1. モロヘイヤを冷蔵保存する方法

さっそく、モロヘイヤの正しい保存方法について見ていこう。
冷蔵保存する方法
茎つきの場合は、茎にキッチンペーパーを湿らせたものを巻きつけて乾燥を防ぐ。そのうえで、新聞紙で包み、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存しよう。このとき、可能であれば立てた状態で保存するとよい。
保存の目安は1〜2日
冷蔵庫に入れたからといって安心はできない。鮮度は刻一刻と失われるため1〜2日のうちに使い切るようにしよう。購入するときも、このことを頭に入れて量を調節しよう。
常温保存はおすすめしない
モロヘイヤは葉物野菜の中でもとくに日持ちしない。温度の変化や湿度にも弱いため、常温保存は避けたほうがよいだろう。どうしても、という場合は通気性のあるザルなどに入れ、新聞紙や布巾などをかぶせたうえで風通しのよい冷暗所に置いておこう。ただし劣化が早いため、当日や翌日などできるだけ早く消費することだ。
2. モロヘイヤを冷凍保存する方法

モロヘイヤが大量に手に入った、思いのほか余らせてしまった、というときは冷凍保存がおすすめだ。もちろん冷凍すれば使い勝手は悪くなるが、そのまま保存するよりは鮮度をキープできるはずだ。なお、モロヘイヤの冷凍保存には大きく「生のまま」と「下茹でしてから」がある。
生のまま冷凍保存する方法
まずはモロヘイヤを水洗いし水分をよく拭き取る。次に葉と茎を分けてジッパー付きのフリーザーバッグに入れる。あとはそのまま冷凍庫で保存すればOKだ。1週間ほどを目安に使い切ろう。なおアクが残っているため、調理に使う際は軽く湯がくとよい。ただしこれは「下茹でする時間はないが、冷蔵保存よりは長持ちさせたい」という場合の奥の手だと思ってほしい。できれば下茹でしてから冷凍保存する方法がおすすめだ。
下茹でしてから冷凍保存する方法
モロヘイヤを葉と茎を分け、茎は食べやすい長さ(半分など)にカットする。次に、鍋にたっぷりの水と1〜2%程度の塩を加えて火にかける。沸騰したら葉は20秒、茎は50秒程度を目安に湯通しし、すぐにお湯を切って氷水に浸してしめる。手で絞るように水気を切ったら、1回分ずつ小分けにするなどしてジッパー付きのフリーザーバッグに入れる。空気をしっかり抜いて口を閉じたら、冷凍庫へ入れよう。ただし、冷凍といっても劣化は進む。長くても1カ月以内には使い切るようにしよう。
3. モロヘイヤの基礎知識

ところで、モロヘイヤとはどんな野菜なのだろうか?基礎知識や栄養など、せっかくなのでこのい機会に身につけておこう。
モロヘイヤの旬と産地
モロヘイヤは高温な環境で生育する。このことからも分かるように旬は夏だ。日本で出荷量が多いのは群馬県や岐阜県、東京都など、海外では、アフリカ東北部〜中東などで栽培されている。
日持ちしないため保存方法が重要
お伝えしたように、葉物野菜の中でもモロヘイヤはとくに日持ちしない野菜だ。買ってきたときの鮮度にもよるが、時間が経つほど豊富な栄養素が徐々に抜けてしまう。そのため、購入後はなるべく早く使い切ることが望ましい。保存する際も、適切な方法・環境に置いておくことが重要だ。
新鮮なモロヘイヤの選び方
葉先が茶色などに変色していないもの、葉がしなびておらずハリがあるもの、また濃い緑色をしているものを選ぼう。葉がしなびたものや、茎の切り口が茶色いものなどは鮮度が落ちているため避けたほうがよい。
モロヘイヤには「毒」があるってホント?
モロヘイヤは栽培しやすく家庭菜園でも人気の野菜だ。だがスーパーで販売されているモロヘイヤには毒性はないが、家庭菜園で育てたものは注意が必要である。種子や茎などに毒が含まれている場合があるためだ。毒の有無や喫食の可否などは素人では判断できない。そのため、取り扱いにはとくに気をつけてほしい。
4. モロヘイヤの栄養と効能

