目次
1. 掃除の前に!そもそもエアコンのフィンとは?

エアコンのフィンとは何か、詳しく知らない方もいるだろう。掃除方法の前にまずはフィンの基礎知識から身につけていこう。
エアコンの構造
エアコンは、フィルターのほか内部にフィン、ファン、ドレンパンといったパーツが組み込まれている。フィルターはご存知の通り空気中のホコリなどをキャッチする役割がある。またファンは風を起こすパーツで、フィルターなどと同じようにカビが生えやすいのだが、内部にあるため素人では掃除できない。ドレンパンは結露によって生じた水滴の受け皿となり、屋外へ排出するためのパーツだ。
フィンとは?
今回のテーマであるフィンは「温度調整」の役割を担うパーツである。エアコン前部のカバーを開けてフィルターを外すと、すぐそこに金属の部品が見える。これがフィンだ。ファンから送られた空気を、フィンが設定温度に合わせて冷ましたり暖めたりしたのち、室内に送り出している。
2. エアコンのフィンは掃除すべき?

エアコン前部のカバーやフィルターは掃除するものの、フィンは手をつけたことがないという方もいるだろう。そもそもエアコンのフィンは掃除すべきなのだろうか?
掃除はしたほうがよい
たとえば夏場に冷房運転をしたとしよう。フィンが冷たくなることでそこを通り抜ける空気が冷やされ、室内に心地よい冷風が送られてくる。このとき、フィンには外気との温度差によって結露が生じる。エアコン内部の湿度が上がるということだ。加えてエアコン内部にはフィルターでは拾いきれない、微かなホコリなども溜まっていく。適度な湿度と温度、そしてホコリ(養分)という、カビの生育条件が見事に揃うというわけだ。これが、エアコンのフィンは掃除したほうがよい理由だ。
自分でフィンを掃除をしても大丈夫?
エアコンは電気製品であり、温度調節に必要なセンサーなども搭載されており、非常に精密かつデリケートな機器でもある。したがって自分で掃除をするなら前部のカバーやフィルター、ルーバー(羽)や吹き出し口といった程度に留めるのがよいだろう。とはいえ市販のフィンクリーナーも販売されているので、決して自分で掃除できない(してはいけない)というわけではない。だが本格的に内部を掃除したいのであれば、業者に任せることをおすすめする。
3. エアコンのフィンを掃除せずにいるとどうなる?

お伝えしたように、フィンをはじめエアコン内部はカビの生育に適した条件が揃いやすい。掃除をせずに放置した場合、どういったリスクが考えられるのかを見ていこう。
放置するリスク
エアコンのフィンをまったく掃除せずにいると、ホコリが溜まりカビも繁殖し続ける。その空気が室内に送り込まれていると想像しよう。カビの胞子をヒトやペットが吸い込めば、喘息やアレルギーなどの症状を招いてしまうこともある。それだけではない。エアコンの空調効率が低下して電気代がかさむ、異臭がするようになる、フィンに負担がかかり故障の一因になるなど、掃除をしないことでさまざまなリスクが生じる。
掃除するメリット
エアコンのフィンを掃除しておけば、上記で説明したリスクを回避できる。とくに健康被害のリスクを減らしたり、電気代を少しでも安く抑えたりできる点はメリットではないだろうか。
掃除の頻度は?
エアコンの使用方法などにもよるが夏・冬ともに使ったとして、できればシーズンごと(年2回)、少なくとも年1回は掃除しておきたい。ただしこれはフィンに限った話だ。フィルターは月1〜2回など、よりこまめに掃除するのが望ましい。
4. エアコンのフィンを自分で掃除するには?

