1. 片栗粉とは?
片栗粉とは、ユリ科の「カタクリ」の鱗茎から取れるデンプンを使った粉末である。しかし近年は、じゃがいも(馬鈴薯)のデンプンが使われることが多くなっている(※1)。調理における片栗粉の役割はいくつかあるが、主なものは、麻婆豆腐・酢豚・かに玉・八宝菜といった料理に「とろみ」をつけるというもの。また、竜田揚げ・唐揚げ・天ぷらといった揚げ物の「揚げ衣」にも使われる。
2. 片栗粉の主な代用品
片栗粉の代用品には、小麦粉・コーンスターチ・米粉などがある。ほかにも白玉粉やくず粉などいくつか食材はあるが、ここでは家に常備していることが多い3つの食事について紹介する。
その1.小麦粉
小麦粉は、特に揚げ衣として使うのにおすすめ。小麦粉を揚げ衣にした場合は、片栗粉よりもパリッときつね色に仕上がるのが特徴だ。また、小麦粉も一応「とろみづけ」として使うこともできる。ただし、とろみづけとして使う場合は粘り気が弱いため、サラサラとした仕上がりになる。シチューやカレーなどのとろみづけには向いているが、中華あんかけなどには向いていないので注意しよう。
その2.コーンスターチ
トウモロコシのデンプンを原料としているコーンスターチも片栗粉の代用品として使える。コーンスターチを揚げ衣に使うと、片栗粉よりもサクサクでさっぱりとした食感に仕上がる。また、コーンスターチはとろみづけとしても使うことが可能。ただし、片栗粉に比べるとやや粘り気が弱いこと、白っぽく濁ってしまうことなどの欠点がある。
その3.米粉
お米を細かく砕いて作る「米粉」も、片栗粉の代用品として使うことが可能だ。米粉はキメが細かいことが特徴で、揚げ衣にするとカラッと軽い食感に仕上がる。また、米粉はとろみづけにも使うことができる。ただし、コーンスターチと同じで、仕上がりがやや白っぽくなるので注意が必要だ。
3. 自家製片栗粉の基本的な作り方
家にじゃがいもがあるなら、自家製片栗粉に挑戦することも可能だ。作るのに時間がかかってしまうため、すぐに代用することはできないという欠点はあるが、少量の片栗粉だけ必要なときなどに便利である。もし家にじゃがいもが余っているなら、以下の手順で自家製片栗粉を作ってみよう。
自家製片栗粉の作り方・手順
- じゃがいもの皮を剥き細かく刻む
- ミキサーにじゃがいもと水を入れて攪拌する
- 手ぬぐいなどに(2)のペーストを入れて包む
- 水を張ったボウルに(3)を入れて10分程度揉む
※揉み終わったら手ぬぐいの水もしっかり絞る - デンプンを沈殿させるために15分程度放置する
- ボウルから茶色い上澄み水だけを取り除く
- ボウルに新しく水を加えて15分程度放置する
- ボウルから色味の付いた上澄み水を取り除く
- ボウルに新しく水を加えて1時間程度放置する
- ボウルから色味の付いた上澄み水を取り除く
- アルミトレイなどに沈殿したデンプンを広げる
- 冷蔵庫などに一日入れて乾燥させたら完成
結論
「とろみづけ」や「揚げ衣」などに使われることが多い片栗粉。そんな片栗粉を切らしていたら、小麦粉・コーンスターチ・米粉などで代用するのがおすすめだ。ただし、食感や色味などが本来の料理とは違うものになる可能性はある。それぞれの食材の特徴を知って、上手に片栗粉の代用品として使ってみよう。
【参考文献】
- ※1:農畜産業振興機構「【まめ知識】片栗粉のお話」
https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000916.html
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