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赤身魚の定義とは?種類や特徴・白身魚との違いを徹底解説

赤身魚の定義とは?種類や特徴・白身魚との違いを徹底解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年9月 3日

魚には、赤身魚と白身魚がある。味わいにも違いがあり、寿司屋などでも人によって好みが分かれる。赤い身と、白い身、なぜ色がここまで異なるのか。含まれる栄養素など、赤身魚と白身魚の違いを紹介する。

  

1. 赤身魚の定義って知ってる?白身魚との違いとは

魚の分類方法はいろいろあるが、一般的なのは赤身魚と白身魚の分け方だろう。ここでは、赤身魚と白身魚のそれぞれにどのような特徴があるのかについて解説する。

赤身魚とは身が赤い魚のこと

赤身魚はその名の通り、身が赤い魚を指す。つまり、魚の外見ではなく中身で判断しており、切り身を見ると一目瞭然だ。ちなみに、赤身魚でない魚は白身魚と呼ばれ、その名の通り身が白い。中身の色を見れば簡単に分類できるが、水産学ではさらに具体的な定義がなされている。魚に含まれているミオグロビンとヘモグロビンの含有量が魚100gあたり10mg以上であれば赤身魚、10mg未満のものを白身魚としている。

赤身魚の身が赤い理由

赤身と白身の色の違いは、筋肉の色の違いによるもの。人間でも動物でも魚でも、筋肉には遅筋と速筋の2種類が存在している。遅筋は、持久力が高い筋肉で赤色をしている。この赤色は、「ミオグロビン」というたんぱく質や、「ミトコンドリア」という細胞小器官を多く含むためである。私たちの血液中には「ヘモグロビン」という酸素を運搬する働きをもつたんぱく質がある。このヘモグロビンは中心に鉄原子をもっているのだが、酸素と結合すると赤い酸化鉄となる。血液が赤いのはこのためである。ミオグロビンもヘモグロビンと同様、中心に鉄原子をもっており、酸素と結合するため赤く見える。また、ミトコンドリアが赤色に見えるのは、チトクロムという赤い物質をもっているためである。赤身魚は回遊魚で、常に動きつづけているものが多い。捕食されないように寝ている間も泳ぐのをやめないという。持久力が必要なため、酸素を運ぶ働きをする「ヘモグロビン」や「ミオグロビン」を含む遅筋の比率が高いのだ。

白身魚の身が白い理由

ひとつの地域にとどまり、回遊しない魚たち。敵から逃げたり、獲物を捕まえたりする時以外はあまり動かず磯や底でじっとしている種類も多いため、瞬発力のある速筋の比率が高い。

2. 意外と知らない!赤身魚の種類

赤身魚と白身魚の違いが分かったところで、ここでは赤身魚に分類されている魚について紹介する。赤身魚と白身魚のどちらに分類されるかあいまいな魚もいるので、ぜひ参考にしてほしい。

赤身魚の種類一覧

赤身魚に分類される主な魚の名前は以下の通りだ。
  • マグロ
  • カツオ
  • サバ
  • アジ
  • イワシ
  • サンマ
いずれも切り身が赤いため、赤身魚であることは一目瞭然だ。ただし、中には加熱前後で色が変わってしまうものもある。たとえば、アジは焼くと身が白くなるので、白身魚と勘違いしてしまうが赤身魚。焼く前はきちんと赤い。

ツナやハマチも赤身魚の一種

赤身魚の基本的な見分け方は身の色だ。しかし、中には身が白っぽいために白身魚に勘違いされる魚もある。その1つがツナだ。白っぽく見えるツナだが、マグロやカツオの身で作られているため、立派な赤身魚だ。また、ブリやハマチ、カンパチなども身が白っぽく見えるものの、ミオグロビンとヘモグロビンが多く含まれているため赤身魚に分類される。また、赤身魚と混同されやすい表現が青魚だ。青魚は赤身魚に分類されるため、あながち間違いではない。しかし、赤身魚が身の色による分類であるのに対し青魚は背の色、つまり魚の外見によって分類されるので、赤身魚と青魚を混同しないよう注意しよう。

鮭は赤身魚ではなく白身魚

サケは赤いので赤身魚かと思うが白身魚。身を赤くしているのは、アスタキサンチンというカロテノイドの一種で、ミオグロビンとヘモグロビンによるものではない。そのため、鮭は身が赤くても白身魚に分類される。鮭のほかには、タイ、ヒラメ、カレイ、タラ、フグ、スズキなどが白身魚に分類される。

3. 色以外にもある?赤身魚と白身魚の違い

赤身魚と白身魚の違いを決定付けるのは色の違いだが、そのほかにもいろいろな違いがある。ここでは、赤身魚と白身魚のそれぞれの特徴を解説する。

赤身魚と白身魚の味わいの違い

赤身魚の味わいの特徴は身は脂肪が多くて柔らかいということだ。脂肪が多く含まれているため、旨みのある濃厚な味わいを楽しめる。一方、白身魚は身が締まって淡泊な味わいが特徴だ。刺身ではしっかりした歯ごたえも楽しめるが、火を通すと身が柔らかくなり、ふっくらとした食感を楽しめる。

