1. ブロッコリーは洗わないとダメ?洗うべき2つの理由
一見するだけでは汚れているように見えないブロッコリーであるが、いくつかの理由で洗う必要はある。野菜の中では独特の形状のため、洗いにくさが難点であるブロッコリー。なぜ洗う必要があるのかを見てみよう、
1:虫や汚れがついている
地中海が原産といわれるブロッコリーは、肥大した緑色のつぼみを食べる野菜である。ブロッコリーは栽培の過程で、コナガやカブラハバチといった虫がつきやすいことを、農水省が報告している。(※1)そのため、こうした虫や汚れが付着したままの可能性もある。
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2:農薬がついている
ブロッコリーには、栽培中に虫がつくケースがある。(※1)必然的に、それに対応するために農薬を使うことも多くなる(※1)農林水産省では、野菜の残留農薬については厳しくチェックをし、既定の量を超えないよう指導している。(※2)とはいえ、残留農薬はゼロになるわけではない。ブロッコリーもこうした野菜のひとつであるから、洗って調理するに越したことはないのである。
ブロッコリースプラウトは洗う必要なし
野菜には、スプラウトという種類がある。これは発芽して間もないものを食する野菜を指す。スルフォラファンという硫黄化合物を多く含み、抗酸化作用があることでも知られている。(※3)ブロッコリーのスプラウトも同じように豊富な栄養が含まれている。(※4)ブロッコリーとは異なる食感を持つスプラウトは、出荷前に種子部分の除去のために洗浄しているため、調理前に洗う必要はない。(※5)
2. ブロッコリーを洗うと白いものが発生!正体は油や農薬?
生のブロッコリーの表面には、白い物体が付着していることがある。これは農薬に見えるかもしれないが、ブロッコリーを栽培する企業によれば、実際にはブルームと呼ばれる白い粉である。ぶどうやチョコレートにも見ることができるこのブルームは、天然のろう成分である。(※6)ブロッコリーを洗うと油のようなものが水面でてらてらすることがある。これもブルームなので、食しても問題はない。(※6)
3. ブロッコリーをキレイに洗う方法
JAやブロッコリーの栽培販売を行う企業では、ブロッコリーの洗い方を紹介している。たっぷりの水をボウルに入れて、その中にブロッコリーの花蕾部分をつけてふり洗いをする方法が紹介されることが多い。汚れが気になる場合には、洗浄用の水に酢を落としてみよう。酢には殺菌効果があるため(※7)、ブロッコリーの房の中に潜む細菌にも効果がある可能性が高い。小房に切ったブロッコリーの場合は、ジップ付きの袋に水とブロッコリーを入れ、ふって洗うと便利である。
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4. ブロッコリーは洗うだけでも食べられる
ブロッコリーは独特のえぐみや固さが気にならなければ、生で食べることも可能である。その場合には、しっかりと汚れを落としたものを食べるのが基本である。生ブロッコリーは茹でたものよりも、栄養の面でメリットがある。たとえば食物繊維量は、生100g当たり5.1gであり、茹でたタイプの4.3gよりも多い。ビタミンCの量も、生のブロッコリー100gには140mg含まれるのに対し、茹でると55mgに減少する。そのほか、ビタミンEやビタミンKも同様である。(※8、9)より効率的に栄養を摂取したい場合には、ブロッコリーの生食はトライする価値があるかもしれない。
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結論
ブロッコリーは洗いにくい野菜であるが、ボウルに水を入れてふり洗いをすることで、虫や汚れは落とすことができる。細菌などが心配な場合は、酢を使って洗うのもよい。ブロッコリーに付着した白い物体や洗った際にでる油は、ブルームと呼ばれる自然の物質であるため、食べても問題ないとされている。いずれにしても、正しい方法でブロッコリーを洗い、美味しく安全に食べるのが肝心である。
(参考文献)
※出典1出典2:農林水産省
https://www.maff.go.jp/※出典3:集英社「情報・知識imidas(スプラウト)」
※出典4:一般社団法人全国農業協同組合中央会「ブロッコリー」
※出典5:株式会社村上農園「よくある質問」
※出典6:Twitter Japan株式会社「有限会社安井ファーム」
※出典7:文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構「食酢の品質の安定性について」
※出典8出典9:文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/