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ゼラチンと寒天の違い解説!カロリーや消化吸収率、混ぜてもOK?

ゼラチンと寒天の違い解説!カロリーや消化吸収率、混ぜてもOK?

投稿者:ライター 上野圭代(うえのたまよ)

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年8月 1日

お菓子作りなどでよくレシピに記載されているゼラチン。ゼラチンと寒天の区別が付いていない人も多いのではないだろうか。そこでここではこの2つの違いをアガーも含めてお伝えし、カロリーの違いや消化吸収率、さらには代用可能なのかなどもまとめよう。また、2種類を混ぜて作ることができるゼリーの作り方も紹介していく。

  

1. ゼラチンと寒天の違いは?それぞれの特徴を知ろう

お菓子作りをする人なら必ず知っているゼラチン。ツルっとした食感を実現し、のどごしがよく清涼感があるお菓子作りには欠かせない。そんなゼラチンだが寒天、アガーとはどう違うのか。ここでは3種類の違いを価格も含めてお伝えしよう。

3つの違い~ゼラチン編~

まずは、ゼラチンについてだ。ゼラチンは3つのなかでは口のなかでぷるっとした食感を出すことができるのが特徴。おもに動物性タンパク質コラーゲンで、牛、豚などから抽出されている。50~60℃で溶かすことができ、ゼリー以外にはムース、マシュマロなどの口当たりがほわっとした菓子にも使われる。固めるときは20℃以下。ほかの2つと比較すると一番柔らかい。種類があり粉、板、顆粒など用途により選べる。弾力や粘性が強いのがポイントだ。スーパーなどでは200円前後から買うことができる。

3つの違い~寒天編~

では、次は寒天だ。3つのなかで一番固さが出せるのが寒天である。その凝固力はゼラチンの約5倍で90℃以上で溶かすことが可能。杏仁豆腐などが代表的で、口のなかに入れてしっかりした噛みごたえが出せるのが特徴だ。原材料は海藻で、オゴノリやテングサから作られている。見た目は繊維状で、粉寒天以外は水でふやかして使う必要性がある。価格はゼラチンと変わらない。

3つの違い~アガー編~

最後に紹介するのがアガーだ。寒天同様90℃以上で溶かすことができ、海藻が原料であり、ツノマタやスギノリからの抽出物などで作られている。ちょうどゼラチン、寒天、この2種類の間くらいの食感が特徴。水ようかんなどにも使われる。バツグンの透明度があり、常温で固まるのがポイントだ。しかし常温でも溶けず、冷凍もできるのが魅力である。価格は500円前後が多い。

2. ゼラチンと寒天、カロリーが低いのはどっち?

ゼラチン、寒天の2つの凝固剤、ではどちらがカロリーオフにできるのか。健康志向の人にもおすすめしたい寒天の栄養素も含め、ここでは2つのカロリーを調べて違いをお伝えしたい。

カロリーは両方高くない

寒天、そしてゼラチンのカロリーを比較したとき、ゼラチンのほうが高カロリーだと認識している人もいるのではないか。実はゼラチンのカロリーは100gで338kcalほど。これだけ見ると一見高そうに見えるが、60gのゼリー1つを作るのに必要なゼラチン量は1.5gだ。カロリー計算すると5kcal。これに対し寒天は100gで3kcal。これは寒天にカロリーがほとんどないことを意味している。寒天は海藻を原料としていることで、ほとんどの栄養素が食物繊維である。健康志向の人にも寒天はおすすめできるのだ。

3. ゼラチンと寒天、消化吸収がよいのはどっち?

