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美味しいコーヒーの淹れ方。ドリップケトルやポットがなくても大丈夫

美味しいコーヒーの淹れ方。ドリップケトルやポットがなくても大丈夫

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2021年5月19日

ドリップコーヒーをおいしく入れるポイントの一つである「注湯」。この注湯に必要な道具であるドリップケトルやポットがないとき、なるべく細い線でお湯を注いで、美味しくコーヒーが入れられるような代用品を提案する。

  

1. ドリップコーヒーの基本の淹れ方

① 計量
コーヒー豆は種類によっても密度が違うため、計量の際は重さではかるのが基本。
② コーヒー豆を挽く
ドリップコーヒーには中~粗挽きがおすすめだ。ミルを使用し、飲む直前に挽くのが香りを逃さないポイント。
③ お湯を沸かし、温度を調節する
お湯の量は、抽出の途中で足りなくならないように多めに用意しよう。おいしいコーヒーは85〜90℃あたりとされる。抽出するお湯の温度が高いと苦味が強く出やすいため、沸騰させたお湯をドリップポッドに移すことで適温まで下げることができる。お湯の温度で抽出液の味が変わるため、コーヒー豆によってもおいしいと感じる温度を厳密に調整するとよい。
④ お湯を注いで蒸らす
ドリッパーにフィルターをピタリとセットし、挽いた粉を平らに入れたところに、粉の中心から円を描くように静かにお湯を注ぎ、一度止めて約20~30秒蒸らす。コーヒー豆に含まれていたガスが外に出る影響で粉全体がふくらみ、コーヒー豆とお湯がなじみやすくなる。
⑤ 再びお湯を注ぎ抽出する
蒸らしが終わったら、再び中心から「の」の字を描くように、フィルターと接している粉には直接お湯をかけないようにしながらお湯を注いでいく。注ぐお湯の量とサーバーに落ちるコーヒーの量が同じになるように、ドリッパー内に注いだ湯面の高さを一定に保ちながら注湯する速さを調節する。抽出時間は3分を目安とし、お湯は細く注ぐのがポイント。
⑥ ドリッパーを外しカップに注ぐ
淹れたい量が抽出できたら、ドリッパーを外し、サーバーを軽く回して味を均一にして、温めておいたカップに移す。

2. ドリップコーヒーを入れる主な道具

① コーヒーミル
粉にした時点で一気に劣化が進むため、淹れる直前に挽くのが鉄則だ。
② ドリッパー
陶器やガラス、ステンレスやプラスチックなど素材もさまざま。カリタ、メリタ、ハリオなど、形状や穴の数などにもこだわりがある。抽出時間が長くなるほど苦味や渋みが強くなるため、抽出時間が長くなりやすい穴の数が少ないものは、重厚な味わいになる。逆に穴が多いと、酸味が強く出やすい。
ドリッパー内部には「リブ」と呼ばれる溝が刻まれており、リブの形状も多様だ。リブはペーパーフィルターとドリッパーの壁面の隙間を作り、抽出液を下に流れやすくする働きがある。
③ フィルター
・ペーパーフィルター:家庭でも馴染みのあるペーパーフィルターは、ペーパーの繊維に抽出液中の油分が吸着して雑味が濾過し、すっきりとした仕上がりになるのが特徴。
・金属フィルター:細かなメッシュ加工がほどこされており、コーヒー豆本来の味わいを表現しやすいといわれる。
・ネルフィルター:「フランネル」という布で作られており、目が粗いのでペーパードリップよりもまろやかな舌ざわりとコーヒー豆らしい味わいが楽しめるのが特徴。使用前後の煮沸や、水に浸けて冷蔵庫で保管しなければならないなどの手入れも必要であり、使い込むほどに目が詰まり抽出が遅くなる傾向があるが、この「ネルドリップ」と呼ばれる抽出方法は、コーヒー愛好家の中でも人気が高い。
④ コーヒーポット・ドリップケトル
おいしいコーヒーのポイントに湯量の調節があげられるが、そのためにドリップケトルやコーヒーポットは注ぎ口が細くなっている。やかんで沸騰させたのち、別のポットに移すことで適温にするという役割もある。

3. コーヒーポット・ドリップケトルの代用品

ドリップコーヒーをおいしく入れるのに必要な要素の一つに「注湯」があげられる。
普通は注ぎ口が細くなっているコーヒーポットやドリップケトルを使って注湯するのだが、専用のケトルやポットでなくてもおいしいコーヒーは淹れられるという。コーヒーポット・ドリップケトルの代用品を紹介しよう。
家にあるポットの代用品といえば真っ先に思いつくのが急須だろう。急須は注ぎ口が太く、基本的には陶器でできているため重く、落とす湯量を安定させるのに多少技術がいる。
この急須の注ぎ口に湯の通り道になるようなガイドを付けてやることで、細い湯を注ぎやすくなる。
  • 急須液ダレ防止グッズ
    急須の注ぎ口に取り付けて注湯を調節できるようにする市販品で、コーヒーポット・ドリップケトルの代用品としても広くすすめられている。ステンレス製のものや、チューブ状のものなどがある。針金を折り曲げて手製で作成するツワモノも。
  • 箸・ガラス棒
    急須の注ぎ口に箸やガラス棒をあて、湯を伝わせて注湯量を調節する。理科の実験で薬品をガラス棒に伝わせてビーカーなどに移したり、料理で菜箸に卵液を伝わせてかきたま汁を作る時にも活用する、広口の容器に入った液状のものを少量ずつ移す時に使う方法だ。箸は新しい塗り箸がおすすめ。

結論

ドリップコーヒーをおいしく淹れるには、実に細かな技術が必要であり、非常に奥深い。ドリップコーヒーを試してみたいという、道具を揃える前の段階の人には、ぜひコーヒーポット・ドリップケトルの代用品を使って入門してみてほしい。ドリップコーヒーの魅力を分かった上で自分に合った道具を探すことをおすすめする。
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  • 公開日:

    2018年2月20日

  • 更新日:

    2021年5月19日

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