目次
1. スターフルーツとは?

スターフルーツ(ゴレンシ/五斂子)とは、カタバミ科ゴレンシ属の常緑高木であり、花は観賞用として、果実は食用として使われている。果実は長さ10cm程度で、断面はキレイな星形であるのが特徴。また、みずみずしくて甘酸っぱい味わいが特徴となっている。流通しているものの多くは海外産ではあるが、沖縄県でも栽培されている。
スターフルーツの旬と流通時期
スターフルーツには国産物と輸入物があり、国産物は10~3月頃に多く流通している。沖縄県ではマンゴーの収穫が終わった時期からスターフルーツの収穫が始まることが多い。また、スターフルーツは1シーズンに2~3回程度の収穫ができる。そのため、流通時期が前半と後半に分かれている場合もある。なお、輸入物はドライフルーツとして加工されたものが多く流通している。
スターフルーツの産地
スターフルーツの原産地は南アジアとされているが、現在は南アジアをはじめ、東南アジア(マレーシア・タイ・フィリピンなど)や中国南部、ブラジル、フロリダ、ハワイ、トリニダード・トバゴなどでも栽培されている。また、日本では主に沖縄県で栽培されており、農林水産省の「特産果樹生産動態等調査」によれば2017年の収穫量・出荷量は26トンとなっている(※1)。
2. スターフルーツの特徴や魅力

スターフルーツの一番の特徴は「星形の見た目」ではあるが、そのほかにも「ほのかな酸味と甘み」や「梨のような食感」といった魅力もある。ここではそんなスターフルーツの特徴や魅力を3つに分けて確認してみよう。
その1.星形の可愛らしい見た目
スターフルーツは長さ5~15cm前後、幅4~10cm前後の大きさで、横から見ると五稜形の見た目をしている。そのため、スターフルーツを輪切りにすると、その名前のとおり断面が「星型」になる。薄黄色からオレンジ色の星形はフォトジェニック(写真映えする)であり、料理やデザートの飾りとしても大活躍する。ぜひ食べる際には輪切りにして、その見た目も楽しむようにしよう。
その2.ほのかな酸味と甘い味わい
完熟したスターフルーツでは、ほのかな甘みと爽やかな香りを楽しむことができる。ただしスターフルーツには甘味種と酸味種の2種類があり、甘みがあるのは「甘味種」と呼ばれるほうだ。また、甘味種でも未熟だとやや酸味が強いので、甘いものが食べたいなら完熟させるのがおすすめだ。沖縄県で作られている「美ら星(ちゅらぼし)」などは糖度が10度程度あり甘いことで知られている。
その3.サクサクとした梨のような食感
スターフルーツは、水分を多く含んでいるためジューシーな食感が楽しめる。また、歯ごたえは「サクサク」「シャキシャキ」としており、梨やリンゴのような食感が特徴となっている。甘さにしつこくさがないため、サラダなどのアクセントに加えても美味しく食べられる。
3. スターフルーツの基本的な栄養価

スターフルーツの多くは水分でできており、特別目立った栄養素は見当たらない。しかし、少量ではあるがビタミン類やミネラル類などをバランスよく含んでいる。そんなスターフルーツの栄養価を、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしながら確認しよう(※2)。
スターフルーツ100gあたりの栄養価
- エネルギー:30kcal
- たんぱく質:0.7g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:7.5g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.01g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.06g - ビタミン
・βカロテン:64μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.2mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.02mg
・ナイアシン:0.3mg
・ビタミンB6:0.02mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:11μg
・パントテン酸:0.38mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:12mg - ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:140mg
・カルシウム:5mg
・マグネシウム:9mg
・リン:10mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.2mg
・銅:0.02mg
・マンガン:0.1mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:- - 食物繊維:1.8g
(・水溶性食物繊維:0.4g)
(・不溶性食物繊維:1.4g)
4. 美味しいスターフルーツの選び方