ゼラチンに含まれている栄養素、また寒天に含まれている栄養素の特徴を知っているだろうか。実際どちらが消化吸収がよいのかについて、含まれている栄養素の特性を説明しながらまとめよう。

ゼラチンの栄養素はコラーゲン

市販のゼラチンに含まれている栄養素はコラーゲンだ。ゼラチンの原料となっている動物性のタンパク質であるコラーゲンに熱を加えると、水溶性のタンパク質となる。厚生労働省の資料によると(※1)ヒトの身体の30%を占めているのがコラーゲンであり、皮膚、軟骨、じん帯、血管、腱などを構成しているとされる。国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(※2)では、コラーゲンの吸収率はほかのタンパク質と同等だとしている。

寒天の栄養素は食物繊維

ゼラチンに対して寒天の栄養素のほとんどは食物繊維である。厚生労働省の説明によると(※3)、食物繊維は小腸で消化や吸収がなされずに大腸まで到達するものだとしている。つまり消化酵素の影響を受けないのだ。水に溶けない成分も含まれている。この食物繊維が便通をよくすることが挙げられる。

4. ゼラチンと寒天は代用可能?混ぜて使うこともできる?

自宅でゼリーなどを手作りしたいとき、ゼラチンの買い置きがないときもある。そんなときは寒天を代用するとよい。とはいってもゼラチンと寒天は使い方や成分が違うため、使い方をしっかり覚えておこう。

寒天を代用するときは?

ゼラチンの代わりに寒天を代用するとき、まずは温度に気を付けたい。ゼラチンをふやかす温度は50~60℃。一方で加熱前に水戻しをする必要もある寒天は、90℃以上で加熱しないと溶けない。ゼラチンよりも温度を高くしないといけないことを覚えておこう。また凝固する温度も違う。ゼラチンは冷蔵庫、または10°以下の場所に置いておく必要があるが、寒天は65°以下である。寒天は固まりやすいので放っておいても平気だが、ゼラチンは固まりにくいので注意したい。ゼラチンよりも固く仕上がるため、柔らかく作りたいのなら量を少な目にするのがよいだろう。

ゼラチン+寒天もOK

杏仁豆腐などを作る際、ゼラチン、寒天はどちらかしか使えないと思っている人もいる。しかし実はミックスして使うこともOKだ。ただし、使うときにはゼラチンを別にふやかしておき、寒天と牛乳を一緒に加熱して混ぜて溶かす。火を止めたところにふやかしたゼラチンを入れよう。寒天とゼラチンの分量は2:1にすると絶妙な固さになるのでおすすめだ。

5. ゼラチンと寒天を混ぜたゼリーの作り方

では、実際に寒天とゼラチンをミックスさせて作るゼリーは、どのように仕上げるのだろうか。ここでは2つを混ぜて作るゼリーの作り方を紹介しよう。

ゼラチン+寒天のコーヒーゼリー作り

ゼラチン+寒天を混ぜてコーヒーゼリーを作るには、ゼラチンを最初にふやかしておく必要がある。だいたい50~60°だ。その後、粉寒天と水を入れた鍋を火にかけ90°以上にする。沸騰させて寒天を溶かしていこう。そこに砂糖も入れて溶かし鍋を火からおろす。ふやかしたゼラチンを入れたら鍋の余熱を活かしてゼラチンを溶かし、鍋を冷やしていく。氷水を用意し、鍋をつける。混ぜるととろっとした感じが出てきたら完成。あとは、容器に盛り付けて冷蔵庫で冷やすだけだ。30分以上は冷やしたい。ゼラチンと粉寒天を混ぜるコーヒーゼリーを作る際には、ゼラチン3:粉寒天1という割合で作るのが理想的である。

結論

ここではゼラチンをはじめ、寒天などの凝固剤について解説するとともに、ゼラチンと寒天の違いやカロリー、消化吸収、またゼラチンと寒天をミックスして菓子を作れるのかなどをお伝えしてきた。ゼリーなどは寒天やゼラチンの特性を活かし、好みのものを作りたいところだ。
(参考文献)
※1 厚生労働省「コラーゲン | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html

※2 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail2204.html

※3 「食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
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  • 更新日:

    2021年8月 1日

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