目次
1. オレンジワインとは?

オレンジ色をしたオレンジワイン。オレンジという名前だが果物のオレンジで造られるわけではなく、白ブドウを使って造られるワインだ。
オレンジワインの製造法
白ブドウから造られるオレンジワインだが、醸造方法は赤ワインに似ている。白ワインは白ブドウから果汁のみを取り出して発酵・熟成させるのに対し、赤ワインは黒ブドウの果汁だけでなく果皮や種も一緒に発酵させてから液体を抜き取って熟成させる。つまり、オレンジワインは白ブドウの果汁や果皮、種を一緒に発酵させているので、果皮や種から抽出された成分がワインに複雑味を与え、色もオレンジ色となるのだ。
オレンジワインに使われるブドウ
オレンジワインを造る白ブドウ品種に決まりはないが、よく使われるのは豊かな香りをもつアロマティック品種だ。リースリング、ヴィオニエ、ゲビュルツトラミネールなどが該当する。また、ジョージアのルカツィテリのような酸味の強い品種を使った長期熟成のポテンシャルをもつ高品質なワインも造られている。ほかにはタンニンのあるピノ・グリのような品種や、日本の甲州から造られるオレンジワインもある。
2. オレンジワインの歴史

オレンジワインという名前は近年急速に広まり人気となったが、実は長い歴史をもっている。
オレンジワインはジョージア(旧グルジア)発祥
オレンジワインの起源は約8000年前までさかのぼる。世界最古のワイン産地とされるジョージア(旧グルジア)がオレンジワイン発祥の地だ。ジョージアでは伝統的にクヴェヴリという地中に埋めた陶器の壺の中でワインを醸造しており、現在でも受け継がれている。オレンジワインはジョージアではアンバーワインともよばれている。
ジョージアから世界へ
ジョージアには長いワイン造りの歴史があるが、旧ソ連の支配下にあったためオレンジワインは国際市場に出回っていなかった。そんな中でオレンジワインに着目したのがイタリアのワイン生産者グラヴナーだ。ヨスコ・グラヴナー氏が1998年に初めて造ったオレンジワインが高く評価されたことによって、イタリアや他の国でもオレンジワインが造られるようになった。ジョージアワインが流通するようになってきたことや、世界のトップソムリエが料理との合わせやすさに目をつけてレストランで提供したこともオレンジワインの広がりの後押しとなっている。
3. オレンジワインが人気の理由

オレンジワインの人気の高さはどこからきているのだろうか。そこには人気に火が付いたきっかけがあり、オレンジワインのもつキャラクターにも秘密があった。
オレンジワインはナチュラルワイン
黒ブドウに含まれるタンニンは自然な酸化防止剤となるため、赤ワインより白ワインの方が酸化防止剤の亜硫酸を多めに添加する必要がある。タンニンはオレンジワインにもあるため亜硫酸添加を抑えられる。ナチュラルワインの生産者はそこに着目し、白ワインの代わりに添加物の少ないオレンジワインを生産することで近年のナチュラルワインブームの波に乗った。しかし、現在オレンジワインを造っているのはナチュラルワインの生産者だけではないので、すべてのオレンジワインがナチュラルワインというわけではない。
最高のマリアージュ
オレンジワインは白ワインと赤ワインの中間的なキャラクターをもっているため、さまざまな料理と合わせやすいのも人気の一因だ。白ワインでは物足りなく感じる魚料理や、赤ワインでは重たすぎるシンプルな肉料理などにもオレンジワインは合いやすい。醤油や味噌で味つけした和食や、中華料理、タイ料理などとの相性もよいので、食事のお供に最高だろう。
4. オレンジワインに合う一品

前述の「最高のマリアージュ」にあったとおり、白ワインや赤ワインと合わせにくい料理とも好相性をみせるオレンジワイン。ここではぜひオレンジワインに合わせてほしい料理を紹介しよう。
オレンジワイン×梅酒仕込みのスペアリブ
醤油ベースで和風の味つけのスペアリブ。梅の果実味と、醤油とはちみつの甘味はオレンジワインと絶妙なバランスをみせるだろう。梅酒とはちみつで仕込むため肉質も柔らかく、臭みがない。調理のポイントは肉にしっかり味をしみこませることだ。
このレシピをチェック!
オレンジワイン×柿とブルーチーズのサラダ
さっと作れて見栄えもよい柿とブルーチーズのサラダ。柿の甘みとブルーチーズの塩気はオレンジワインと相性バツグンだ。ナッツや黒胡椒、オリーブオイルもアクセントとなっている。ホームパーティーでも活躍する一品だろう。
このレシピをチェック!
結論
オレンジワインはナチュラルワインとして人気に火が付いたが、それだけでなく、特有の味わい深さがあり、赤ワインや白ワインでは合わせにくい料理にも寄り添うポテンシャルをもっている。これからワインを飲み始める人も、ワイン愛好家も、オレンジワインの世界を気軽に楽しんでみてはいかがだろうか。