- 1. アニサキスの見つけ方
- 2. アニサキスの駆除方法
- 3. アニサキスの予防方法
- 4. そもそも「アニサキス」とは何か?
- 5. アニサキスを食べたらどうなる?食中毒の主な症状を解説
- 6. アニサキス症による胃痛はどの程度?何時間続く?
- 7. アニサキス症は我慢すれば自然治癒する?
- 低温管理を徹底する
- 内臓をまな板に置かない
- おろし用と刺身用の器具を分ける
- スピーディーに作業する
- 繰り返し目視で確認する
- 激しい胃痛
- 発熱や吐き気、嘔吐
- 下腹部痛
- 下痢
- じんましん、かゆみ
1. アニサキスの見つけ方
さっそく、アニサキスを見つける方法を解説していこう。鮮魚を取り扱う方や専門家でなくとも、見つけることは可能だ。
アニサキスは目視で確認可能
アニサキスは寄生虫の中でも比較的大きく体長が2〜3cmある。つまり目視で確認できるサイズというわけだ。魚を捌いたときなどに、白い糸のようなものを見つけたら注意しよう。
なお渦巻き状に丸まっているときと、ミミズのように糸状になっているときがある。加熱処理などがなされていればよいが、刺身や寿司など生の場合は目で確認するほうがよい。
内臓や腹側の身を重点的にチェック
アニサキスは、魚介類の鮮度が落ちてくると内臓や筋肉など深くに潜り込んでいく特徴がある。したがって、内臓や腹側の身はとくに重点的に探すようにしよう。
まな板は白以外のものがおすすめ
必須ではないが少しでも見つけやすくするため、可能であれば白以外のまな板を使うのもおすすめだ。
2. アニサキスの駆除方法
アニサキスを発見したら取り除けばよいのだが、見つけられなかったときは不安になることもある。そんなときは、次のような方法で駆除しよう。
加熱する
アニサキスは熱に弱い。加熱した料理ならまず問題ないと思ってよいだろう。70℃なら瞬間的に、60℃なら1分程度で死滅する。十分な加熱処理を心がけよう。
冷凍する
アニサキスは低温にも弱く、-20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅するといわれる。ただし一般家庭の冷凍庫は-20℃以下にならないことも多いため注意が必要だ。
薄く切る、細く切る
アニサキスは傷つくとすぐに死滅する。そのため、魚介類を薄く切ることで傷つける確率を高めるのだ。イカそうめんもなるべく細く刻もう。飾り切りも効果的だ。あわせて、食べるときによく噛むことでさらに殺せる可能性を高められる。
3. アニサキスの予防方法
見つけ方や殺し方はわかったものの、そもそも防ぐ方法はないのだろうか?ふだん食べている魚介類にも自然に存在するのがアニサキスだ。食中毒を防ぐためのポイントも覚えておこう。
内臓を取り除く
前述のようにアニサキスは、鮮度が低下するとその魚介類の深くへ侵入していく。魚介類を選ぶ際は鮮度が高いものを選ぶことが大切だ。あわせて、内臓をすぐに取り除くことでアニサキスによる食中毒の発症確率を大幅に下げられる。
生食をひかえる
アニキサスは多くの魚に寄生しているが、とくにサバ、サケ、タラ、ニシン、サンマ、ホッケ、アジなどはその確率が高い。こうした魚介類は生食を控えるのも予防方法のひとつである。
二次汚染対策をする
内臓にいたアニサキスが、おろす際に手や器具を介して刺身に付着することがある。いわゆる二次汚染だ。この対策もきちんとおこなうことが大切である。まず、アニサキスは6℃以下であまり動かなくなる。低温保管を徹底すれば内臓や筋肉への侵入を防げる可能性が高まる。
また、濡れたまな板の上に内臓を置くと短時間で移動し、可食部に寄生する場合がある。内臓は手でえぐり、そのまま廃棄しよう。そのほか、おろし_と刺身_で器具を分けたり、断面や表面を繰り返し目で確認したりすることも大切だ。
4. そもそも「アニサキス」とは何か?
アニサキスについても詳しくなっておこう。基本的なところをまとめたので参考になれば幸いだ。
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種。体長は2〜3cm程度で幅は0.5〜1mm程度である。白色のやや太い糸のような見た目で、渦巻状または動いていることが多い。主に魚介類の内臓や表面に寄生し、鮮度が落ちると内臓から腹部の筋肉へと移動してしまう。
よく目にするのはアニサキスの幼虫
アニサキスの成虫はクジラやイルカなどの胃に寄生している。彼らの排出物にアニサキスの卵が含まれており、その卵を捕食した魚介類に寄生する。ふだん食べる魚介類に寄生しているアニサキスは幼虫で、ヒラメ、サバ、イカ、さんま、アジ、ブリ、タイ、ニシン、サケなどによく見られる。
5. アニサキスを食べたらどうなる?食中毒の主な症状を解説
アニサキスによる食中毒を「アニサキス症」という。具体的にどのような症状が現れるのか、食べてから何時間後に症状が出るのかを知っておくと、医療機関に行くべきか判断がつきやすいはずだ。
アニサキス症の主な症状
胃壁に入り込むと激しい痛みや発熱、吐き気や嘔吐といった症状が現れる。一方、腸壁に入り込んだ場合は下腹部痛や下痢といった症状が現れる。なおアニサキスアレルギーを発症した場合、じんましんやかゆみをともなうこともある。
多くは食べてから8時間以内に発症、ただし数日後に現れることも
多くの場合、食べてから8時間以内に症状が発現する。これは胃壁にアニサキスが入り込んだ場合である。ただし腸壁に入り込んだ場合は、数日後になって症状が出ることもある。なお人によっては、アニサキスが体内に入っても無症状ということがある。
6. アニサキス症による胃痛はどの程度?何時間続く?
アニサキス症で見られる痛みはどれくらい強いのか、どのあたりが痛くなるのかも気になるところだろう。
みぞおちあたりに「のたうち回るほどの激痛」が走る
たとえばアニサキスが胃壁に入り込んだ場合、みぞおちあたりに激痛が走る。ずっと痛むというよりも波がある。「のたうち回るような」と形容される通り、かなりの痛みであることは想像に難くない。我慢できるような痛さでないことは確かだ。
内視鏡で摘出してもらえば痛みはすぐに治まる
内視鏡で摘出してもらえば痛みはすぐに治まる。したがって早めに受診することが何よりも重要だ。ただし腸壁にアニサキスがいる場合は外科的に摘出することになる。この場合は少しの間、痛みに耐える必要がある。
7. アニサキス症は我慢すれば自然治癒する?
アニサキスによる食中毒は、我慢し続ければ自然と治まるものなのだろうか?
自然治癒するが、我慢せずに医療機関を受診すべし
アニサキスは人間の体内には寄生できず、1週間ほどで死滅する。したがって放置していても自然治癒はするはずだ。しかしお伝えしたように、激痛をともなうレベルの痛みである。直接効く駆虫薬もないため、速やかに医療機関を受診していただきたい。
なお治療方法だが、胃にアニサキスがいる場合は内視鏡を使った摘出が一般的だ。腸にいる場合は点滴を使った対症療法となる。
結論
アニサキスは目視で確認できる。だが「見落としていないか不安で食べる気になれない」という方も多いはず。加熱や冷凍、傷をつける、よく噛むといった方法で少しでもリスクを減らすことが大切だ。魚介類を食べてから数時間以内に胃または腸などに激痛を感じたら、アニサキス症かもしれない。我慢せず速やかに医療機関を受診しよう。
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