目次
- 1. モロヘイヤの毒はどこに含まれている?毒性は強い?弱い?
- 2. 家庭菜園でモロヘイヤを栽培するときの注意点
- 3. スーパーで買ったモロヘイヤなら安全?
- 4. 新鮮なモロヘイヤの見分け方とは?
- 5. モロヘイヤの下処理のやり方
- 6. モロヘイヤの美味しい食べ方4選
- 7. モロヘイヤの毒には注意したいが正しい知識があれば怖くない
- モロヘイヤを軽く流水ですすいでおく
- 鍋にたっぷりの水と塩(2%程度)を入れて火にかける
- お湯が沸いたら一気にモロヘイヤを入れる
- 15〜20秒ほど湯をくぐらせたらザルに上げる
- 冷水にひたして熱の入り過ぎをおさえる
- ※1:家庭菜園でモロヘイヤを栽培していますが、モロヘイヤの種に毒があると知りました。詳しい内容を教えてください。:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2004/01.html - ※2:モロヘイヤの種には毒があるって知っていましたか?:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syoku_anzen/anzen/r0212/moroheiya.html
1. モロヘイヤの毒はどこに含まれている?毒性は強い?弱い?

モロヘイヤといえば、その高い栄養価から注目を集めている野菜である。だが昔から「種子が危険」といわれており、近年の研究でさらに「茎にも毒性がある」ことが分かった。農林水産省の情報をもとに、モロヘイヤの毒性について解説しよう。(※1)
モロヘイヤに含まれる毒とは?
モロヘイヤには「ストロファンチジン」と呼ばれる毒が含まれている。ストロファンチジンは強心配糖体(強心作用=心筋の収縮力を高める働き)がある成分だ。毒性ということからもわかるように、人体に有害である。
どのような中毒症状が現れるのか?
たとえば家庭菜園などで栽培し、劣化したモロヘイヤの枝葉や種を少量でも口にしてしまうと、めまいや動悸、吐き気といった中毒症状を起こす。場合によっては心不全(心臓が止まること)を引き起こすこともあるため細心の注意と正しい知識を身につけることが大切だ。
毒があるのはモロヘイヤのどこの部位?
モロヘイヤの毒は「成熟した種子」にもっとも多く含まれているといわれている。そのほか「成熟途中の種子」「成熟した種子の莢(サヤ)」「成熟した枝葉」「発芽後したばかりの若菜」にも含まれている。
2. 家庭菜園でモロヘイヤを栽培するときの注意点

上述のようにモロヘイヤには毒が含まれている。家庭菜園でモロヘイヤを栽培する場合、どのようなところに気をつければよいのだろうか?
収穫時期や収穫後の管理が重要
収穫期の葉や茎などは基本的に安全だが、収穫時期が遅れた葉や茎には毒が含まれているおそれがある。家庭菜園で栽培する際は、花が咲いたあとは収穫しないなど「収穫時期」に十分注意するとともに、すでに収穫した若葉や茎にも、種子あるいは莢(サヤ)が混ざらないようきちんと管理することが大切だ。
3. スーパーで買ったモロヘイヤなら安全?

一方、スーパーで手に入るモロヘイヤは安全なのだろうか?
スーパーで手に入るモロヘイヤは食べても問題ない
「収穫期のモロヘイヤ」の葉、茎、根および蕾(つぼみ)、また「発生期のモロヘイヤ」の葉、茎、根蕾には毒が含まれていない。スーパーや八百屋などで手に入る、野菜としてのモロヘイヤであれば、毒による健康被害はまず起こらないと考えられている。(※2)
ただし市販のモロヘイヤの「種」には強心配糖体が含まれている。大人はわかっていても、うっかり子どもやペットなどが誤って口にしないよう慎重に管理することが肝心だ。
4. 新鮮なモロヘイヤの見分け方とは?

店頭に並んでいるモロヘイヤは安全だとお伝えしたが、実際にそれを「食べるとき」は、新鮮かどうか確認すべきだろう。見分け方のポイントをお伝えしておく。
新鮮なモロヘイヤの特徴と見分け方
新鮮なモロヘイヤは、葉が葉先までピンと張っており鮮やかな緑色をしている。茎は柔らかく手で折ることが可能だ。一方で鮮度が落ちた葉や茎は変色したりしなびたりしている。鮮度が落ちたモロヘイヤは絶対に食べないようにしよう。
5. モロヘイヤの下処理のやり方

モロヘイヤは生でも食べられるが、えぐみが強く独特の粘り気が弱い。えぐみを取り除き粘り気を引き出すためには軽く加熱したほうがよいのだが、モロヘイヤは火が通りやすいので時間がポイントとなる。下処理のやり方を以下にまとめておくので参考にしてほしい。
モロヘイヤの下処理のやり方・手順
ポイントは時間をしっかり計算して手早くおこなうことだ。茹ですぎると食感が悪くなるので、時間を意識しながらスピーディに下処理を済ませよう。
【塩を入れる理由は?】
塩を入れる理由は、クロロフィル(葉緑素)という色素が安定し、モロヘイヤの鮮やかな色味を維持できるからである。
6. モロヘイヤの美味しい食べ方4選

下茹でしたモロヘイヤはそのまま食べても美味しいが、独特の粘り気を生かすため刻むのもおすすめだ。食べ方をいくつか紹介しておこう。
モロヘイヤのおひたし
下茹でしたモロヘイヤを、だし醤油に浸けて食べるのがおひたしである。モロヘイヤ特有のぬめりと醤油が絡み合い、ご飯がすすむ美味しさだ。とくに旬の夏の時期には、冷蔵庫で冷やしたモロヘイヤのおひたしを食べると食欲が増してくる。
モロヘイヤのてんぷら
モロヘイヤはてんぷらにも適した食材だ。てんぷらにする場合は下茹でする必要がなく、軽くゆすいだモロヘイヤに衣をつけてカラッと揚げるだけでよい。岩塩や天つゆにつけて食べるのがおすすめだ。サクサク感ともちもち感を楽しめるだろう。
モロヘイヤの納豆和え
ネバネバ食材同士の和え物もおすすめだ。納豆と軽く刻んだモロヘイヤを混ぜ合わせることで、ネバネバ感たっぷりの美味しいおかずが完成する。お酒のおつまみにも合うのでぜひ試してみてほしい。
モロヘイヤの味噌汁
味噌汁に葉物野菜として加えても美味しいのがモロヘイヤである。お湯を沸かした鍋に味噌を溶かし、切ったモロヘイヤを入れるだけでよい。夏バテ気味のときにぜひ食べたい料理のひとつだ。
7. モロヘイヤの毒には注意したいが正しい知識があれば怖くない

お伝えしてきたように、モロヘイヤには毒がある。だがスーパーなどで手に入る野菜としての、食べごろのモロヘイヤであれば心配することはない。正しい知識を身につけ、モロヘイヤの豊富な栄養をいただこう。
結論
ネバネバ感が特徴のモロヘイヤは、さまざまな料理に活用できる。鮮度が落ちた葉や茎、種子の毒性については注意すべきだが、基本的にスーパーや八百屋などで販売されている新鮮なものであれば心配する必要はない。ぜひこれを機にモロヘイヤを使った料理を食べてみよう。
(参考文献)
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