目次
1. チェリモヤとは?

チェリモヤとは、南アメリカ原産のバンレイシ科の植物であり、その果実は「世界三大美果」の一つとして知られている。大きさは直径10 cm~15cmほどで、重さは300~600g程度。外見はハート形(心臓形)で、ウロコ模様の外皮が特徴だ。また、真っ白な果肉はねっとりとした舌触りと甘酸っぱい味わいが特徴。そのことから「森のアイスクリーム」「カスタードアップル」とも呼ばれている。
チェリモヤの旬や産地
チェリモヤは南国フルーツ・トロピカルフルーツの一種ではあるが、実は寒冷と暑熱の両方に弱いという特徴がある。そのため、和歌山県などで栽培されている国産チェリモヤは9月頃~翌年1月頃に出回る。また、チェリモヤは海外からも多く輸入されており、夏から秋にかけてはチリ産、冬から春にかけてはカリフォルニア産が流通している。このことから日本では通年チェリモヤが入手できる。
2. チェリモヤの気になる特徴や魅力

チェリモヤは「世界三大美果」の一つとされているが、パイナップルなどに比べると日本ではそこまで知名度は高くない。そこでチェリモヤの特徴や魅力についても詳しく確認しておこう。
特徴1.甘くてクリーミー
完熟したチェリモヤは、甘みとクリーミーな食感を楽しむことができる。その味わいは人によって異なるが、バナナ味、パパイヤ味、パイナップル味などさまざまなフルーツで例えられている。また、果肉は滑らかで、カスタードのようなクリーミーさがある。チェリモヤは「森のアイスクリーム」と例えられることが多いが、実際裏ごしして冷凍すれば本物のアイスクリームのような食感になる。
特徴2.ビタミンB群が豊富
チェリモヤは美味しいだけでなく、ビタミン類やミネラル類も含んでいる(※1)。特に葉酸やビタミンB6などのビタミンB群が豊富だ。ビタミン類の働きはそれぞれ異なるが、葉酸の場合は細胞の合成に関与したり、ビタミンB6の場合は補酵素としたアミノ酸の代謝に関与したりしている(※2)。チェリモヤはこのようなビタミン類やミネラル類などの栄養素も補えるフルーツとなっている。
3. チェリモヤの基本的な栄養価

前述のとおり、チェリモヤには葉酸やビタミンB6などのビタミンB群が豊富だ。また、炭水化物や食物繊維なども多く含んでいる。そんな生チェリモヤ100gあたりの栄養価を、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしながら確認してみよう(※1)。
チェリモヤ(生)100gあたりの栄養価
・エネルギー:82kcal
・たんぱく質:1.3g
・脂質:0.3g
・炭水化物:19.8g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.10g
・一価不飽和脂肪酸:0.02g
・多価不飽和脂肪酸:0.08g
・ビタミン
・βカロテン:3μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.2mg
・ビタミンK:-
・ビタミンB1:0.09mg
・ビタミンB2:0.09mg
・ナイアシン:0.7mg
・ビタミンB6:0.23mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:90μg
・パントテン酸:0.36mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:34mg
・ミネラル
・ナトリウム:8mg
・カリウム:230mg
・カルシウム:9mg
・マグネシウム:12mg
・リン:20mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.08mg
・マンガン:0.07mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:-
・食物繊維:2.2g
(・水溶性食物繊維:0.8g)
(・不溶性食物繊維:1.4g)
・たんぱく質:1.3g
・脂質:0.3g
・炭水化物:19.8g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.10g
・一価不飽和脂肪酸:0.02g
・多価不飽和脂肪酸:0.08g
・ビタミン
・βカロテン:3μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.2mg
・ビタミンK:-
・ビタミンB1:0.09mg
・ビタミンB2:0.09mg
・ナイアシン:0.7mg
・ビタミンB6:0.23mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:90μg
・パントテン酸:0.36mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:34mg
・ミネラル
・ナトリウム:8mg
・カリウム:230mg
・カルシウム:9mg
・マグネシウム:12mg
・リン:20mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.08mg
・マンガン:0.07mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:-
・食物繊維:2.2g
(・水溶性食物繊維:0.8g)
(・不溶性食物繊維:1.4g)
4. 美味しいチェリモヤの選び方

