目次
1. えのきってどんな食べ物?

えのき(えのきたけ/榎茸)とは、エノキタケ属のキノコである。天然のえのきたけは茶色で傘の部分も大きいが、スーパーでは白色の見た目をしたものが多く売られている。また、栽培されているキノコの中では最も生産量が多く(※2)、通年スーパーや八百屋などで購入することが可能だ。鍋料理や炒め物をはじめ、煮物や焼き料理、揚げ物などさまざまな方法で美味しく食べることができる。
2. えのきの基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、「えのきたけ」という項目名で栄養価が収録されている。また、生のえのきだけでなく、ゆで・味付け缶詰・油いためなどの栄養価も収録している。このうちここではえのき100gあたりの基本的な栄養価を紹介する。
えのき(生)の100gあたりの栄養価
・エネルギー:34kcal
・たんぱく質:2.7g
・脂質:0.2g
・炭水化物:7.6g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.02g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.08g
・ビタミン
・ビタミンA:0μg
・ビタミンD:0.9μg
・ビタミンE:0mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.24mg
・ビタミンB2:0.17mg
・ナイアシン:6.8mg
・ビタミンB6:0.12mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:75μg
・パントテン酸:1.4mg
・ビオチン:11μg
・ビタミンC:0mg
・ミネラル
・ナトリウム:2mg
・カリウム:340mg
・カルシウム:Tr
・マグネシウム:15mg
・リン:110mg
・鉄:1.1mg
・亜鉛:0.6mg
・銅:0.1mg
・マンガン:0.07mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:1μg
・クロム:0μg
・モリブデン:Tr
・食物繊維:3.9g
(・水溶性食物繊維:0.4g)
(・不溶性食物繊維:3.5g)
・たんぱく質:2.7g
・脂質:0.2g
・炭水化物:7.6g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.02g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.08g
・ビタミン
・ビタミンA:0μg
・ビタミンD:0.9μg
・ビタミンE:0mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.24mg
・ビタミンB2:0.17mg
・ナイアシン:6.8mg
・ビタミンB6:0.12mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:75μg
・パントテン酸:1.4mg
・ビオチン:11μg
・ビタミンC:0mg
・ミネラル
・ナトリウム:2mg
・カリウム:340mg
・カルシウム:Tr
・マグネシウム:15mg
・リン:110mg
・鉄:1.1mg
・亜鉛:0.6mg
・銅:0.1mg
・マンガン:0.07mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:1μg
・クロム:0μg
・モリブデン:Tr
・食物繊維:3.9g
(・水溶性食物繊維:0.4g)
(・不溶性食物繊維:3.5g)
3. えのきに含まれる栄養素

えのきはほかのキノコ類と同じで、ビタミンD・ビタミンB群・食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいる。また、上記の一覧にはないが、「GABA」というアミノ酸の一種も含んでいるという(※3)。そんな、えのきに含まれる特徴的な栄養素を確認しておこう。
栄養素1.ビタミンD
えのきは、ビタミンDを100gあたり0.9μg含んでいる。ビタミンDは、体内ではカルシウムやリンの吸収を促進する働きがある。そのため、歯や骨などを丈夫に保つのに必要な栄養素である。なお、健康な人が普通の生活を送っている分には、不足する可能性は低いとされている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は8.5μgであり、耐容上限量は100μgとなっている(※4)。
栄養素2.ビタミンB群
えのきはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸といったビタミンB群を多く含んでいる。これらはそれぞれ働きが異なるが、いずれも身体を健康に保つのに必要な栄養素である。そこで特に多いビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンの働きを確認しよう。
【ビタミンB1】
えのきは、ビタミンB1を100gあたり0.24mg含んでいる。ビタミンB1は、体内ではブドウ糖をエネルギーに変換するのに必要な栄養素として知られている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は1.1~1.2mgであり、推奨量は1.3~1.4mgとなっている(※4)。
【ビタミンB2】
えのきは、ビタミンB2を100gあたり0.17mg含んでいる。ビタミンB2は、体内ではエネルギー代謝や物質代謝などに関わっており、特に脂肪をエネルギーに変換するのに役立つ。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は1.2mg~1.3mgであり、推奨量は1.5~1.6mgとなっている(※4)。
【ナイアシン】
えのきは、ナイアシンを100gあたり6.8mg含んでいる。ナイアシンは、体内ではエネルギー産生、脂質やアミノ酸の代謝などに関わっている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は12~13mgNE、推奨量は14~15mgNE、耐容上限量は300~350mgNEとなっている(※4)。
栄養素3.食物繊維
えのきは、食物繊維を100gあたり3.9g含んでいる。食物繊維は体内では消化・吸収されないが、腸内で膨らみぜん動運動を活発にする働きや、糖質の吸収を抑える働きをはじめ、さまざまな生理機能があるという(※5)。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目標量は21gとなっている(※4)。
栄養素4.GABA
えのきは、アミノ酸の一種である「GABA」を多く含んでいることで知られている(※3)。GABAは脳内では抑制神経伝達物質として働くため、リラックスさせる働きがあると注目されている。ただし、国立健康・栄養研究所によれば、「摂取したGABAは、体内で合成されたものと同等には作用しないものと考えられている」と指摘している(※6)。
4. 調理・加工したえのきの主な栄養価

