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【管理栄養士監修】わかめの栄養や効能を紹介!髪にいいって本当?

【管理栄養士監修】わかめの栄養や効能を紹介!髪にいいって本当?

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年9月 1日

わかめは髪によく、身体にもよい食材というイメージが強いが、具体的にどのような栄養素が含まれているか知らない人も多いのではないだろうか。そこで本記事では、わかめの効能を含め、栄養成分について詳しく紹介していく。

  

1. わかめの種類

わかめの歴史は古く、飛鳥時代に制定された「大宝律令」では、わかめは租税の対象とされていた。奈良時代の末期に作られたという「万葉集」でも歌に詠まれている。平安時代中期に編纂された「延喜式」にも、大量のわかめが全国各地から集められたことが記されているように、日本人が古くから食用としてきた海藻なのである。
現在は一般的な食材として普及しているが、神事に用いられることも多い。伊勢神宮や春日大社などでは、わかめが祭礼の供え物として定められている。山口県下関市の住吉神社、福岡県北九州市の和布刈(めかり)神社などでの「和布刈神事」も名高い。
わかめ(チガイソ科ワカメ属)は、1年藻で長さ2~3mにもなる。地方によって呼び名はさまざまで、品種も複数ある。葉の形や長さ、茎の長さ、品質などがそれぞれ異なるわかめの種類について、詳しく見ていこう。

南部わかめ(北方型)

主に東北地方、北海道沿岸に分布している。茎が長く、葉は切れ込みが深く、胞子葉も大きいのが特徴だ。養殖に適しているため、ほかの地域でも生産されるようになった。

わかめ(南方型)

房総半島以南に分布している。茎が短く葉の切れ込みは浅い。長さは南部わかめと鳴門わかめの中間くらいである。

鳴門わかめ(鳴門型)

徳島の鳴門海峡産のわかめで、茎が短いのが特徴だ。天然ものは減少傾向にあるため、現在は希少種となっている。

乾燥わかめ

生わかめを真水で洗い、天日で干した「素干し」が一般的だ。潮の香りが強く、風味がよい。また、山陰地方の特産品である「板わかめ(めのは)」は、すのこやすだれの上に平たく並べ薄板状に乾燥させるのが特徴だ。鳴門地方の特産品である「灰干しわかめ」は、良質の草木灰をまぶしてから天日乾燥させる。灰中のアルカリ成分により、緑色の色素が保たれ、弾力のある歯ごたえがキープできるというメリットがある。

塩蔵わかめ

湯通しして冷却したのち塩漬けにしたわかめのことで、「湯通し塩蔵わかめ」とも呼ばれる。一旦湯通しすることで鮮やかな緑色になり、香味もよい。

茎わかめ

わかめの中央の芯の部分や茎の部分をカットし加工したもので、シャキシャキとした歯ごたえが持ち味だ。ボイルして味付けしたり、塩蔵して乾燥させたりして販売される。

めかぶわかめ

わかめの根元にできるヒダ状態の胞子葉のことだ。刻むと粘りが出てとろろ状になるのが特徴である。

2. わかめの栄養

わかめにはさまざまな種類があるが、それぞれどのような栄養を含んでいるのだろうか。代表的な3種類のわかめの栄養成分について、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で公表されているデータをもとに見ていこう。

生わかめの栄養

100gあたりの生わかめには、たんぱく質1.9g、脂質0.2g、炭水化物5.6gが含まれる。炭水化物のうち、3.6gを食物繊維が占めている。また、水分が89gと多く、24kcalと低カロリーなのも特徴だ。
主要な栄養素の含有量はわずかだが、灰分(ミネラル)が3.3gと多い。乾燥わかめや塩蔵わかめと比較しても最も多く含まれている。とくに、ナトリウム(610mg)、カリウム(730mg)、カルシウム(100mg)、マグネシウム(110mg)が多く、ヨウ素(1600μg)も含まれている(※1)。

