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【麩】の栄養と保存方法。植物性たんぱく質を取りたい人におすすめ!

【麩】の栄養と保存方法。植物性たんぱく質を取りたい人におすすめ!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

鉛筆アイコン 2021年5月21日

日本料理や精進料理の揚げ物、煮物などに使われる「麸」。大豆や豆腐以外に植物性タンパク質を豊富に摂れる食品としても注目されている。麸の栄養や保存方法、使い方について伝授する。

  

1. 麸とは

●麸とは
麸の原料はグルテンというタンパク質で、パンや麺類を作る時にも使われる。グルテンは小麦粉に水を混ぜて練ることで作られるのだが、寝かせた後に水で洗ってでんぷんを洗い流し、加工して作る。そして、グルテンに強力粉を混ぜて形作り、焼き上げ、乾燥という工程を経て作られるのが「焼き麩」である。

グルテンにもち粉を加えて混ぜ、蒸すあるいはゆでるといった加工を施したものが生麸になる。植物性タンパク質が豊富で、精進料理には欠かせない食品だ。

●麸の歴史
麸は室町時代に中国から僧侶が伝えた食品で、当時は石臼で小麦を挽いてひき割り小麦にして、水の中ででんぷんを洗い流し、グルテンを取り出して麸を作っていた。グルテンは粘りやコシが強く、また、当時は小麦のことを「麺」と言っていたので、麺は「麺筋(めんちん)」と呼ばれた。

また、小麦自体の栽培が現代のように大量にはされていなかったので、非常に貴重な食品で、貴族や僧侶たちが食べるもので、特別な日にだけ供されるものであったという。やがて、懐石料理や法要の席で出される料理にも麸が使われるようになり、庶民の口にも入るようになった。いまは、和食だけでなく、ピザなど洋食としても楽しまれている。

2. 麸の栄養と効果、保存法

●栄養
麸は小麦粉に含まれるタンパク質の一種であるが、植物性タンパク質だけでなく、ナトリウム、カルシウム、鉄、亜鉛など、ミネラルが非常に豊富である。低カロリー、高タンパクであり、保水性が高いため満腹感も得やすく、ダイエット食品としても注目を集めている。

●保存法
麸には乾燥したものを焼いた「焼き麸」と生のままの「生麩」がある。焼き麩は乾燥しているので、保存性が高く常温での長期保存も可能だ。非常食としてストックしておくのもおすすめ。ただし、焼き麩は湿気には弱いので、高温多湿のところを避けて冷暗所で保管しよう。

一方、生麩は生物なので、消費期限までに食べる時は冷蔵庫で保管する。また、ラップでぴったりくるんで、フリーザーバッグなどに入れて冷凍することもできる。あらかじめ調理するサイズに切っておくと、解凍した時に使いやすい。冷凍した生麩は1年くらい日持ちする。解凍する時は、冷蔵庫に移して自然解凍し、解凍した生麩は早めに食べきる。

3. 麸の使い方

●焼き麩の基本の使い方
生麩はそのまま調理できるが、焼き麩は芯の部分まで柔らかくなるようにたっぷりの水で戻す。その後、水気をしっかり絞り、すぐに使わない分は冷蔵庫で保管する。仕上げに包丁で適当な大きさに切って調理する。

●煮る
焼き麩も生麩も煮て使える。味噌汁や吸い物に入れる時は、最低でも5分は煮て食べる。汁の中に入れてもすぐには食べられない。肉や根菜と煮る時も、仕上げに麸を加えるのではなく、20~30分他の具材と一緒に煮込み、味をよく染み込ませるように調理する。

●炒める
麸は野菜炒めの材料として使うことができるが、最後に加えるのではなく、肉やにんじんなど火が通りにくい野菜の次に入れて炒める。その後、キャベツやもやしなど比較的火が通りやすい食材を加えて炒める。

●揚げる
から揚げにする時は、下味をつけてから全体に片栗粉をからめて揚げる。また、卵をつけて160℃の油で揚げてからおでんの具にしてもよい。

結論

煮物や揚げ物など幅広い用途に使える「麸」。千利休は生麩を焼いた「ふのやき」というお菓子を茶会で使ったという。栄養価も高いので、料理やスイーツなど好みの方法で調理して楽しみたい。

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  • 公開日:

    2018年12月 3日

  • 更新日:

    2021年5月21日

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