1. ハーゲンダッツの最大の魅力

ハーゲンダッツの最大の魅力は、なんといってもその美味しさにあるだろう。しかもその美味しさは、高い価格に十分に見合うだけのことはある美味しさといえる。当然だが、普通に美味しいだけでは、高いお金を払ってまで買おうとは思わない。安くて普通に美味しいアイスクリームは、数多く存在するからだ。
アイスクリームの美味しさに対するハーゲンダッツのこだわりは、ハンパではなく、ほかの追従を許さないほどである。そもそも創業者であるマタス氏は、「完璧な美味しさを届けたい」ということをモットーに1961年にアイスクリームの販売を開始した。
食品添加物の使用が当たり前だった当時のアメリカにおいて、天然素材にこだわり、原料となる素材を厳選し、アイスクリームのクオリティーには一切の妥協を許さなかったようだ。そのようなアイスクリームのクオリティーに対するこだわりは、60年経ったいまでも変わらずに受け継がれている。
そして、このアイスクリームのクオリティーに対するこだわりも、日本のハーゲンダッツのアイスクリームが高い理由のひとつに挙げることができる。
2. 日本のハーゲンダッツが高い理由 その1

日本のハーゲンダッツのアイスクリームは、現在、日本国内で製造され、日本国内のみで販売されている。そのため、日本で販売されているハーゲンダッツのアイスクリームは、日本人の味覚に合わせて製造され、それに見合った価格が設定されているとのこと。
もちろん、アイスクリームのクオリティーに対するこだわりは、日本の製造過程においても十分に反映されている。
たとえば、主原料であるミルクは、北海道の根釧地区で生産されたものが使用されている。この地区では、クオリティーの高いミルクを生産するため、飼料となる牧草の土づくりをはじめ、乳牛にストレスフリーな環境を提供するなど、それ相応のコストをかけている。そのほかの原料についても、世界各国から厳選したものが使用されているようだ。
ハーゲンダッツは、多少コストがかかってもクオリティーを重視するという理念を貫いている。そのため、原材料費や物流費、さらには品質管理費などは、こだわりに見合うだけのコストがかかり、それらが価格に反映されているようだ。
3. 日本のハーゲンダッツが高い理由 その2

ハーゲンダッツのアイスクリームが日本で販売されることになったのは、1984年のこと。販売当初から、ハーゲンダッツのアイスクリームのターゲットは、子どもではなく大人だった。また、販売価格も販売戦略の一環として、大人の購買意欲をそそるために、あえて高価に設定したようだ。そうやって、大人のための高級アイスクリームというイメージを定着させようとしたようだ。
果たして戦略は功を奏し、東京の南青山の一等地にオープンしたハーゲンダッツ直営店の第1号店は、オープン当初から若者を中心に連日長い行列ができるほどの盛況だったとのこと。
さらに1991年にオンエアされたテレビコマーシャルにより、大人のための高級アイスクリームというブランドイメージは、幅広く認知され、不動のものとなったようだ。このブランドイメージを守るべく、いまも、商品の値引きは原則として行われていないようだ。
なお、アメリカのハーゲンダッツがリーズナブルな価格で提供されているのは、アメリカと日本では、アイスクリームの1人当たりの消費量に大きな違いがあるからのようだ。アメリカのアイスクリームの1人当たりの消費量は、日本とは桁違いに多いため、リーズナブルな価格に設定しても問題なく採算がとれる。逆に、高くすれば、大量に消費する分、購入価格もバカにならなくなり、消費者が離れて売上ダウンにつながりかねない。
結論
日本のハーゲンダッツのアイスクリームが高い理由についてお伝えした。理由を知れば、ハーゲンダッツのアイスクリームが、高価でも絶大な人気を誇っていることに対しても、うなずけるに違いない。ハーゲンダッツのアイスクリームには、値段に見合うだけの魅力が十分にあるといえるだろう。
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