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換気設備の必要性は?換気設備の種類や特徴とコロナ対策について

換気設備の必要性は?換気設備の種類や特徴とコロナ対策について

投稿者:ライター 松岡由佳里 (まつおかゆかり)

鉛筆アイコン 2021年6月24日

建物の中で快適に過ごせるのは、エアコンなどの空調設備が整っているからだけではない。換気設備も重要な設備のひとつだ。換気の重要性は、最近のコロナ禍によってもクローズアップされている。ここでは、換気設備の必要性、種類や特徴、さらにコロナ対策として導入の支援がされている換気システムについても紹介しよう。

  

1. そもそも換気設備とは?

換気とは、外の空気と内の空気を入れ替えるということだ。では、なぜ換気設備が必要なのだろう。

換気設備の働き

換気設備の働きは、空間の空気を入れ替えることだ。外から新鮮な空気を取り込む「給気設備」と室内の汚染された空気を排出する「排気設備」で構成されている。私たちが建物の中で生活するうえで、建物は暑さや寒さ、風雨から守ってくれる存在だ。しかし外の空気からまったく遮断されてしまうと、呼気や燃焼器具などで酸素が少なくなり息苦しくなってしまうだろう。
昔の日本家屋では、自然と隙間から空気の入れ替えがされており、窓を開ける機会も多かった。しかし、最近の建物は、空調の効率を高めるためにも気密性が高い構造になっている。そのため、建築基準法では24時間換気システムの導入が義務付けられている。

換気設備の必要性

現代の建物で計画的に換気を行うためには、換気設備が必要だ。換気設備がない、あるいは機能していないと2つのデメリットにつながる。ひとつは有害物質が室内にたまってしまうことだ。建物に使われている建材にはホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれており、ハウスシック症候群の原因にもなっている。さらに、花粉やPM2.5といったアレルギーの原因となる有害物質を室内にため込んでしまう。
もうひとつは結露の原因になることだ。冬の季節、室内の酸素を使って燃料を燃焼させる暖房器具を使うと、室内に水蒸気が大量に放出される。この水蒸気が室外に排出されないと、結露となってカビの原因になるだけでなく、床や柱を腐らせてしまう。

2. 換気設備の種類

ひとくちに換気設備といってもいろいろある。大きく分けて3種類あり、それぞれの特徴、メリット・デメリットがある。また、コロナ対策支援補助金の対象となる高機能換気設備の特徴も紹介しよう。

第1種換気方式

給気・排気ともに機械(ファン)で管理する換気方式だ。空気の流れを制御しやすく、3種類の換気設備の中で最も確実に空気の給気と排気ができる。ただし、導入コストがかかるのがデメリットだ。

第2種換気方式

給気に機械を使い、排気に自然換気を利用する換気方式だ。建物外よりも建物内の方が気圧が高くなるため、塵やホコリが入りにくい。そのため主に無菌室や食品加工工場など、高い清浄レベルが求められるクリーンルームなどに採用されることが多い。室外の影響を直接受けるため、夏の湿度や冬の冷気をそのまま室内に取り込んでしまうというデメリットがある。

高機能換気設備とは

高機能換気設備とは、第1種換気方式を進化させたものだ。一般的な換気設備では、外の空気を室内に取り込む代わりに室内の空気を外に排出させ、空気を循環させる。この換気方法だと、せっかくエアコンで涼しくなった室内の空気を外に排出し、外の熱い空気を室内に取り込まなくてはならない。そうなると冷房の効率が悪くなり、光熱費がかかるだけでなく、CO2の排出量が増えて地球温暖化の原因にもなってしまう。これは暖房の場合にも共通することだ。

高機能換気設備は、給気と排気を一台の機械で行うことで「熱交換」ができる。そのため室内の温度を保ったまま換気ができるというシステムだ。また、フィルターにより外からの有害物質を取り込むことがなく、室内の空気の清浄を維持することができる。さらに、換気のために窓を開ける必要がなくなるため、防音効果も得られる。

3. 高機能換気設備は補助金の対象

高機能換気設備は、まさにコロナ禍の時代にマッチした換気設備といえる。国でもコロナウイルス政策として支援事業に乗り出した。その概要を説明しよう。

事業目的

高機能換気設備を導入することで、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の拡大リスクを軽減し、さらに業務用施設からの大量のCO2の排出を削減する。主にこの2点を目的とする支援事業だ。高機能換気設備を導入することで、不特定多数の人々が集まり密になりやすい飲食店では、安心して食事ができる環境を整えることができ、集客にもつながる。

補償対象

補償対象は中小企業、個人事業主、社会福祉法人、医療法人、一般社団法人・一般財団法人、公益社団法人・公益財団法人、地方公共団体などだ。上限1,000万円として一律2分の1の補助を受けることができる。

結論

換気設備は、私たちが家や職場で快適に過ごすためになくてはならないものだ。換気設備には大きく分けて3種類あるが、それぞれメリットとデメリットがあることを覚えておこう。また国では、飲食店など不特定多数の人が集まる場所に、高機能換気設備を導入することを推奨している。コロナ対策や地球温暖化対策の一環としても注目されており、補助の対象にもなっている。
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  • 更新日:

    2021年6月24日

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