市販のスターフルーツ(甘味種)には「未熟なもの」や「完熟したもの」などがある。すぐに美味しいスターフルーツを食べたいなら、以下に紹介しているポイントを参考にしながら選ぶようにしよう。
美味しいスターフルーツを選ぶポイント
- 外皮:ツヤ感やハリ感があるもの
- 色味:濃い黄色やオレンジ色のもの
- 重さ:持ったときに重量感があるもの
【避けたほうがいいスターフルーツ】
緑色のスターフルーツは、完熟していない可能性が高く、食べると酸味があったり、青臭さを感じたりすることもある。追熟させれば黄色くなるが、すぐに食べたいならすでに黄色~オレンジ色に色付いているものを選ぶようにしよう。なお、表面にシワが寄っているものは熟しすぎていたり、斑点があるものは傷んでいたりする可能性があるため、できれば避けるようにしよう。
5. スターフルーツの基本的な切り方

スターフルーツは、一般的に「輪切り」にして食べることが多い。また、皮のまま食べることは可能だが、角は硬くて口当たりがよくないためそぎ落としておくのがおすすめだ。そこで以下のような手順でスターフルーツの皮を剥き、食べやすいように輪切りにしよう。
スターフルーツを切り分ける手順
- スターフルーツの角をナイフやピーラーでそぎ落とす
- スターフルーツを横向きに置いて両端を切り落とす
- スターフルーツを端から5mm~1cm程度にスライスする
6. スターフルーツの美味しい食べ方

市販のスターフルーツには「甘味種」と「酸味種」の2種類がある。一般的には甘味種が多く出回っているが、中には酸っぱい味わいの酸味種もあるようだ。熟した甘味種はそのままでも美味しく食べられるが、酸味種は調理して食べるのがおすすめだ。それぞれの美味しい食べ方を確認しておこう。
甘味種のスターフルーツの食べ方
沖縄県で栽培されている「美ら星」などの甘味種は、熟しているならそのまま食べるのがおすすめである。ほのかな甘みと爽やかな酸味、シャリシャリとした食感を楽しむことができる。また、スターフルーツの甘みを活かして、ジャム・ジュース・ケーキの具材などに使っても美味しく楽しめる。
酸味種のスターフルーツの食べ方
緑色の見た目が特徴の「酸味種」は、レモンのような爽やかな酸味を楽しむことができる。そんな酸味種は、サラダやピクルスなどにするのがおすすめ。また、輪切りにしたスターフルーツを水に入れて「スターフルーツ水」を作っても美味しい。なお、酸味と青臭さがある未熟な甘味種を、サラダ・ピクルス・コンフィ(砂糖漬け)などにしてもよい。
7. スターフルーツの正しい保存方法

スターフルーツは「未熟なもの」と「熟したもの」で保存方法が異なる。保存方法を間違えてしまうと味や食感が悪くなる可能性もあるので注意が必要だ。それぞれの正しいやり方を確認しておこう。
未熟なスターフルーツの保存方法
果皮が緑色っぽい未熟なスターフルーツは、常温(20℃前後)で保管して追熟させよう。そのままの状態にしておけば果皮が黄色になり、果肉がやわらかくなり始める。また、もう少し置いておくと頂点が茶色みがかり、果皮の黄色が濃くなる。このタイミングが食べ頃なので美味しく食べるよう。
熟したスターフルーツの保存方法
果皮が黄色の熟したスターフルーツは、冷蔵庫の野菜室で保存しよう。常温で保存し続けると過熟状態になってしまうので注意が必要だ。また、丸のまま保存するときは、乾燥を防ぐために1つずつラップなどで包むとよい。なお、熟したスターフルーツは鮮度が落ちる前に早めに食べ切ろう。
8. スターフルーツの主な購入場所

生のスターフルーツはあまり流通していないため、一般的なスーパーでは見かけることが少ない。しかし、デパートや百貨店などに入っているフルーツ専門店には売られていることもある。また、オンラインショップやECモールなどでの取り扱いは多い。近くにフルーツ専門店がない場合は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで探してみよう。
結論
星形の可愛らしい見た目が特徴の「スターフルーツ」は、完熟したものをそのまま食べても美味しいし、未熟のものをサラダやピクルスなどに使っても美味しく食べられる。国産物スターフルーツは10~3月頃に多く流通しているので、気になるならオンラインショップなどで探してみよう。
【参考文献】
- ※:農林水産省「スターフルーツについておしえてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0305/05.html - ※1:農林水産省「特産果樹生産動態等調査」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokusan_kazyu/index.html - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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