赤身魚と白身魚の栄養の違い

赤身魚で特筆すべきは鉄分の多さだ。赤身魚に多く含まれるヘモグロビンやミオグロビンは、鉄を多く含んでおり、貧血の予防に有効(※1)。また、赤身魚には脂肪が多く含まれているが、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も多く含んでいる。DHAやEPAは血液中のコレステロール値をおさえたり、脳の働きを活性化させたりする働きが報告されており、老化防止にも効果的といわれている(※2)。ただし、脂肪が多く含まれていることには変わりないのでカロリーオーバーにならないよう注意しよう。一方、鉄やDHA、EPAはあまり含まれていないものの高タンパクで低脂肪なのが白身魚の特徴。コラーゲンも多く含んでいるのも嬉しい点だ。消化もいいので、体重管理中の人や、子ども、高齢者の食事にも向いている。

4. 赤身魚は煮付け向き?美味しい調理法とは

脂肪が多く、濃厚な味わいを楽しめる赤身魚。ここでは、赤身魚の味わいを楽しむための調理法を紹介する。

煮付け向きなのは赤身魚ではなく赤魚

赤身魚は煮付けにすると美味しいと聞いたことがないだろうか。実はそれは間違いで、赤身魚の種類によっては身が硬くなってしまうため、おすすめできない。赤身魚が煮付けに向いていると勘違いされる原因になったのは「赤魚」という名前の魚だ。赤魚は皮が赤い、つまり外見が赤い魚を指す。赤魚は皮が赤いものの、身は白いため白身魚に分類される。白身魚は煮るとふっくらとするため、赤魚は煮付けにして食べられることが多い。それが赤身魚と間違えられた結果、赤身魚の煮付けが美味しいと勘違いされるようになった。

赤身魚の美味しい食べ方

新鮮な赤身魚なら刺身にするのがおすすめだ。身がほどよく柔らかく脂が舌の上でとろける。また、洋風アレンジとしてカルパッチョにするのもおすすめだ。濃厚な赤身魚をさっぱりと食べられる。また、焼いたり揚げたりするのも定番だ。サンマやサバは塩焼きにしても美味しい。唐揚げにしたり、素揚げした赤身魚をマリネ液に漬けてマリネにするのもおすすめだ。

5. 赤身魚を離乳食に使えるのはいつから?

赤身魚は離乳食に使うこともできる。赤身魚にはたんぱく質が多く含まれているため、離乳食には取り入れたい食材だ。

いつから離乳食に使える?

赤身魚を離乳食として与え始めるのは9~11か月以降で、白身魚に慣れてきたら赤身魚を取り入れよう。赤身魚には脂質が多く含まれること、加熱すると身が硬くなってしまうことから胃腸の機能が発達していない時期に食べさせると消化不良などを起こす危険がある。9~11か月もあくまで目安なので、子どもの発達具合に合わせて取り入れよう。また、赤身魚はアレルギーを引き起こすこともあるため、食べたあとに様子が変わっていないかもチェックしよう。

赤身魚で離乳食を作るときのポイント

赤身魚に限らず魚を離乳食で使うときは、しっかりと加熱し骨などを取り除くようにしよう。とくに初めて食べさせるときは全体をほぐしてから細かく刻み、トロミなどをつけて食べやすいように工夫する必要がある。赤身魚のパサパサ感が気になるときはスープやうどんに入れて、しっとりとさせると食べやすくなる。メイン料理として使いたいときは、豆腐と混ぜ合わせて魚ハンバーグにしてみよう。

6. 赤身魚を食べる時の注意点

栄養豊富で美味しい赤身魚だが、食べるときに注意しなくてはならないこともある。ここでは、赤身魚を食べるときの注意点を紹介するので、ぜひ頭に入れておいてほしい。

ヒスタミン食中毒

食中毒と聞くと怖い印象をもつが、すべての赤身魚で起こるわけではない。ヒスタミン食中毒はその名の通り、ヒスタミンによりアレルギー症状が引き起こされる食中毒だ(※3)。最初から赤身魚にヒスタミンという物質が含まれているわけでなく、赤身魚に多く含まれるヒスチジンというアミノ酸がヒスタミンに変換されることにより食中毒が引き起こされる。ヒスタミンに変換される条件としては、赤身魚の不適切な管理(常温で放置するなど)が挙げられる。ヒスタミンは加熱しても分解されないため、鮮度が低下した赤身魚は食べないようにしよう。

アニサキスなどの寄生虫

赤身魚だけでなく、魚介類を食べるときに注意したいのがアニサキスなどの寄生虫だ。寄生虫の中には人体に影響を与えないものもあるが、アニサキスは要注意だ。アニサキスは60℃以上で1分加熱する、または-20℃で24時間以上冷凍すれば死滅するため、加熱した赤身魚や市販の冷凍魚であれば問題ない。一方で、生で食べる刺身の場合は酢締めしても死滅しないため、より注意が必要だ。アニサキスは肉眼で見ることができるため、内臓や身をしっかりとチェックすれば見つけることができる。しかし、不安な場合は加熱または冷凍魚を食べるようにしよう(※4)。

結論

(参考文献)
(※1)厚生労働省「e-ヘルスネット 鉄」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
(※2)厚生労働省「e-ヘルスネット 不飽和脂肪酸」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
(※3)厚生労働省「ヒスタミンによる食中毒について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130677.html
(※4)一般社団法人大日本水産会「寄生虫 アニサキス 食中毒を考える」
https://osakana.suisankai.or.jp/health_safe/90
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  • 公開日:

    2017年12月11日

  • 更新日:

    2021年9月 3日

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