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【管理栄養士監修】カシューナッツの栄養価!ビタミンB1などが豊富

【管理栄養士監修】カシューナッツの栄養価!ビタミンB1などが豊富

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年12月 6日

おつまみや中華料理として見かけることが多い「カシューナッツ」。そんなカシューナッツは、実はビタミンB1や鉄分といった栄養素を多く含んでいる。今回は、あまり知られていないカシューナッツの栄養価や栄養素を、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に紹介する(※1)。美味しいだけでなく、栄養面でも魅力たっぷりのカシューナッツについて詳しくなろう。

  

1. カシューナッツとは?

カシューナッツの栄養
カシューナッツとは、リンゴのような甘い香りを放つ「カシューアップル」の先端にできる勾玉(まがたま)のような見た目をした堅果(種子)のこと。現在は、お酒のおつまみや中華料理をなどで目にすることが多いが、原産国は南米ブラジルとされている。また、16世紀にポルトガル人が当時の植民地であるインドで栽培を始めたことをきっかけに、世界中で食べられるようになった(※2)。

2. カシューナッツの基本的な栄養価

カシューナッツの栄養
「日本食品標準成分表」には、「カシューナッツ(フライ/味付け)」という項目名で栄養価が収録されている。そこで、「カシューナッツ(フライ/味付け)」の100gあたりの栄養価を確認しよう。

カシューナッツの100gあたりの栄養価

・エネルギー:591kcal
・たんぱく質:19.8g
・脂質:47.6g
・炭水化物:26.7g
・脂肪酸
 ・飽和脂肪酸:9.97g
 ・一価不飽和脂肪酸:27.74g
 ・多価不飽和脂肪酸:8.08g
・ビタミン
 ・ビタミンA:-μg
 ・ビタミンD:0μg
 ・ビタミンE:0.6mg
 ・ビタミンK:28μg
 ・ビタミンB1:0.54mg
 ・ビタミンB2:0.18mg
 ・ナイアシン:0.9mg
 ・ビタミンB6:0.36mg
 ・ビタミンB12:0μg
 ・葉酸:63μg
 ・パントテン酸:1.32mg
 ・ビオチン:19μg
 ・ビタミンC:0mg
ミネラル
 ・ナトリウム:220mg
 ・カリウム:590mg
 ・カルシウム:38mg
 ・マグネシウム:240mg
 ・リン:490mg
 ・鉄:4.8mg
 ・亜鉛:5.4mg
 ・銅:1.89mg
 ・マンガン:-
 ・ヨウ素:0μg
 ・セレン:27μg
 ・クロム:1μg
 ・モリブデン:30μg
・食物繊維:6.7g
 (・水溶性食物繊維:0.8g)
 (・不溶性食物繊維:5.9g)

3. カシューナッツに含まれる主な栄養素

カシューナッツの栄養
カシューナッツは水分量が非常に少ないため、その小さな実に栄養素がギュッと詰まっている。ここでは、特にカシューナッツに多く含まれている栄養素について紹介しておこう。

その1.たんぱく質

カシューナッツは、たんぱく質を100gあたり19.8g含んでいる。たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、毛髪などを構成するほか、体内のホルモンや酵素、抗体などを正常に保つのに必要な栄養素である。また、たんぱく質も炭水化物と同じように身体を動かすためのエネルギー源となる(※3、※4)。

その2.脂質

カシューナッツは、脂質を100gあたり47.6g含んでいる。脂質は、炭水化物やたんぱく質と同じく身体を動かすためのエネルギー源となる栄養素の一つである(※3、※4)。また、脂質の主成分は脂肪酸であり、中でもカシューナッツはオレイン酸などの「一価不飽和脂肪酸」を多く含んでいる。

【オレイン酸】

カシューナッツは、オレイン酸を100gあたり27000mg含んでいる。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸の一種であり、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを減らす働きがある。一方、HDL(善玉)コレステロールは減らさないため、体内のコレステロール値をよい状態にしてくれる(※4)。

その3.ビタミン類

カシューナッツは、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、パントテン酸など)のビタミン類も多く含んでいる。これらのビタミン類は体内で合成できないため、食品から摂取する必要がある。また、以下では特に多く含んでいるビタミン類を確認しておこう。

【ビタミンB1】

カシューナッツは、ビタミンB1を100gあたり0.54mg含んでいる。ビタミンB1は、体内ではグルコースの代謝などに関与しており、糖質をエネルギーに変える働きをする。要するに、身体をしっかりと動かすには、炭水化物(糖質)に加えてビタミンB1を十分摂っておく必要がある(※3)。

【葉酸】

カシューナッツは、葉酸を100gあたり63μg含んでいる。葉酸はDNA や RNAなどの合成に関わっていて、細胞の増殖とも強い関係がある。また、ビタミンB12と一緒に新しい赤血球を作りだす役割も担っており、このことから「造血のビタミン」と呼ばれることもある(※3)。

【ビタミンK】

カシューナッツは、ビタミンKを100gあたり28μg含んでいる。ビタミンKには止血作用(血液凝固作用)や、骨を作るのに必要な「オステオカルシン」というたんぱく質の活性化をサポートする働きがある。なお、通常の食事をしていればビタミンKが不足することはない(※3)。

その4.ミネラル類?