乾燥わかめの栄養

100gあたりの乾燥わかめ(水戻し)には、たんぱく質2.0g、脂質0.3g、炭水化物5.9gが含まれ、生わかめと主要な栄養素はほぼ同じである。しかし食物繊維が5.8gと多く、炭水化物のほとんどを占めるのが特徴だ。水分は90.2g、カロリーは22kcalである。
灰分(ミネラル)に関しては、1.6gと生わかめより少ない。内訳としては、ナトリウム(290mg)、カリウム(260mg)は比較的少ないが、カルシウム(130mg)、マグネシウム(130mg)、ヨウ素(1900μg)に関しては乾燥わかめのほうが多く含まれている(※2)。

塩蔵わかめの栄養

100gあたりの塩蔵わかめ(塩抜き)に含まれる主要な栄養素は、たんぱく質1.5g、脂質0.3g、炭水化物3.4gである。炭水化物がやや少ないが、食物繊維は3.2g含まれ、生わかめとあまり変わらない。水分は93.3gを占め、わずか13kcalと最も低カロリーだ。
灰分(ミネラル)は1.4gと乾燥わかめと同じくらいだが、ナトリウムが530mgと多く、カリウム(10mg)、カルシウム(50mg)、マグネシウム(16mg)、ヨウ素(810μg)は3種類のなかで圧倒的に少ない(※3)。
これは、湯通し塩蔵という加工方法によるものと考えられる。

3. わかめの効能

わかめには、ミネラル類や食物繊維が豊富に含まれているが、それぞれどのような効能があるのだろうか。わかめに多く含まれる代表的なミネラルと食物繊維の働きについて、解説していく。

ヨウ素

海水中のミネラルを吸収しながら育つわかめには、ヨウ素が豊富に含まれている。ヨウ素は身体のなかに取り込まれると、甲状腺ホルモンの構成成分として使用される。たんぱく質の合成、細胞の活動、神経細胞の発達など、身体の発育に必要不可欠な働きをする栄養素である(※4)。

カリウム

カリウムの主な働きは、細胞の浸透圧の調整を行うことだ。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出しながらバランスを調整している。そのため、塩分の過剰摂取による生活習慣病の予防も期待でき、ナトリウムと組み合わせて摂取したい栄養素だといえる(※5)。

カルシウム

私たちの骨や歯などを形成するのに欠かせないのがカルシウムだ。カルシウムには出血を止める役割もあり、神経や筋肉の活動にも役立っている(※6)。

マグネシウム

マグネシウムも、カルシウムと同様に骨や歯を形成するために必要な栄養素のひとつだ。骨はカルシウムだけでなく、マグネシウムやリンなどの働きにより形成されている。また、マグネシウムは神経の興奮を抑制する役割、エネルギーを作り出すための補助的役割、血圧を正常に維持する働きも担っている(※7)。

水溶性食物繊維

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられるが、わかめに含まれる食物繊維は水溶性食物繊維である。水溶性食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする働き、コレステロールを吸着し体外に排出する働き、体内のビフィズス菌を増やし腸内環境を改善する整腸効果などがある。わかめは、便秘改善にも役立つ食品といえるだろう(※8)。

■アルギン酸

わかめのヌルヌルとした食感は、アルギン酸という食物繊維によるものだ。アルギン酸には、血中の余分なナトリウムを排出する働きがある。そのため、高血圧の予防などに役立つ。また、腸内の消化酵素の働きを活発にし消化を促進させる働きや、有害物質を排泄しやすくする作用などがある(※9)。

■フコイダン

フコイダンも、わかめがヌルヌルするもととなる食物繊維だ。海藻の表面を覆い、守る役割をもつ。人体に関しては、細菌やウイルスから身を守るために欠かせない、免疫力を高める働きをするといわれている(※9)。

4. わかめは食べ過ぎても大丈夫?

