1. フムスとは?

フムス(ホモス、フンムス)とは、トルコやギリシアなどで食べられている中東料理の一つ。中東では「メゼ」と呼ばれる前菜として知られており、ペースト状にしたひよこ豆にゴマペースト、オリーブオイル、にんにく、レモン汁などを加えて作るのが一般的だ。ほのかな甘みがするクリーミーな味わいが特徴で、とくに食欲のない朝食や時間が取れないランチなどにおすすめの料理だ。
フムスはどうして人気なの?
フムスは、移民の広がりによって世界各地に知られるようになり、欧米のスーパーなどで販売されていったとされている。また、フムスが動物性食品を使っていないことも関係して、近年は健康志向の高いベジタリアンやヴィーガンたちの間で注目されている。日本でも近年注目を集めるようになっており、フムスを扱うカフェやデリなども増えてきているようだ。
2. フムスの栄養面の特徴・魅力

日本でフムスが注目されている理由には、健康によいとされる食品が多く使われていることが関係している。特に、ひよこ豆は高たんぱくの食品として知られている。そこで、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしながら、食材ごとの栄養面の特徴を確認しよう(※1)。
良質なたんぱく質が豊富な「ひよこ豆」
ひよこ豆は、ほかの豆類と同じで、良質なたんぱく質を豊富に含んでいる。例えばゆでたひよこ豆の場合、たんぱく質を100gあたり9.5g含んでいる。たんぱく質は筋肉や臓器、毛髪などを作るのに必要な栄養素であり、成人男性の場合は1日あたり65g程度摂るのが理想である(※2)。ほかにも、葉酸(110μg/100g)や食物繊維(11.6g/100g)なども豊富に含んでいる。
オレイン酸などが多い「オリーブオイル」
オリーブオイルは植物性オイルの中でも、特にオレイン酸を多く含むことで知られている。その含有量は100gあたり73000mg(73g)となっている。オレイン酸には、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らす働きがあると報告されている(※3)。ただし、油であるためカロリーは100gあたり894kcalと高いので注意しよう。
アルギニンやアリシンが多い「ニンニク」
フムスに使われることが多いニンニクは、アミノ酸の一種であるアルギニン(1000mg/100g)、水溶性ビタミンの一種であるビタミンB1(0.19mg/100g)、ニンニク臭のもとであるアリイン(アリシン)を多く含む。特にビタミンB1とアリシンの相性がよく、これら2つは体内で疲れを取る働きをしてくれる。アリシンはニンニクをすりつぶすと効率よく摂ることができる。
3. 自家製フムスの基本的な作り方

フムスは、Amazonや楽天市場などのECモールでも購入できるが、材料さえあれば家でも作ることが可能だ。必要な材料は乾燥ひよこ豆、ゴマペースト、ニンニク、オリーブオイル、レモン汁などとなっている。これらの材料を用意したら、さっそく以下の手順でフムスを作ってみよう。
自家製フムスの作り方・手順
1.ひよこ豆を一晩水に浸して戻しておく
2.戻したひよこ豆を柔らかくなるまでゆでる(ゆで汁はとっておく)
3.フードプロセッサーでにんにくを細かくする
4.(3)にゆで汁50ml、オリーブオイル、ゴマペースト、レモン汁を加える
5.ゆで汁で硬さを調節しながらペースト状にしたら完成
2.戻したひよこ豆を柔らかくなるまでゆでる(ゆで汁はとっておく)
3.フードプロセッサーでにんにくを細かくする
4.(3)にゆで汁50ml、オリーブオイル、ゴマペースト、レモン汁を加える
5.ゆで汁で硬さを調節しながらペースト状にしたら完成
4. フムスのアレンジ・リメイク法5選

フムスはサラダ感覚でそのまま食べても美味しいが、いろいろな食材と一緒に食べるのもおすすめだ。そこで定番のフムスの食べ方やおすすめの食べ方などを5つ紹介する。
その1.フムスのサンドイッチ
ペースト状のフムスとサンドイッチの相性はピッタリだ。お好みのパンにフムスをたっぷりと塗り、野菜やハム、ソテーしたチキンなどをはさむだけのお手軽料理である。中近東でよく食べられているピタパンにフムスと野菜をはさんだピタサンドも人気。家で簡単に本場の味を楽しむことができる。
その2.フムスのディップ
ペースト状のフムスをココットに盛りつけて、スティック野菜やチップス、クラッカーをディップしてもおいしく食べられる。味が薄かったら塩コショウで調節するのがおすすめだ。ワインのおつまみとしてだけでなく、ホームパーティーの前菜などにも向いている。
その3.フムスとチキンソテー
ヘルシーフードとして注目を集めているフムスだが、実は肉類との相性もいい。とくにシキンソテーとの相性はよくて、一緒に盛り付けるだけで贅沢な料理になる。マッシュポテトのような感覚で食べても、ソースのようにしてつけても美味しい。肉料理を作るときには、ぜひ一緒に食べてみよう。
その4.フムスの豆乳スープ
リメイクレシピとしては、フムスでスープを作るのもいいだろう。フムスを使ったスープの作り方はさまざまあるが、おすすめは豆乳で伸ばした豆乳スープである。フムスのとろみと大豆の濃厚な味がマッチする。大量に余ったフムスを活用したい人向けのおすすめリメイク法である。
その5.フムスのドレッシング
フムスをドレッシングにするのもおすすめだ。改めてオリーブオイルとレモン汁、塩などでドレッシングのベースを作り、そこに作っておいたフムスを加えるだけという手軽さ。そのうえ、非常に濃厚で美味しいひよこ豆のドレッシングなのだ。オリジナルのドレッシングを作りたい人にもおすすめだ。
5. フムスに関してのよくある質問

ここまでフムスについて詳しく解説してきた。しかし中には「フムスがいつ頃誕生したのか」や「フムスはどこで買うことができるのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、フムスに関するよくある質問・疑問などに回答する。
Q1.フムスの起源や歴史を教えて!
フムスはアラビア語で「ひよこ豆」を意味し、トルコやギリシア、イスラエル、パレスチナ、レバノンなどの中東の広い地域で食べられている伝統的な家庭料理だ。正確な起源はわかっていないが、その歴史は古く、13世紀の料理本にもフムスのレシピが紹介されている。宗教上の理由から肉類を食べることを禁止されていた中東地域の人にとって、貴重なたんぱく源だったと考えられている。
Q2.フムスはどこで買うことができる?
フムスは、一般的なスーパーや輸入食品販売店などでも販売されている。例えば、イオン系列であれば「トップバリュ フムス(プレーン)」、コストコでは「カークランド オーガニック フムス」などを購入することが可能だ。また、Amazonや楽天市場のようなECモールなどでも販売されている。
結論
ひよこ豆をベースに作る中東料理・フムス。その濃厚な味はサラダや肉料理、魚料理などさまざまな料理とよくマッチする。Amazonや楽天市場などでも購入できるし、食材さえそろえれば家で簡単に作ることも可能だ。料理のレパートリーを増やすためにもぜひチャレンジしてみよう。
(参考文献)
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※3:e-ヘルスネット「トップページ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
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