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明石焼きとは何?たこ焼きとの違いは地域だけではないって本当?

明石焼きとは何?たこ焼きとの違いは地域だけではないって本当?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2020年10月20日

たこ焼きは全国的に有名な食べ物だが、明石焼きとなると関西以外ではあまり馴染みがないかもしれない。何となく「たこ焼きに似ている食べ物」程度の認識はあるかもしれないが、実は明石焼きはたこ焼きとは全く異なる郷土料理である。そこで今回は明石焼きとはどのような料理なのかについて、その基本や魅力をたこ焼きと比較しながら紹介しよう。

  

1. 明石焼きとは

明石焼き(明石焼)は、卵や沈粉(じんこ)でできたふわふわの丸い生地の中にタコが入った軽食である。あげ板と呼ばれる平たいお皿の上に並べて盛り付けることが特徴で、卵色をした明石焼きをお出汁につけて食べると、卵の優しい味とタコのコリコリ感が口いっぱいに膨らむおいしい料理だ。

地元の兵庫県明石市などでは「玉子焼き」の名前で呼ばれることが多いが、玉子焼きというと全国では「厚焼き玉子」や「だし巻き玉子」のほうが有名。そのことから明石市以外では玉子焼きと区別するために「明石焼き」と呼んでいる。明石地域で呼ぶ「玉子焼き」と「明石焼き」は同じものなのだ。

現在、明石市内には約70店舗ほどの明石焼きのお店があるそうだ。お店ごとに作り方や味付け、こだわりなどは異なるのだが、「玉子焼き」であることは変わらない。

2. 実は明石焼きの方が先輩

ルーツは諸説あるものの、明石焼きは兵庫県明石市で生まれた郷土料理といわれている。一方、たこ焼きは明石焼きを参考に大阪で生まれた食べ物だ。まずはそれぞれの誕生の違いを確認していこう。

元々の名前は「玉子焼き」

明石では現在も「玉子焼き」と呼ばれているのだが、明石市を全国へPRするために「明石焼き」の名前を使うようになった。そこから今日まで明石市でいう玉子焼きは、全国では一般的な玉子焼き(厚焼き玉子・だし巻き玉子)と区別するために「明石焼き」と呼ばれるようになっている。

明石焼きのルーツは「大正8年に屋台販売で始まった」とされているが、本当の発祥は江戸時代末期といわれている。当時、明石では人工サンゴを作るのに大量の卵白を使用しており、余った卵黄で料理を作ったのが始まりだそうだ。ふわふわの生地に名産のタコを入れるのも、その頃からだという。

たこ焼きはスジ焼きだった

たこ焼きの誕生は昭和11年頃といわれている。もともと大阪では「ラジオ焼き」や「ちょぼ焼き」という、水で溶いた小麦粉を型に流して焼いた子ども向けの粉物料理が売られていた。主な具材はこんにゃく、ネギ、天かす、紅ショウガであり、醤油をかけて食べるのが一般的だったといわれている。

そのような中で、牛肉を入れた「ラジオ焼き」を販売する屋台が誕生する。その屋台は大人にも人気があり、ある日お客の一人から「明石焼きのように具材にタコを入れる」というヒントを得たそうだ。そのことが粉物料理の具材にタコを使うという「たこ焼き」の誕生のきっかけとなっている。

3. 明石焼きは素材や具が特徴的!

明石焼きとタコ焼きのことを何も知らなければ「形や具が違うくらいでしょ?」と思ってしまうかもしれない。実は根本的に全く別ものの食べ物である。素材や具材などの違いを確認してみよう。

ベースは「玉子焼き」か「粉物」か!

明石焼きはまさに「玉子焼き」。メインはあくまで卵黄である。小麦粉はつなぎに少量加えるのみで、「じん粉」という小麦粉を精製してできたでんぷん粉を加えるのが特徴だ。じん粉は熱を加えても硬くならないので、ふわふわの仕上がりになる。盛り付けると自重で楕円形につぶれるほど柔らかい。

それに対し、たこ焼きは大阪らしい「粉物料理」である。小麦粉主体で作られており、しっかりした硬さを持つ球体状に焼きあげることが特徴だ。明石焼きより小麦粉の分量ははるかに多い。舟皿に盛り付けても形が崩れることはなく、外はカリッと中はトロトロしているものもある。

具材は「タコのみ」か「タコ以外も入る」か!

