレバーには牛・豚・鶏のものがあるが、いずれも生食ができないため焼き方に注意が必要だ。ただし、レバーは焼き過ぎると食感が悪くなってしまう。生焼けにならないようにしっかり火を通すことと、加熱のし過ぎを避けることの2点が、レバーの美味しい焼き方のポイントである。
生焼けのレバーの特徴
レバーは生の状態と加熱した状態では、明らかに色が違う。そのため、生焼けかどうかは見た目で判断しやすい。生の場合は赤黒い色をしているが、加熱すると白っぽくなる。とくに鶏レバーなど厚みがあると中心部のみ生焼けになりやすい。食べる前に、表面だけでなく中心部まで白っぽい色に変わっているか確認しよう。
美味しく焼くコツ
レバーの焼き方のコツは、生焼けを避けるためにも薄切りにすることだ。薄いものなら両面を焼けば火が通る。1cm以上あるものは弱火でじっくりと中心部まで火を通す焼き方がおすすめだ。強火で長時間焼くと加熱のし過ぎになり、肉質が硬くパサパサになってしまうため注意が必要である。
下処理も重要
レバーは臭みが強いため、焼く前に血抜きと臭み取りをしておこう。水洗いしてから牛乳に漬けるか、醤油と酒に漬けて下味を付けながら臭みを抜くとよい。新鮮なレバーを選び、購入してすぐ調理するというのも美味しく食べるコツである。
2. 焼肉屋での牛レバーの焼き方
かつて牛レバーはレバ刺しとして生で食べるのが人気だったが、集団食中毒が発生したため、食品衛生法に基づき平成24(2012)年より生食が禁止されている(※1、2)。現在は生食ができなくなったが、焼き肉屋などでは牛レバーが定番メニューとして販売されている。焼肉屋での美味しい牛レバーの焼き方や注意点を紹介しよう。
焼き方はじっくり慎重に
レバーにはしっかり火を通す必要があるが、加熱し過ぎると食感が悪くなるため弱火でじっくり焼くのがポイントだ。焼肉屋の網の内側は火が強いため外側に置き、表面の色が変わったら裏返しさらにじっくり焼くとよい。全体の色が赤黒い色から白っぽく変化したらOKだ。
焼き方だけじゃない!焼き肉屋での注意点
焼き肉屋では肉やレバーを焼くトングと、皿に取り分けるトングを必ず分けて使うよう注意喚起が行われている。せっかくレバーを十分に加熱しても、生肉や生レバーを触ったトングを使って皿に取り分ければ、食中毒の原因となる菌やウィルス、寄生虫が、焼けたレバーに付着してしまうからだ。同様の理由で皿や箸も、生肉用と加熱済み用に分ける必要がある。また、レバーをタレにくぐらせてから網にのせる焼き方の場合、焼いたレバーを誤って生レバーで使ったタレに付けないよう注意が必要だ。
3. フライパンや魚焼きグリルでのレバーの焼き方
自宅でレバーを焼く場合も、中心部までしっかり火を通すことは厳守しつつ、焼き過ぎてパサパサにならないように気を付けたい。牛や豚など厚み1cm程度のレバーならフライパンを使った焼き方が最も簡単で失敗しにくい。鶏レバーなど厚みが一定ではないものを焼く場合は、魚焼きグリルやオーブントースターを使用してもよいだろう。
フライパンを使った焼き方
強火で一気に焼くと硬くなるため、まずは中火で片面を焼き、表面の色が変わり出したら裏返し、弱火で火を通すとよい。薄いレバーであれば両面を1回ずつ焼くだけで中心部まで火が通る。厚めのレバーの場合は、裏返してからふたをして弱火で蒸し焼きにする。
魚焼きグリルを使った焼き方
レバーの焼き鳥を作る場合は、魚焼きグリルを使うと美味しく仕上がる。タレを付けて焼く場合は焦げ付きやすくなるため、グリルにのせる前によくタレを切るのがポイントだ。片面焼きグリルの場合は、途中で裏返して表面全体がこんがりと色付くまで焼こう。串の持ち手の部分は焦げないよう、アルミホイルを巻いてから焼くとよい。
オーブントースターを使った焼き方
アルミホイルを敷いた天板にレバーをのせて焼く。表面の色が変わったらアルミホイルを被せて蒸し焼きにすると、中まで火が通りパサつきも防げる。
結論
レバーはあまり焼き過ぎないほうが美味しいが、生焼けの状態で食べると食中毒を起こす危険性があるため注意が必要だ。中心部まで火を通しながらも焼き過ぎを防ぐには、強火ではなく中火~弱火でじっくりと焼く、厚みのあるものは蒸し焼きにするなど、焼き方を工夫するとよいだろう。
(参考文献)
※1出典:厚生労働省「(別添1)飲食店掲示用20150615」
※2出典:金沢市役所「豚肉や豚レバーの生食禁止について」
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