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ビタミンKの働きや多い食べ物は?欠乏症や摂りすぎのリスク

ビタミンKの働きや多い食べ物は?欠乏症や摂りすぎのリスク

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 小林里穂(こばやしりほ)

鉛筆アイコン 2021年11月 5日

ビタミンKは、骨や血液凝固に関わる脂溶性ビタミンである。無論、体には欠かせない栄養素だ。今回はそんなビタミンKの働きや含有量が多い食品など、基本的な情報を今一度おさらいしていこう。さらに、不足や過剰摂取によるメリットデメリットについても学んでいきたい。

  

1. ビタミンKとはどんな成分?

ソースカリウム、ビタミンK、ミネラル、繊維としての天然成分
ビタミンKは脂溶性ビタミンのひとつだ。ここではまず、その働きや効果について詳しくみていこう。

ビタミンKの働きや効果

ビタミンKの「K」は、ドイツ語で血液凝固を意味する「Koagulation」の頭文字をとってつけられたと言われている。自然界には緑黄色野菜や海藻などに含まれるビタミンK1(別名/フィロキノン)と、微生物から生まれるビタミン K2(別名/メナキノン類)が存在する。作用としては血液凝固に欠かせないばかりか、骨を強くすることにも寄与するので、骨粗鬆症の予防や治療薬との関わりが深い。(※1)

ビタミンKはワーファリンの働きを阻害

ワーファリン(ワルファリン)とは血液をサラサラにする薬だ。血液凝固因子のひとつであるビタミンKの働きを阻害して、血液が固まるのを防いでいる。人工弁をつける手術をした人や脳血栓症の予防など、さまざまなシーンで用いられてる。ワーファリンは上記の通り、ビタミンKとはまるで反対の作用があるため、同時に摂取すると薬効が著しく弱くなる。このため、ワーファリン(ワルファリン)を服用している人はビタミンKが多い納豆やアセロラ、青汁の摂取を控えるよう医者から忠告されることも多い。(※2)

2. ビタミンKを多く含む食品

白い器と糸を引く納豆
骨の健康や血液凝固に欠かせないビタミンKが多く含まれる食べ物や果物をリサーチしてみよう。
あまのり:2600μmg(※3)
糸引き納豆:600μg(※4)
モロヘイヤ:640μg(※5)
ブロッコリー:210μg(※6)
のりをはじめとする海藻や納豆は、含有量が非常に多い。野菜では上記以外にほうれん草や小松菜に多い。

3. ビタミンKの必要摂取量

ビタミンKが豊富な食品。
ビタミンKは、不足することがあまりない。というのもビタミンK2は腸内で生成されることがあるからだ。ここからは必要摂取量をまとめならが、欠乏や過剰摂取についても併せて学んでいこう。

ビタミンKの1日の摂取量の目安

成人:150μg(※7)
ビタミンKは一般的な生活を送っていれば欠乏の可能性は低い。このため、現在の摂取量が適切と考え、上記のような数字が挙げられている。日本は海外に比べると納豆を食べる機会が多いので、栄養調査でも平均値と中央値に大きな隔たりがある。

ビタミンK欠乏症とは

抗生剤を飲み続けている人や新生児は欠乏の可能性もあるが、一般的には不足することがない。万が一、欠乏した場合は、慢性栄養失調や月経過多を引き起こすことがある。

新生児にビタミンKシロップ投与する理由

前述の通り、新生児はビタミンKが不足しやすい。これは、胎盤移行性が悪いこと、腸内細菌が形成されていないこと、母乳のビタミンK含有量が少ないこと、そもそも新生児の哺乳量に個人差があることなど、さまざまな理由で起きうる。このため、日本では健康な新生児にはビタミンK2 シロップを出生時、産科退院時、1 か月健診時に経口投与するのが一般的だ。(※8)

ビタミンKの摂りすぎのリスク

ビタミンKの過剰摂取の報告はない。このため、過剰摂取によるリスクはないが、これはあくまでも自然界にあるビタミンKであることが条件だ。ただビタミンKの類縁化合物であるビタミンK3(メナジオン)は身体に悪影響があり、使用が中止されている。(※1)

4. ビタミンKの吸収をよくする方法

ごま油
ここではビタミンKを効率よく吸収する方法について学んでいこう。

油やタンパク質と共に取る

ビタミンKは、脂溶性ビタミンなので油を使った料理との相性がいい。また熱にも強いので、炒め物にも向いている。また、ビタミンKの運搬に関わるタンパク質と一緒に摂取することも勧められている。

不足するならサプリメントで摂取

サプリメントで補うこともできるが、これには注意が必要だ。健康食品のなかには、故意に薬の成分を添加した商品も紛れ込んでいる。海外からの輸入品は、さらなる注意が必要である。サプリメントは薬ではない点も忘れてはならない。ベネフィットとリスクをよく考えてから摂取することをおすすめする。

結論

前述の通り、新生児はビタミンKが不足しやすい。これは、胎盤移行性が悪いこと、腸内細菌が形成されていないこと、母乳のビタミンK含有量が少ないこと、そもそも新生児の哺乳量に個人差があることなど、さまざまな理由で起きうる。このため、日本では健康な新生児にはビタミンK2 シロップを出生時、産科退院時、1 か月健診時に経口投与するのが一般的だ。(※8)
(参考文献)
※1出典:ビタミンK働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
※2出典:ワーファリン|さいたま市
※3出典:あまのり/ほしのり|食品成分データベース
※4出典:糸引き納豆|食品成分データベース
※5出典:モロヘイヤ/茎葉/生|食品成分データベース
※6出典:ブロッコリー/花序/生|食品成分データベース
※7出典:日本人の食事摂取基準(2020 年版)|厚生労働省
※8出典:新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン|日本小児科学会新生児委員会ビタミン K 投与法の見直し小委員会
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  • 更新日:

    2021年11月 5日

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