わかめはカロリーや糖質、脂質が少ない食材(※1、2、3)のため、食べ過ぎても大丈夫と思われがちだ。しかし、わかめに含まれる栄養素のなかには、摂り過ぎると健康を害するリスクをもつものもあるため、注意が必要である。

ヨウ素の過剰摂取

わかめや昆布(出汁を含む)などの海藻類の多い和食を日常的に食べる日本人は、ヨウ素の摂取量も自然と多くなる。ヨウ素の過剰摂取が続くと、甲状腺にヨウ素が運ばれにくくなる「脱出現象」が起こる。慢性的にこの脱出現象が続くと、甲状腺ホルモンの合成量が減少し、結果的に甲状腺の機能が低下する。軽度では倦怠感などの症状が出るが、重度になると甲状腺腫の発生を招く。そのため、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人の一日の推奨量を130μg、耐容上限量を3000μgと定めている。(※4)
生わかめを一日に200g食べれば、3200μgのヨウ素を摂取し(※1)、耐容上限量を超えてしまう。ほかの食品からも摂取することを考えると、食べ過ぎには気を付けたい食材だ。

ナトリウムにも注意

また、わかめにはナトリウムも多く含まれる(※1、2、3)。ナトリウムの排出を促すカリウム(※5)を同時摂取できるとはいえ、生活習慣病のリスクがあるナトリウムの過剰摂取には注意が必要である(※10)。とくに塩蔵わかめはしっかりと塩抜きをしてから使用することが大切だ。また、茎わかめなど味付きのわかめには調味料が含まれているため、成分表示をチェックしながら適量を食べよう。

5. わかめは髪にいいって本当?

わかめを食べると髪がキレイになる、あるいは髪が増えるなどといったことを聞いたことがないだろうか。わかめが毛髪の発育によいといわれるのは、ミネラルが豊富に含まれているから。また、わかめ自体が黒髪のようなイメージをもつからなどの説が有力だ。しかし、栄養面で見ると、わかめを食べることで毛髪が育つという論拠は弱い。

毛髪の発育にはたんぱく質が不可欠

わかめにはミネラルが多く含まれるが、主要な栄養素であるたんぱく質は100gあたり1.5~2.0g(※1、2、3)と微量である。毛髪を含め生物の身体を作り出す主な栄養素はたんぱく質だ(※10)。そのため、わかめだけを積極的に食べても毛髪の発育には結びつかない。
たんぱく質を豊富に含む食品を加え、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切なのである。

結論

わかめには、ヨウ素、カリウム、カルシウム、ナトリウムなどのミネラル類が多く含まれている。また、便秘の予防をはじめさまざまな効能のある食物繊維も含まれている。そのため、日々の健康のため食生活にわかめを取り入れるとよいだろう。ただし、わかめだけでは不足する栄養素も多く、過剰摂取によるリスクもある。ほかの食品と組み合わせることで、栄養バランスを整えることを心がけたい。
(参考文献)

※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」藻類/わかめ/原藻/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=9_09039_7
※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」藻類/わかめ/乾燥わかめ/素干し/水戻し
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=9_09041_7
※3出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」藻類/わかめ/湯通し塩蔵わかめ/塩抜き/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=9_09045_7
※4出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(2)微量ミネラル⑤ヨウ素(I)p335、p370
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※5出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(1)多量ミネラル②カリウム(K)p273
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※6出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(1)多量ミネラル③カルシウム(Ca)p278
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※7出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(1)多量ミネラル④マグネシウム(Mg)p285
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※8出典:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※9出典:水産庁「水産白書」参考図表:6-3 水産物に含まれる主な機能性成分
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/sankou_6_3.html
※10出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(1)多量ミネラル①ナトリウム(Na)p266
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※11出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1‐2 たんぱく質 p106
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
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  • 公開日:

    2018年8月18日

  • 更新日:

    2021年9月 1日

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