チェリモヤは流通量こそあまり多くないが、スーパーや青果店などで見かけることがある。もし自分でチェリモヤを選べるなら、「皮」「形」「色味」などを参考に選ぶようにしよう。また、チェリモヤは一般的に未熟の状態で売られているため、すぐに食べたいなら熟したものを選ぼう。
新鮮なチェリモヤの見極め方
・皮:硬めのもの
・形:ふっくらとしているもの
・色味:鮮やかな薄緑色のもの
・香り:あまり香りがしないもの
・形:ふっくらとしているもの
・色味:鮮やかな薄緑色のもの
・香り:あまり香りがしないもの
食べ頃のチェリモヤの見極め方
・皮:柔らかくて弾力があるもの
・形:ふっくらとしているもの
・色味:茶色や黒色のシミがあるもの
・香り:優しい甘い香りがあるもの
・形:ふっくらとしているもの
・色味:茶色や黒色のシミがあるもの
・香り:優しい甘い香りがあるもの
5. チェリモヤの基本的な食べ方

追熟して食べ頃になったチェリモヤは、そのまま生で食べるのがおすすめ。また、アイスクリームやヨーグルトなどに混ぜても美味しく食べられる。ここでは最も基本である「生で食べる方法」について解説する。特別な道具などは必要ないので、以下の手順を参考にチェリモヤを食べてみよう。
チェリモヤの食べ方・手順
1.チェリモヤをナイフで半分にカットする
2.必要に応じてもう半分カットする(1/4サイズ)
3.皮をお皿にしてスプーンですくいながら食べる
※黒い種は取り除きながら食べる
2.必要に応じてもう半分カットする(1/4サイズ)
3.皮をお皿にしてスプーンですくいながら食べる
※黒い種は取り除きながら食べる
6. チェリモヤの正しい保存方法

チェリモヤの保存方法は「未熟なもの」と「熟したもの」で異なる。ここでは、そんなチェリモヤの状態別の正しい保存方法を確認しておこう。
未熟なチェリモヤの保存方法
前述のとおり、チェリモヤは追熟が必要なフルーツだ。皮が薄緑色の未熟なチェリモヤを購入した場合は、新聞紙や紙袋などに入れてから常温(20~25℃)に置いて追熟させよう。状態にもよるがおよそ1週間程度置いておけば、皮は茶色くなり実は柔らかくなって美味しく食べられる。
熟したチェリモヤの保存方法
熟したチェリモヤは急速に鮮度が落ちるため、できるだけ早く食べるのがポイント。すぐに食べられない場合は冷蔵庫の野菜室に入れて熟すのを遅らせるようにしよう。ただし、冷蔵保存をしても2~3日しか日持ちしないため、なるべく早くに食べるようにしよう。
7. チェリモヤに関するよくある質問

ここまで、チェリモヤについて詳しく解説してきた。しかしまだ「チェリモヤの由来や歴史はどうなっているか」や「チェリモヤはどこで入手できるのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、チェリモヤに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.チェリモヤの由来や歴史を教えて!
チェリモヤ(Cherimoya)の語源はケチュア語の「チリムヤ(Chirimuya)」であり、直訳すると「冷たい種」という意味になる。元々はペルーやエクアドルといったアンデス山脈高原地帯に生息していた植物であるが、18世紀に入ってからヨーロッパに、19世紀に入ってからアメリカに導入されたそうだ。さらに日本には1980年代に導入されて、現在は和歌山県などで栽培されている。
Q2.チェリモヤはどこで入手できる?
チェリモヤは一般的なスーパーなどではあまり見かけないため、楽天市場やYahoo!ショッピングのようなECモールや、果物農家が運営しているオンラインショップなどを利用するのがおすすめだ。また、ふるさと納税の返礼品としてチェリモヤを用意している自治体もある。主に国産品であり流通時期が限られているため、旬の時期である9月頃~翌年1月頃に探してみるとよいだろう。
結論
世界三大美果の一つであるチェリモヤは、クリーミーな食感と甘酸っぱい味わいが特徴の南国フルーツである。和歌山県などで栽培されている国産チェリモヤは毎年9月以降に出回るので、ネット通販などで探してみるのもおすすめ。また、チリ産やカリフォルニア産のチェリモヤは1年中食べることが可能だ。ぜひ機会があれば甘みとクリーミーさが楽しめるチェリモヤを食べてみよう。
(参考文献)
- ※:公益財団法人中央果実協会「チェリモヤ」
https://www.japanfruit.jp/Portals/0/images/fruit/endemic/pdf/cherimoya.pdf - ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
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