エアコンの内部まで隅々までキレイにしたいときや、少しでも作業に不安があるときは業者に依頼するのがおすすめだが、市販のフィンクリーナーで意外と簡単に掃除できる場合もある。
用意するモノ
- 掃除機
- 柔らかいブラシ
- つまようじ
- 市販のフィンクリーナー
- ゴム手袋
- マスクとメガネまたはゴーグル
掃除機はハンディタイプがよいだろう。またブラシの代わりに使い古した歯ブラシ、つまようじの代わりに綿棒などを使ってもよい。なおマスクやメガネ(ゴーグル)は、洗浄液やホコリ、カビの胞子が付着したり吸い込んだりするのを防ぐためのものだ。
1.まずは掃除機とブラシで汚れを取る
エアコンの電源を抜いてフィルターを外し、フィンの表面を掃除機がけする。掃除機のアタッチメントはできるだけ小さいブラシ状のものに替えておこう。次に、柔らかいブラシでフィンの目に沿って優しく丁寧に汚れを落としていく。フィンは繊細なので、できるだけ毛先が細く柔らかいものがおすすめだ。細部の汚れはつまようじや綿棒などを使うと取り除きやすい。
2.クリーナーで一気に洗い流す
汚れが取れたら、フィンに満遍なくクリーナーを吹きつける。クリーナーは1本まるまる使い切ることが大切だ。洗い流された汚れはドレンパンに溜まるので室内が汚れることはないはずだが、心配な方は床を養生しておこう。15分ほど放置したらフィルターなどをすべて戻し、10分以上送風運転をしてエアコン内部を乾燥させれば完了だ。
使い方や注意点は商品の説明欄で確認を
上記は一般的なエアコンのフィンクリーナーを使った例だが、商品によって使用方法が違ったり養生が必要だったりすることもある。掃除を始める前に必ず、使い方や注意点を確認して正しく使用するとともに、エアコンの取扱説明書に書かれている掃除方法や注意点なども確認してほしい。
クリーナーにはリスクがあることも知っておこう
汚れを含んだ洗浄液がエアコン内部に残りカビのエサとなってしまう、あるいはフィンが目詰まりを起こしたり水漏れの原因となったりするなどのリスクはゼロではない。また部品が錆びついたり電装部品がショートしたり、最悪のケースとして発火するリスクもないとは言い切れない。こうしたことを未然に防ぐためにも、使用方法や注意点は必ず守るとともに、少しでも不安があれば迷わず業者に依頼することをおすすめする。
5. エアコンのフィンを自分で掃除する際の注意点

最後に、エアコンのフィンを掃除するときの注意点をお伝えする。
作業に当たる前にかならず電源を抜く
電気製品ゆえ、感電のリスクを防ぐためにも必ず電源プラグは抜いておこう。
電装部分を水に濡らしたりスプレーをかけたりしない
エアコンの故障を招きかねないためだ。電装部品が露出されている場合は養生することをおすすめする。
クリーナーの使用方法と注意点は必ず守る
しつこいようだが、トラブルを防ぐためにも市販のクリーナーは正しく使うことが何よりも重要だ。パッケージに書かれた使用方法と注意点を守って正しく使おう。
業者に依頼することも検討しよう
エアコンには、フィン以外にもさまざまなパーツが組み込まれている。素人では内部までしっかり掃除することは難しい。長らく放置してしまったという方は、一度プロの業者に依頼することも検討しよう。
6. ついでにエアコンのフィルターも掃除しよう

フィンを掃除するのであれば、ついでにフィルターも掃除してしまおう。こちらはフィンと比べて掃除しやすい。
フィルターの掃除方法
エアコン前部のカバーを開け、掃除機でホコリを吸い取る。フィルターを取り外し、浴室などへ運んでシャワーでホコリを洗い流す。スポンジや歯ブラシを使うと隅々までキレイにできる。入念に掃除したいときは、台所用中性洗剤を使ってスポンジでこすり洗いをするといった方法もある。最後にシャワーでよくすすぎ、風通しのよい場所で完全に乾かしてからエアコン本体に戻せば完了だ。乾かしている間にフィンを掃除するとともに、ルーバーや吹き出し口なども水拭きをしておくと効率がよい。
結論
エアコンのフィンは、少なくとも年1回は掃除をして汚れを取り除いておこう。ただし、今回紹介したやり方でキレイにできるのはフィンの表面だ。内部までしっかり掃除したいときは、エアコンのクリーニング業者に掃除を依頼しよう。