1. 谷中生姜の読み方は?根生姜とは違うの?

谷中は「やなか」と読むので、谷中生姜の読み方は「やなかしょうが」だ。
皆さんは生姜にいろいろな種類があることをご存知だろうか。たとえば八郎やお多福といった品種がある大生姜だ。ほかにも房州やらくだといった品種がある中生姜だ。葉生姜と呼んでいるのが小生姜だ。葉生姜を代表する品種のひとつが谷中生姜だ。台東区・谷中は江戸時代に農業が主な産業の農村だった。とくに葉生姜が中心の生姜の名産地だったが、現在は名称が残っているだけだ。実際に栽培されていたのは、明治時代くらいまでである。
谷中生姜の特徴
谷中生姜は盆生姜ともいわれており、夏の暑い時期に食欲増進のため、江戸っ子の食卓に登場していた。根茎が小さくやわらかなうちに、葉付きのまま若採りしたもので、おもに小生姜と呼ぶ小ぶりの品種をさす。特徴は根茎がやわらかで、辛味は一般的な根生姜ほど強くないが、風味がよくて生のままかじられる。
2. 谷中生姜の旬の時期と選び方

ここでは谷中生姜の旬の時期と根生姜の旬、また良品の選び方を解説しよう。
谷中生姜の旬の時期
一般的な根生姜の収穫期は10〜11月である。地上の葉や茎が枯れはじめると、根を掘り出して貯蔵し、1年中出荷する。谷中生姜のような葉生姜は、若いうちに葉付きで出荷されるが、旬は初夏から夏にかけての時期だ。谷中生姜を含めて食材が出まわる時期は、あくまでも目安だ。旬でない時期でも出まわるものもあり、地域により差異があるようだ。
谷中生姜の良品を見分けるポイント
良品を見分けるコツは、芽の付け根の赤みが強いものを選ぶことだ。
3. 谷中生姜の栽培方法

ここでは谷中生姜の種生姜からの栽培方法を紹介しよう。
谷中生姜の栽培方法:種生姜を選ぶ
谷中生姜に限らず生姜は、かたまりを分けた種生姜を植え付ける。生姜を上手に育てるポイントは、よい種生姜を選ぶこと。しっかりとした芽を持っており、丸くふくらんでいるものを選ぶとよい。
谷中生姜の栽培方法:植え付け
深さ20~30cmくらいの穴を掘り、元肥を入れて土を10cmほどかぶせる。種生姜の芽を2~3個くらいになるように手で割って芽を上向きにし、20cm間隔で置いて上に土をかぶせる。
谷中生姜の栽培方法:温度
生姜は暑さと多湿を好むのが特徴のひとつ。18℃前後から発芽しはじめ、生育に適した温度は25~30℃くらいだ。とくに夏のように乾燥しやすい時期は水を切らさないこと。充分な水やりを心がけてもらいたい。また強すぎる日差しは乾燥しやすく、生姜の生育にはあまり向かない環境だ。
谷中生姜の栽培方法:肥料
追肥は植え付け後、1ヶ月ごとに1回与えること。
谷中生姜の栽培方法:時期
谷中生姜の植え付け時期は5月で、収穫は7月下旬くらいの葉が5~6枚の頃、根が少し太った状態を目安にするとよい。
4. 谷中生姜の美味しい食べ方

最後に谷中生姜の美味しい食べ方を紹介しよう。
谷中生姜の美味しい食べ方:肉巻き
谷中生姜は根元を1本ずつ分けて薄皮をむく。茎の部分はフライパンの外に飛び出す程度の長さを残す。谷中生姜の根元に豚バラ肉をくるくると巻きつける。フライパンにサラダ油をひいて温め、肉巻きの巻き終わりを下にして中火で焼く。巻いた部分がある程度焼きかたまったら、茎の部分を持って転がしながら焼く。全体に焼き目が付いたら砂糖・しょうゆ・酒を加えてからめる。最後に火を止めて器に盛り付ければ完成だ。見ためがユニークな一品で、アルコールのつまみにおすすめ。
谷中生姜の美味しい食べ方:甘酢漬け
谷中生姜は根の下の部分を落とし、色が変わる部分でぐるっと浅い切り込みを入れる。可食部分を薄く1周そぎ、食べやすく整える。鍋に湯をわかして谷中生姜をいれ、サッと湯通しして塩をまぶす。3分ほどおいて軽く塩を払い、根のほうを下にしてコップに立てる。砂糖と酢、水を混ぜて注げば完成だ。食べごろは1時間後くらいだが、冷蔵庫で1〜2日ほど漬けると味がなじんで美味しい。とくに甘酢漬けにするとキレイな色に変わるので、食卓に彩りを添えたいときにおすすめ。
結論
焼き魚の添えものに使われることの多い谷中生姜だが、紹介したように肉巻きにしたり甘酢漬けで味わったりするのもありだ。甘酢漬けはそのまま食べるのはもちろん、キレイな色なので細かく刻んでごはんに混ぜても美味しい。ぜひ試しに作ってもらいたい。
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