1. 料理レシピに登場する「ピューレ」とはどんな意味?

ピューレと聞いてどのようなものをイメージするだろうか。ここでは、ピューレとはどのようなものか、さらにペーストやジャムとの違いについて解説する。
ピューレとはすりつぶした食材のこと
ピューレとは、原材料をすりつぶして滑らかにした食材のことだ。野菜や果物だけではなく、肉や魚など食品のほとんどをピューレにすることができる。ピューレに使う食材は生の状態でも加熱した状態でもどちらでもよく、半液体状になっているのが特徴だ。ちなみに、ピューレという言葉はフランス語から誕生したが、英語でも同様の言葉が使われる。「じゃがいものピューレ」など料理の名前に使われるほか、食材を滑らかに仕上げる際の工程を「ピューレ状にする」と表現することもある。
ピューレとペーストの違い
似た状態で「ペースト」があるが、違いは水分量の多さだ。ピューレもペーストも食材を半液体状にする点は同じだが、ペーストの場合は煮詰めるなどの調理法によって水分量が少ないのが特徴だ。そのため、ピューレのほうがペーストよりも水分を含んでいてみずみずしい。ちなみに、ペーストのほうが水分が少ないため、ピューレと同量のペーストを作ろうと思うとより多くの食材が必要となる。トマトで考えると分かりやすい。たとえば、トマト3個でピューレを作ったとする。もし、ピューレと同量のペーストを作りたいならトマトを6個使わなくてはならない。ペーストのほうが使う食材量が多いため、濃縮度が高く濃厚な味わいを楽しめる。水分を多く含んでいて料理に混ぜて使うのがピューレ、水分量が少なく濃厚で、パンやクラッカーなどにつけて食べるのがペーストといっていいだろう。
ピューレとジャムの違い
ピューレと似たものにジャムがある。ピューレとジャムの最大の違いはトロミの付け方だ。ピューレは食材によるトロミだが、ジャムの場合は果物に含まれるペクチンという成分を利用している。ジャムの調理過程でペクチンが食材に作用し、ゼリー状に固まる。そのため、果物がジャムの材料になりやすい。
2. トマトや人参のピューレの作り方

ピューレはスーパーでも売っているが、家でも簡単に作ることができる。ここでは、代表的な作り方を紹介する。
ミキサーやブレンダーでピューレ状にする方法
ピューレを作る際にもっとも大変な作業が食材を潰して滑らかにすることだ。イチゴなど柔らかい食材であれば問題ないが、肉や野菜など食材によってはしっかり加熱して柔らかくしても滑らかにするのは大変だ。そんなときに活用したいのがミキサーやブレンダーといった調理家電だ。ピューレにしたい食材と水分を入れてスイッチを押すだけで、簡単にピューレを作ることができる。ミキサーやブレンダーを使えば、裏ごしをしなくても滑らかな食感になるため、時間短縮にも繋がる。
裏ごししてピューレ状にする方法
裏ごし器を使ってピューレを作ることもできる。平らな作業台にぬらした布巾を敷き、その上に受け皿と裏ごし器を置く。裏ごし器の上にピューレにしたい食材を置いたらヘラを用いて網目を通すようにしてこしていく。定期的に裏ごし器の裏側についたこされた食材を受け皿へ落としながら、できる限りすべてこしていく。こせるだけこしたら裏ごしは完了だ。
裏ごし器を使う場合、こしにくい食材(加熱しても硬い食材)はピューレにすることができない。じゃがいもやかぼちゃなど、加熱したら柔らかくなる食材であれば裏ごし器でピューレにすることもできるが、その際は硬くなる前、つまり加熱直後に裏ごししなくてはならない。完璧に滑らかな食感を求めたい場合や、ポタージュなどの水気の多いものの裏ごしはなるべく、目の細かい本格的な裏ごし器で行ったほうがよいが、ちょっとした裏ごし程度であればボウルとザルでも十分に代用可能だ。
裏ごし器を使う場合、こしにくい食材(加熱しても硬い食材)はピューレにすることができない。じゃがいもやかぼちゃなど、加熱したら柔らかくなる食材であれば裏ごし器でピューレにすることもできるが、その際は硬くなる前、つまり加熱直後に裏ごししなくてはならない。完璧に滑らかな食感を求めたい場合や、ポタージュなどの水気の多いものの裏ごしはなるべく、目の細かい本格的な裏ごし器で行ったほうがよいが、ちょっとした裏ごし程度であればボウルとザルでも十分に代用可能だ。
3. ピューレのいろいろな使い方