「日本食品標準成分表」には生のえのきのほかに、ゆで、味付け缶詰、油いための栄養価もそれぞれ収録されている。そこでカロリー・三大栄養素・食物繊維といった主な栄養価を確認しておこう。
えのき(ゆで)の主な栄養価
・カロリー:34kcal
・たんぱく質:2.8g
・脂質:0.1g
・炭水化物:7.8g
・食物繊維:4.5g
・たんぱく質:2.8g
・脂質:0.1g
・炭水化物:7.8g
・食物繊維:4.5g
えのき(味付け缶詰)の主な栄養価
・カロリー:76kcal
・たんぱく質:3.6g
・脂質:0.3g
・炭水化物:16.9g
・食物繊維:4.1g
・たんぱく質:3.6g
・脂質:0.3g
・炭水化物:16.9g
・食物繊維:4.1g
えのき(油いため)の主な栄養価
・カロリー:71kcal
・たんぱく質:3.0g
・脂質:3.9g
・炭水化物:8.8g
・食物繊維:4.6g
・たんぱく質:3.0g
・脂質:3.9g
・炭水化物:8.8g
・食物繊維:4.6g
5. えのきの栄養面に関するよくある質問

ここまでえのきの栄養価や栄養素など、栄養面の特徴について解説してきた。しかし、まだ「えのきの糖質量はどれくらいか」「1日にどれくらい食べていいのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後にえのきの栄養面に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.えのきの糖質量はどれくらい?
「日本食品標準成分表」には糖質量は収録されていない。しかし、えのきの炭水化物量は7.6gで、食物繊維量は3.9gであることから、糖質量はおよそ3.7gであると計算できる。また、えのきの100gあたりのカロリーは34kcalと低めである。そのため、ダイエットや糖質制限などをしている人にとってもおすすめの食品の一つとなっている。
Q2.えのきは1日にどれくらい食べていい?
えのきの1日あたりの上限量は決められていない。しかし、農林水産省などが策定した「食事バランスガイド」によれば、えのきなどのキノコ類を使った副菜は「1日に5~6SV程度」を目安量としている。副菜の1SVは70g程度であるため、1日に70g程度を目安に食べるとよさそうだ。また、キノコだけでなく野菜類、イモ類、豆類、海藻といった食品もバランスよく食べるようにしよう(※7)。
Q3.えのきを冷凍するメリットとは?
えのきなどのキノコ類は冷蔵保存するよりも、冷凍保存するほうがよいといわれている。この理由は冷凍することでうま味成分が出やすくなり、料理が美味しく仕上がるからだ。また、えのきには「キノコキトサン」という抗肥満成分が含まれるが、この成分も効率よく吸収できるという。このほか食感が変わりにくい、長期保存できるといったことも、えのきを冷凍保存するメリットとなっている。
結論
ひょろひょろとした見た目が特徴のえのきだが、実は低カロリーでありビタミン類・ミネラル類・食物繊維などを多く含んでいる。そのため、ダイエットや糖質制限などを行っている人にもおすすめの食品となっている。クセが少なく食べやすいので、ぜひ普段の食生活にも取り入れてみよう。
【参考文献】
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2:農林水産省「きのこ類、木材需給の動向」
※3:JAグループ「エノキタケ(榎茸)」
※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
※5:e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
※6:国立健康・栄養研究所「γ-アミノ酪酸 、ギャバ」
※7:農林水産省「「何を」「どれだけ」材料と料理区分」
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