1. 明石焼きとは?

明石焼きとは、兵庫県明石市発祥の玉子料理のことで、卵や沈粉(じんこ)でできたふわふわの生地にたこが入った料理のこと。あげ板と呼ばれる平たい皿に並べて盛り付けることが特徴で、卵色をした明石焼きを出汁につけて食べるのが一般的だ。現在、明石市内には70軒ほどの明石焼きのお店があり、お店ごとに異なる作り方や味付け、こだわりなどを楽しむことができるという。
明石焼きは玉子焼き?
地元の兵庫県明石市では「玉子焼き」の名前で呼ばれることが多いが、玉子焼きというと全国では厚焼き玉子やだし巻き玉子のほうが有名。そのことから明石市以外では玉子焼きと区別するために「明石焼き」と呼んでいる。そのため、明石地域で呼ぶ「玉子焼き」と「明石焼き」は同じ料理である。
2. たこ焼きとの3つの違い

一見すると明石焼きとたこ焼きは同じような料理に思えるが、実際には具材・作り方・食べ方など異なる点が多い。そこで明石焼きとたこ焼きの主な違いについて確認しておこう。
その1.生地や具材の違い
明石市で「玉子焼き」といわれているとおり、明石焼きのメインはあくまで卵。また、じん粉という小麦粉を精製してできたでんぷん粉を加えるのが特徴で、具材は地元の明石ダコだけを使うのが一般的となっている。一方、たこ焼きは粉物料理であり、生地には小麦粉が多く使われている。具材にはたこのほかにも、こんにゃく・ネギ・紅ショウガ・天かすなどが使われることもある。
その2.作り方や道具の違い
明石焼きとたこ焼きは似たような見た目をしているが、実は作り方や道具も違っている。明石焼きの場合は鉄板よりも効率よく熱を通す銅鍋を使っており、菜箸で生地を数回回転させながら丸い形に仕上げる。一方、たこ焼きの場合は熱の通りが緩やかな鉄板を使うのが基本で、串を使ってクルクルと回転させながら焼きあがる。このように明石焼きとたこ焼きは作り方や道具も異なるのだ。
その3.食べ方や盛り付けの違い
明石焼きとたこ焼きは食べ方や盛り付け方も異なる。明石焼きは平たいあげ板に乗せて提供されるのが一般的で、だし汁にひたして食べるのが基本となっている。一方、たこ焼きは舟皿と呼ばれる船の形をした器に乗せて提供されることが多く、ソースやマヨネーズ、青のり、かつお節などをかけて食べることが多い。また、ソースのバリエーションも多く、お店によって違った味付けを楽しめる。
3. 明石焼きの基本的な作り方

明石焼きは、家庭用のたこ焼きメーカーでも作ることが可能だ。明石焼きに必要な材料はたこ・卵・小麦粉・水・和風だしの素などで、つけ汁に必要な材料は醤油・水・和風だしの素・三つ葉などとなっている。これらを用意したら、さっそく以下の手順で明石焼きやつけ汁を作ってみよう。
明石焼きの作り方・手順
※たこは1cm大に切り分けておく
1.ボウルに卵を入れてよく混ぜておく
2.(1)に水を加えてさらによく混ぜる
3.(2)に小麦粉・だしの素を入れて混ぜる
4.たこ焼きメーカーを熱して油を塗っておく
5.生地を注いでからそれぞれにたこを入れる
6.生地が膨らんできたら裏返して表面も焼く
7.表面に焼き色が付いたら火から下ろして完成
1.ボウルに卵を入れてよく混ぜておく
2.(1)に水を加えてさらによく混ぜる
3.(2)に小麦粉・だしの素を入れて混ぜる
4.たこ焼きメーカーを熱して油を塗っておく
5.生地を注いでからそれぞれにたこを入れる
6.生地が膨らんできたら裏返して表面も焼く
7.表面に焼き色が付いたら火から下ろして完成
明石焼きのつけ汁の作り方・手順
1.耐熱容器に醤油・水・だしの素を入れる
2.(1)を電子レンジで1分ほど加熱する
3.(2)に切った三つ葉を入れたら完成
2.(1)を電子レンジで1分ほど加熱する
3.(2)に切った三つ葉を入れたら完成
4. 明石焼きに関するよくある質問

ここまで、明石焼きについて詳しく解説してきた。しかしまだ「明石焼きがいつ頃誕生したのか」や「明石焼きとたこ焼きはどうして似ているのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、明石焼きに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.明石焼きはいつ頃誕生したのか?
明石焼きは、一般的には大正8年に屋台販売で始まったとされている。しかし、諸説あって「本当の発祥は江戸時代末期」といわれることもある。当時、明石では人工サンゴを作るのに大量の卵白を使用しており、余った卵黄で料理を作ったのが始まりだそうだ。また、その頃からふわふわの生地に名産のたこを入れていたという。
Q2.明石焼きとたこ焼きの関係とは?
たこ焼きの誕生は昭和11年頃の大阪といわれている。もともと大阪では「ラジオ焼き」や「ちょぼ焼き」という、水で溶いた小麦粉を型に流して焼いた子ども向けの粉物料理が売られていたこうした中で、とある屋台の店主が客から「明石焼きのように具材にたこを入れてみてはどうか」というヒントを得たそうだ。これにより具材にたこを使った粉物料理の「たこ焼き」が誕生したのだ。
結論
明石焼きとたこ焼きは、具材・作り方・食べ方まで全く異なる料理となっている。明石焼きは本場明石市では玉子焼きと呼ばれており、ふわふわの卵をだしにひたしながら食べる料理である。たこ焼きとも、普通の玉子焼きとも違うふわふわの明石焼きをぜひ楽しんでみよう。
(参考文献)
- ※:明石観光協会「明石焼(玉子焼)の達人」
https://www.yokoso-akashi.jp/akashi/akashi-yaki.html - ※:明石市「あかしの名物 玉子焼(ものしりコーナー)」
https://www.city.akashi.lg.jp/shise/koho/kids/tamago.html - ※:国立国会図書館「大阪名物「たこ焼き」の発祥について知りたい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000153805
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