ピューレは活用範囲が広く、作っておくと重宝する。ここでは、実際にピューレがどんなふうに使えるかを紹介する。
ピューレを離乳食に使う
ピューレは離乳食には欠かせない。滑らかな食感にしたピューレは離乳食初期から食べることができるうえ、スープの味付けなどにも使うことができる。ただし、市販されているピューレを使うときは注意が必要だ。ピューレに塩分が多く含まれている可能性があるからだ。薄めて使う、または無添加のピューレを購入するなど工夫して活用しよう。購入または手作りのピューレは一度に使い切ることができない。そんなときに小分け冷凍ができるのも嬉しい点だ。1食ずつに分けて冷凍しておけば、時間がないときにもサッと解凍して使うことができる。たとえば、トマトピューレがあれば煮込み料理はもちろん、粥に入れて味付けをアレンジすることもできる。
ピューレを料理に使う
ピューレは料理に使うこともできる。小松菜など葉物野菜のピューレを使ってソースを作れば、キレイな青色がアクセントになる。また、トマトピューレをカレーやパスタソースの仕上げに入れれば、簡単に酸味とコクをプラスできる。ピューレにして料理に入れてしまえば存在感が薄まるため、野菜嫌いの子どもに野菜を食べさせたいときにもおすすめだ。
ピューレをお菓子やケーキに使う
ピューレはお菓子作りでも活躍する。たとえば、イチゴピューレと牛乳、ココナッツミルクを混ぜ合わせて作ったイチゴミルクは簡単ながらも、かわいらしい見た目と優しい甘みが堪らない。少し手を加えてムースを作るのもおすすめだ。ピューレにゼラチンと生クリームを加えて混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やせば完成だ。難易度は少し高くなるが、ラズベリーチョコムースケーキといったケーキもピューレを使って作れる。クッキーを砕いて作った土台にラズベリーピューレを使って作ったラズベリームースをのせる。ラズベリームースが固まったら、チョコレートをかけて全体を覆う。見た目も味わいも手作りとは思えない高級感を楽しめる。
4. ピューレは工夫次第で代用可能

料理の材料にピューレと記載があり「そんなものは家にない!」と慌ててしまうこともあるだろう。普段、家庭料理ではあまり使わない食材なので、種類豊富に揃えているほうが珍しい。もし家になくても、ピューレは身近にある食材で代用できることが多い。また、ミキサーさえあれば自分で作ることも可能だということを知っておくと、料理の幅が広がるだろう。代用しても味はほとんど変わらないだけでなく、代用品で料理をしたほうが安く済むこともあるので、ぜひ簡単に手に入る代用品や自作ピューレを使ってみてほしい。
トマトピューレはトマト缶で代用
比較的、頻繁に必要になるのはトマトピューレだ。イタリア料理のレシピには、フレッシュトマトだけではなく、トマトピューレも当たり前のように出てくる。イタリア料理にトマトを多く使う理由は諸説あるが、トマトの旨みが味に深みを与え、鮮やかな赤が映えて彩りがよいからだともいわれている。トマトピューレを常備している家庭は、日本では少ないだろう。そんなときに手に入りやすく、味も変わらない代用品はトマト缶だ。潰して使うだけで、立派な代用品になるだろう。舌触りが気になる場合は、ミキサーで撹拌して滑らかにすれば、限りなくトマトピューレに近付く。値段も安く、挑戦しやすいトマト缶をぜひ使ってみてはどうだろうか。
果物系ピューレはジャムで代用
味にコクを出すために、果物系のピューレを入れる料理がある。デミグラスソースやカレーなど、味の濃い煮込み料理はその傾向が強い。だが、果物系のピューレをいつも置いているという家庭は果たしてどのくらいあるのだろうか?「果物のピューレなんて置いていない」というときは、ジャムで代用することができる。りんごピューレの代用品ならりんごジャム、イチゴピューレならイチゴジャムで美味しく料理することができるのだ。ジャムには、生の果物には含まれていないメラノイジンという成分が含まれており、強い抗酸化作用をもつ。血糖値の安定や、コレステロール値を正常に保つなどの効果が期待できる。
結論
ピューレは食材をすり潰して滑らかにしたものだ。野菜や果物だけではなく、肉や魚など、食物であれば何でもピューレにすることができる。一般家庭でピューレを数多く取り揃えているケースは稀で、レシピに出てきても、すぐに用意できない人も多い。そんなときは代用品を使えば、ピューレを使用したのと変わらない味を表現できる。トマト缶やジャムを使って、料理の幅を広げてみるのもいいだろう。
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