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醤油の種類は何種類?どんな料理に合うか味の特徴をチェック!

醤油の種類は何種類?どんな料理に合うか味の特徴をチェック!

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年11月21日

和食に欠かせない醤油は、種類によって製法や味が異なる。それぞれの特徴を把握し適切に使い分ければ、料理をより美味しく仕上げたり味わったりすることができる。本記事では、醤油の種類や等級について詳しく解説していく。

  

1. 醤油とは?

醤油
醤油とは、大豆、小麦、塩を主原料とする液体発酵調味料である。和食における基本調味料「さ(砂糖)」「し(塩)」「す(酢)」「せ(醤油)」「そ(味噌)」の一つだ。日本では全国各地で醤油の醸造が行われている。主に和食に用いられるが、洋食や中華料理にも合い、海外でも広く使用されている。
豊富な香り成分を含み、旨味、甘味、塩味、苦味、酸味を兼ね備えているため、どんな料理とも相性がよいといわれている。また、味付けだけでなく魚の臭み消しなどの効果もある(※1)。

2. 醤油の製造方式の種類

醤油
醤油の製造方式には、「本醸造方式」「混合醸造方式」「混合方式」の3種類がある。それぞれどのような製造方式なのか、詳しく見ていこう。

本醸造方式

日本で生産される醤油の約8割を占める。伝統的な製造法で、色、味、香りのバランスがよい醤油ができる。蒸した大豆と炒った小麦に種麹を加えた麹を、食塩水とともに仕込み「もろみ」を造る。このもろみを攪拌しながら半年以上寝かせて分解・発酵させ、熟成することで醤油となる。

混合醸造方式

大豆などのたんぱく質を塩酸分解させてできたアミノ酸液、または酵素分解調味液や発酵分解調味液をもろみに加え、1ヵ月以上熟成させる製造方式である。アミノ酸特有のコクや旨味が強い。本醸造方式よりも熟成時間が短いため、短時間で製造できる。

混合方式

熟成させたもろみを圧搾した生揚げ醤油に、アミノ酸液を加える製造方式である。アミノ酸特有のコク、旨味が強い。

3. 醤油の種類

醤油
JAS(日本農林規格)では、醤油の種類を「白醤油」「淡口醤油」「濃口醤油」「再仕込醤油」「溜まり醤油」の5つに分類している(※2)。本記事では、さらに「甘口醤油」を加えた6種類を紹介する。

白醤油

醤油のなかで最も色が淡く、琥珀色をしている。精白した小麦と少量の炒り大豆を主原料とし、熟成期間が短く旨味も控えめである。素材の色や味わいを生かすために用いられる。お吸い物、茶碗蒸し、豆ごはんなどに向く。

淡口醤油

西日本で一般的に使われる醤油である、濃口醤油と製法はほぼ同じだが、淡い色に仕上げるために食塩を多く使用する。そのため、色は薄いが塩分濃度が高い。甘酒を加えて味をまろやかにしたものもある。白醤油と同様に、素材の色や味わいを生かせる。煮物、お吸い物などに使われる。

甘口醤油

九州や北陸で一般的に使われている、独特の甘みが特徴の醤油だ。混合醸造方式または混合方式でできた濃口醤油に、甘草やステビアなどの甘味料を加えて製造される。甘みの強さはさまざまで、地域によっても特徴がある。刺身のつけ醤油として使うほか、おひたし、卵かけごはん、焼きおにぎりなどの味付けに向く。

濃口醤油

国内での生産量・流通量の8割を占め、東日本では古くから親しまれてきた定番の醤油である。旨味、甘味、塩味、苦味、酸味のバランスがよい。透明感のある赤橙色が特徴だが、酸化すると黒っぽくなる。調理用としてだけでなく、卓上用のつけ醤油としても使われる万能調味料だ。

再仕込醤油

一般的な醤油が食塩水で仕込むのに対し、生揚げ醤油で仕込んで作る醤油だ。醸造を二度繰り返すため、2倍の製造時間を要する。二段仕込み醤油、甘露醤油とも呼ばれ、濃厚な風味と強い旨味をもつ。刺身や寿司のつけ醤油に最適である。また、フライや肉料理のソースとして使用したり、料理の隠し味として少量加えたりするのもおすすめだ。

溜まり醤油

大豆を主原料とし、小麦はごく少量か不使用で、仕込水も少ない。約1年という長い発酵・熟成期間を経て、とろりと濃厚な醤油に仕上がる。主に中部地方で醸造され、グルテンフリーの醤油としての需要もある。旨味が非常に強く、つけ醤油として使われる。また、照りが出やすいため照り焼きなどにも向く。

4. 醤油の等級の種類

醤油
JAS(日本農林規格)では、醤油等級として「特級」「上級」「標準」の3つに区分している。醤油の性状、旨味の指標とされる窒素分の含有量、色度などさまざまな基準により判定され、ラベル表示される。各等級の特徴を見ていこう。(※2)

特級

特級とされる醤油は、3等級のなかで最も全窒素分が高く旨味が強い。糖分やアミノ酸などを含む無塩可溶性固形分(エキス分)も、特級の醤油に最も多い。また、醤油の種類によっても異なる基準がある。淡口醤油は、より色が淡いことが求められる。白醤油に関しては、特級のものは直接還元糖の値が最も高く、糖分がより多い。
特級のなかには、さらに「超特選」「特選」というより高いランクが設けられている。それぞれの基準は下記の通りだ。(※3)

超特選

  • 濃口醤油、再仕込み醤油、溜まり醤油:全窒素分が特級の1.2倍以上
  • 白醤油、淡口醤油:無塩可溶性固形分(エキス分)が特級の1.2倍以上、糖の添加不可

特選

  • 濃口醤油、再仕込み醤油、溜まり醤油:全窒素分が特級の1.1倍以上
  • 白醤油、淡口醤油:無塩可溶性固形分(エキス分)が特級の1.1倍以上、糖の添加不可

上級

全窒素分や無塩可溶性固形分(エキス分)は、特級よりもやや低く、3等級の中間の基準である。色度に関しては特級、標準と同等の基準である。淡口醤油のみ、標準よりも高い特級と同じレベルの色度となっている。

標準

全窒素分や無塩可溶性固形分(エキス分)は、3等級のうち最も低い基準となる。しかしJAS規格で認められる基準を満たしているため、品質は守られている。色度に関しては、淡口醤油を除き特級の基準と同等である。

結論

醤油には、JAS規格で区分された本醸造方式による5種類と、混合醸造方式や混合方式で造られた甘味の強い甘口醤油がある。また、3種類の醸造方式がある。さらに、醤油等級が設けられており、特級のなかでも超特選の醤油が最高ランクだ。日常的に使う醤油にも、さまざまな種類があるため、ぜひ特徴をおさえて使い分けてみよう。
(参考文献)
※1出典:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター「?油」
※2出典:農林水産省「しょうゆの日本農林規格」
※3出典:一般財団法人日本醤油技術センター「しょうゆのJAS規格の解説」
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  • 更新日:

    2021年11月21日

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