モロヘイヤは栄養豊富な葉物野菜として有名だが、具体的にどのような栄養素がどれほど含まれているのだろうか?文部科学省「食品成分データベース」(※1)より、主な栄養を紹介しよう。
モロヘイヤ(生)100gあたりの主な栄養一覧
- エネルギー:38kcal
- たんぱく質:4.8g
- 脂質:0.5g
- 炭水化物:6.3g
- ミネラル
└カリウム:530mg
└カルシウム:260mg
└マグネシウム:46mg
└リン:110mg
└鉄:1.0mg - ビタミンA(βカロテン):10000μg
- ビタミンE(トコフェロールα):6.5mg
- ビタミンK:640μg
- ビタミンB群
└B1:0.18mg
└B2:0.42mg
└ナイアシン:1.1mg
└B6:0.35mg
└葉酸:250μg
└パントテン酸:1.83mg
└ビオチン:13.6μg - ビタミンC:65mg
- 食物繊維
└水溶性:1.3g
└不溶性:4.6g
モロヘイヤの栄養で目立つのはβカロテンだ。同量の生のほうれん草と比べても2倍以上含まれている(※2)。そのほか、カリウムやカルシウムなどのミネラル(※3)、葉酸やパントテン酸、ビオチンなどのビタミンB群を始めとした、各ビタミン類も豊富に含まれていることが分かる(※4)。
βカロテン
強い抗酸化作用を持つカロテンのひとつで、ヒトの体内でビタミンAに変わるのがβカロテンだ。活性酸素の働きを抑えたり、活性酸素を取り除いたりすることから、動脈硬化や老化、がんの予防などの効果が期待されている(※5)。
食物繊維
日本人に不足しがちな食物繊維も、モロヘイヤなら効率よく摂取できる。食物繊維には便秘の改善や整腸作用のほか、血糖値の急上昇を抑えたり、糖やナトリウムを吸着して排出したりする作用もある(※6・※7)。
5. モロヘイヤを使ったおすすめレシピ

モロヘイヤはいろいろな料理に使えるが、とくに簡単で栄養もしっかりいただけるおすすめレシピを最後に紹介しよう。
お浸し
よく洗って下茹でしたモロヘイヤをザク切りにしたら、あとは鰹節をまぶして醤油をかけるだけで簡単に作れる。つまみにも箸休めにもピッタリな1品だ。
サラダ
同じようにザク切りしたモロヘイヤに、串切りにしたトマトやツナ缶を和えて、和風または中華風のドレッシングをかけていただこう。
そば
下茹でして水気を切ったモロヘイヤと、皮を剥いた長芋をそれぞれ細かく刻む。そばを茹でて水を切り、モロヘイヤと長芋、そして納豆を盛り付ける。最後にめんつゆを添えて完成だ。
結論
モロヘイヤは栄養価が高く下ごしらえもさほど手間がかからないため、あと1品ほしいというときにもたいへん重宝する野菜だ。ただしお伝えしたように日持ちしない。本稿で紹介した冷蔵や冷凍保存の方法を覚えておき、モロヘイヤが余ったときなどに役立ててほしい。
(参考文献)
- 1:文部科学省 食品成分データベース「野菜類_モロヘイヤ_茎葉、生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06293_7 - 2:文部科学省 食品成分データベース「野菜類_ほうれんそう_葉、通年平均、生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06267_7 - 3:厚生労働省「ミネラル _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html - 4:厚生労働省「ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html - 5:厚生労働省「カロテノイド _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html - 6:厚生労働省「食物繊維 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html - 7:厚生労働省「食物繊維の必要性と健康 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
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