明石焼きは基本的に具材が「タコのみ」である。シンプルに地元産の明石ダコを使っており、卵や沈粉などをベースにした生地を除けば、ほかの具材は一切使われていない。

一方、たこ焼きはメインとなるタコのほか、こんにゃくやネギ、紅ショウガ、天かすなどが入ることが多い。もちろん中には具材がタコのみのたこ焼きもあるが、基本はタコ以外の食材も使われている。

4. 明石焼きは銅鍋で作る

明石焼きとたこ焼きは似たような見た目をしているが、実は作り方や道具にも異なる点がある。明石焼きのおいしさの秘密は、道具にあるといわれている。それぞれの作り方のポイントも確認しよう。

銅鍋を使い箸で回転させながら作る明石焼き

明石焼きは、銅鍋を使って焼き上げるのが特徴だ。鉄板に比べると銅鍋のほうがよく熱を通すため、明石焼きの独特なふんわり感を作り出すには欠かせないそうだ。また、明石焼きの場合は玉子焼きを作る要領で、菜箸で数回回転させながら丸みのある形に整えていく。ふっくらと焼き上げて完成だ。

鉄板を使いくしで何度もクルクルさせて作るたこ焼き

タコ焼きは、丸く窪みのできた鉄板を使って焼き上げる。鉄板は熱が伝わりづらいため、通常15~20分程度かけて焼き上げる必要がある。クシを使いクルクルと回転させながら焼くのが特徴で、窪みの形に合わせたきれいな球体に仕上げていく。最後に形を整えたら完成となる。なお、中には油で早く焼き上げる「揚げたこ焼き」もあるが、大きなくくりでいうと同じたこ焼きであるといえる。

5. 明石焼きの食べ方にも違いがある

明石焼きの大きな特徴は、だし汁に玉子焼きをひたして食べることだろう。一方、たこ焼きはご存じのとおり、ソースやマヨネーズをかけて食べる。食べ方まで全く異なるのでそれぞれ確認しよう。

だし汁につけて食べる明石焼き

明石焼きは「あげ板」と呼ばれる木の板に乗せて提供される。生地がプルプルなので焼き型をひっくり返してそのままあげ板に盛り付けるのだ。また、明石焼きの場合は、一緒にだし汁も出される。

明石焼きの食べ方の基本は、あげ板に盛り付けてある平らになった明石焼きを箸でそっと摘み上げ、かつおや昆布のだし汁につけて冷ましながら食べるというものだ。だし汁につける理由は、焼きたてのものは熱すぎるからだ。十分に冷ました状態であれば、だし汁につけなくてもおいしく食べられる。

ソースをかけて食べるたこ焼き

たこ焼きは「舟皿」と呼ばれる船の形をしたお皿に乗せて提供されることが多い。ソースのほか、魚粉や青のり、マヨネーズ、鰹節などをかけて食べる。ソースにはバリエーションが多く、お店によってさまざまなアレンジがされている。だし汁にひたすなどはせず、口がヤケドしそうなほどアツアツの状態のたこ焼きを頬張りながら食べるのが一般的だ。

結論

明石焼きとタコ焼きは、誕生から具材、作り方、食べ方まで全て異なる。明石焼きはフワフワに焼き上げるため熱伝導がよい銅板の焼き型を使用し、木製の菜箸で数回程度ひっくり返して焼いていく。また、食べるときには冷ますためにだし汁にひたすのが一般的となっている。東京などでは本場の味は中々食べれないが、機会があればぜひ明石焼きも食べてみるといいだろう。
(参考文献)
一般社団法人明石観光協会「明石焼の達人」
https://www.yokoso-akashi.jp/akashi/akashi-yaki.html
明石市「連載 明石のたからもの-10 明石焼(玉子焼)」
https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/seisaku_shitsu/20140401_takaramono_10.html
明石市「あかしの名物 玉子焼(ものしりコーナー)」
https://www.city.akashi.lg.jp/shise/koho/kids/tamago.html
国立国会図書館「大阪名物「たこ焼き」の発祥について知りたい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000153805
  • 公開日:

    2018年4月 6日

  • 更新日:

    2020年10月20日

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