1. くし切りとはどんな切り方?

最初にくし切りとはどんな切り方かを解説しよう。くし切りとは玉ねぎやトマトのように丸みのある野菜や、グレープフルーツのような柑橘類を、放射状に均等の大きさに切りそろえる切り方だ。切り方のポイントは繊維の向きに沿って、くし形に切ること。ちなみに櫛(くし)の形に似ており、くし切りという名前が付いたそうだ。ではくし切りにした食材は、どのような料理に使うのだろうか。玉ねぎはカレーやシチューのような煮込み料理に、トマトはサラダに、キャベツはポトフに使うことが多い。繊維の向きに沿って切るという点では薄切りと似ているが、薄切りのほうが、より薄く切る切り方だ。
2. 玉ねぎのくし切りのやり方

先述したように玉ねぎのくし切りはカレーやシチューのような煮込み料理をはじめ、牛丼にも向いている。ここでは玉ねぎのくし切りのやり方を紹介しよう。
玉ねぎの切り方
玉ねぎの上下を落として皮をむく。残りの先端の茶色い部分を包丁でむき、縦半分に切る。切り口を下にして芯に向かって包丁を入れ、繊維に沿って1cm幅に放射状に切る。残りの半分も同じように切ればよい。
くし切りにするときのポイント
くし切りにするときのポイントは大きさを揃えることだ。大きさを揃えるのは、火の通りと味のしみ込み方を均一にするため。また繊維に沿って切るのは、加熱しても形が崩れにくく食感を残せるからだ。逆に短時間でやわらかく甘く煮たいときは繊維を断ち切って切ると、細胞が壊れてやわらかな食感になる。
3. 野菜のくし切りのやり方

ここでは野菜のくし切りのやり方を紹介しよう。
じゃがいもの切り方
じゃがいもの皮を包丁かピーラーでむくが、たわしでこすってもよい。芽があれば包丁の根元の角で取り除く。縦半分にカットして切った面を下におき、中心に向かって包丁を斜めに入れ、3?4等分のくし切りにする。じゃがいもの芽には、天然毒素のチャコニンやソラニンが多く含まれている(※1)。そのため、芽の部分をしっかり取り除くことが大切だ。くし切りにしたじゃがいもはフライドポテトに向いている。
トマトの切り方
包丁の刃先をトマトのへたのまわりに斜めに刺し込み、くるっと1周させてくり抜く。縦半分に切って切り口を上にしておき、半分にカットする。さらに角から包丁を入れて半分に切ればよい。好みで皮を湯むきして取り除いてから、カットするのもありだ。くし切りにしたトマトはサラダに向いている。
にんじんの切り方
包丁でへたを切り落とし皮をむく。3~4cmの長さに切って半分にカットする。中心に向かって4~8等分の放射状にくし切りにする。ハンバーグ?やステーキの付け合わせにおすすめだ。
かぼちゃの切り方
かぼちゃは4等分に切り、スプーンで種とわたをくり抜く。平らな面を下におき、すべらないように手で押さえる。あとは端からくし形になるよう幅を揃え、包丁を下に押して切り分ける。かぼちゃのくし切りは煮物や天ぷらにおすすめだ。
ナスの切り方
ナスはへたを切り落とす。縦半分にカットして縦方向の放射状に切る。ポイントは変色するのを防ぐため、調理する直前に切ること。ナスのくし切りは麻婆ナスやミートグラタンにおすすめだ。
4. 果物のくし切りのやり方

最後に果物のくし切りのやり方を紹介しよう。
レモンの切り方
レモンは縦半分に切る。上と下の中心に包丁がくるようにして、3~4等分のくし切りにする。横にねかせて芯の白い部分をカットする。種があれば包丁の先で取り除く。絞りやすくするために、縦に切り込みを入れる。レモンのくし切りは焼き魚や唐揚げの添えものにおすすめだ。
グレープフルーツの切り方
グレープフルーツはへたと底を横にして半分にカットし、切り口を下にして放射状に8等分に切る。皮と果肉の間に包丁を入れて、半分ほど切り込みを入れておくと食べやすい。オレンジやみかんをくし切りするときも同じ方法でOK。料理に使うよりそのまま食べるのがおすすめ。
りんごの切り方
りんごは皮付きのまま半分にカットして8等分に切る。ひと切れずつ両側からV字に包丁を入れて芯の部分を取り除く。好みで皮はむいてもよい。料理に使うよりそのまま食べるのがおすすめ。
結論
野菜や果物をくし切りする方法を紹介した。復習になるが、くし形切りとは玉ねぎやトマトのような球形や、ナスのような長円形の食材をくし形に切る切り方だ。基本的に縦半分にカットして、中心部分から放射状に包丁を入れて切ればよい。
(参考文献)
※1出典:農林水産省「知識があればこわくない!天然毒素」
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