カシューナッツは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅といったミネラル類も多く含んでいる。ミネラル類はそれぞれ働きが異なるが、いずれも身体の調子を整えるために欠かせない。以下では特にカシューナッツに多く含まれるミネラル類の特徴について紹介する。

【マグネシウム】

カシューナッツはマグネシウム(240mg)やリン(490mg)も多く含んでいる。リンとマグネシウムには、カルシウムと一緒に骨や歯を形成する働きがある。また、リンには生命維持に必要なアデノシン三リン酸を形成する働き、マグネシウムには酵素の働きをサポートする役割などがある(※3)。

【銅】

カシューナッツは、銅を100gあたり1.89mg含んでいる。体内では銅は約10種類の酵素の活性化に関わっており、赤血球の合成などのサポートもしている。ほかにも、エネルギーの産生や鉄の代謝、活性酵素の除去、神経伝達物質の産生などにも関わっている(※3)。

【亜鉛】

カシューナッツは、亜鉛を100gあたり5.4mg含んでいる。亜鉛は骨格筋や骨、皮膚など体内のさまざまな場所に分布していて、主な機能には免疫システムのサポートや細胞内の遺伝物質の合成などがある。なお、亜鉛が生理機能を発揮するためには、たんぱく質と結合する必要がある(※3)。

4. ほかのナッツ類との主な栄養価の比較

カシューナッツの栄養
市販のナッツ類にはカシューナッツのほかにも、アーモンドやクルミ、落花生などさまざまな種類がある。これらのナッツ類に比べると、実はカシューナッツは脂質量が少なく、カロリーは低めとなっている。以下に、主なナッツ類の栄養価を比較できるようまとめておく。

ほかのナッツ類との主な栄養価の一覧

・アーモンド:カロリー626kcal、たんぱく質21.3g、脂質55.7g、炭水化物17.9g
・くるみ(いり):カロリー713kcal、たんぱく質14.6g、脂質68.8g、炭水化物11.7g
・ピスタチオ(いり/味付け):カロリー617kcal、たんぱく質17.4g、脂質56.1g、炭水化物20.9g
・ヘーゼルナッツ(フライ/味付け):カロリー701kcal、たんぱく質13.6g、脂質69.3g、炭水化物13.9g
・マカダミアナッツ(いり/味付け):カロリー751kcal、たんぱく質8.3g、脂質76.7g、炭水化物12.2g
・落花生(いり):カロリー613kcal、たんぱく質25.0g、脂質49.6g、炭水化物21.3g

5. カシューナッツの栄養面に関するよくある質問

カシューナッツの栄養
ここまでカシューナッツの栄養価や栄養素などを詳しく解説してきた。しかし「カシューナッツの糖質量はどれくらいか」「カシューナッツを食べ過ぎるとどうなるのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、カシューナッツの栄養面に関するよくある質問や疑問に回答する。

Q1.カシューナッツの糖質量はどれくらい?

「日本食品標準成分表」には、糖質量は掲載されていない。しかし、カシューナッツの炭水化物量は26.7gであり、食物繊維量が6.9gであるため、糖質量は19.8gとなっている。ほかのナッツ類と比べると、カシューナッツは脂質が少ない代わりに糖質量が多くなっている。そのため、糖質制限などを行っている場合には注意しよう。

Q2.カシューナッツを選ぶポイントとは?

市販されているカシューナッツは、大きく「無塩/有塩」「素焼き/揚げ焼き」に分けられる。料理に使うなら、基本的に塩分やカロリーが控えめな「無塩・素焼き」がおすすめだ。市販品には「無塩・素焼き」が多いが、一部、有塩タイプや揚げ焼きタイプもあるので間違えないようにしよう。

Q3.カシューナッツを食べ過ぎるとどうなる?

脂質が多くカロリーも高いため、カシューナッツを食べ過ぎると肥満に繋がる可能性がある。一般的に「おやつは1日200kcalまでがよい」とされている(※5)。カシューナッツの100g あたりのカロリーは591kcalであるため、多くても30g(20~30粒)程度にしたほうがよい。また、よく噛むことで満腹中枢が刺激されるため、少ない量でもお腹いっぱいになる。

Q4.カシューナッツを食べるときの注意点は?

カシューナッツは「特定原材料に準ずるもの21品目」に含まれており、アレルギーの心配がある食品の一つだ(※8)。特定原材料に準ずるものの特徴は、小麦や卵、牛乳のような「特定原材料」よりもアレルギーの症例数や重篤患者数が少ないということだ。しかし、アレルギーを引き起こす可能性はあるため、一応、頭の片隅に入れておくほうがよいだろう。

結論

おつまみや料理のアクセントとしてお馴染みのカシューナッツは、実はビタミンB1や鉄分などの栄養素を多く含んでいる。また、糖質が多いことも関係して、柔らかいことが特徴だ。風味も優しく野菜類と同じように使うことができるので、料理のレパートリーを増やしたいときに使ってみよう。
【参考文献】
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2:日本ナッツ協会「カシューナッツ」
※3:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
※4:e-ヘルスネット「トップページ」
※5:農林水産省「おやつの意味を知りましょう」
※6:消費者庁「アレルギー表示について」
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  • 公開日:

    2017年6月22日

  • 更新日:

    2021年12月 6日

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