1. 新生姜の基本をおさらい

新生姜とは、貯蔵していないフレッシュな状態の「根生姜」のこと。一般的に生姜(根生姜)というと黄土色の見た目をしているが、新生姜は表面が白っぽく、付け根が赤みを帯びている。また、通常の生姜よりも辛味が弱く、柔らかい食感を楽しむことができる。一般的には生食したり、甘酢漬けにしたりすることが多い。主な産地には高知県、熊本県、和歌山県、宮崎県などがある。
2. 新生姜の旬や流通時期はいつ?

新生姜の旬は、一般的に「夏頃」と「秋頃」の2回あるといわれている。これは、ハウス栽培と露地栽培によって収穫時期が異なることが関係している。そこでそれぞれの旬について確認しておこう。
最も多く出回るのは「夏頃(6~8月頃)」
現在、多くの新生姜は「ハウス栽培」で生産されている。ハウス栽培の場合は早ければ11~12月頃に種植えをするが、通常は1~3月頃に種植えをして、6~8月頃に収穫をすることが多い。このことから流通量が多くなる「夏頃」が、新生姜の旬の時期と一般的に考えられている。
本来の旬は「秋頃(10~11月頃)」
しかし、一部地域では生姜の「露地栽培」も行われている。露地栽培の場合は通常4~6月頃に種植えをして、10~11月頃に収穫を迎えることになる。そのため、新生姜の本来の旬は「秋頃」といわれている。なお、露地物は流通量が少ないため、一般的なスーパーなどではあまり見かけない。
3. 産地ごとの主な出荷時期は?

農林水産省の「野菜生産出荷統計」によると(※1)、2020年の全国の生姜の出荷量は35,100トンとなっている。また、地域別に見ると高知県(14,200トン)が最も多く、熊本県(3,940トン)、千葉県(2,700トン)と続く。そこで、東京都中央卸売市場の「市場統計情報(月報・年報)」を参考に(※2)、それぞれの主な生姜(新生姜)の出荷時期を確認しておこう。
その1.高知県(5~7月頃)
高知県は日本で最も生姜を生産している地域で、2020年の収穫量は17,600トン、出荷量は14,200トンであった。また「市場統計情報」を見ると1年を通して高知県産の生姜は流通しているが、4月頃から一気に取引量が増えて6月にピークを迎えている。その後7月までは取引量が多いが、8月には半減している。高知県産の生姜は5~7月頃に流通量が増えることが分かる。
その2.熊本県(2~4月頃)
高知県は2番目に多く生姜を生産している地域で、2020年の収穫量は4,850トン、出荷量は3,940トンであった。ただし、高知県産の生姜とは違って、東京都中央卸売市場での熊本県産の生姜の取引量が多いのは2~4月頃となっていた。また、6月頃には取引量が少なくなり、その後は毎月6~7トン程度の取引量となっている。なお、1年中流通している点は高知県と同じである。
その3.千葉県(9~10月頃)
千葉県は3番目に多く生姜を生産している地域で、2020年の収穫量は4,840トン、出荷量は2,700トンであった。千葉県産の生姜も1年中流通しているが、特に取引量が多いのは9~10月頃となっている。ほかの地域とは異なり、千葉県産の生姜の出荷時期はやや遅めといえそうだ。
その4.和歌山県(6~7月頃)
「野菜生産出荷統計」では収穫量・出荷量が不明になっているが、和歌山県も生姜の産地として知られている。特に和歌山県は、新生姜をメインに作っている地域である。「市場統計情報」によると2020年の和歌山県産の生姜の取引量は約452トンで、取扱期間は5~10月。また、特に取引量が多かったのは6~7月となっている。このことからハウス栽培をメインに行っていることが伺える。
4. 旬の新生姜の正しい保存方法

新生姜を保存する場合は、冷蔵保存か冷凍保存がおすすめとなっている。新生姜はあまり日持ちしない野菜だが、正しく冷蔵保存すれば1週間~10日程度は美味しく保存できる。また、冷凍保存であれば1か月程度美味しく食べられる。以下に紹介している方法で旬の新生姜を美味しく保存しよう。
新生姜の冷蔵保存のやり方
1.新生姜を乾いたキッチンペーパーで包む
2.(1)をポリ袋に入れて軽く袋の口を閉じる
3.袋に入れたまま野菜室に入れて保存する
2.(1)をポリ袋に入れて軽く袋の口を閉じる
3.袋に入れたまま野菜室に入れて保存する
新生姜の冷凍保存のやり方
1.新生姜の硬くなっている表面を切り落とす
2.使いやすい大きさに新生姜をカットする
3.冷凍用保存袋に新生姜を広げて入れる
4.保存袋の空気を抜いてから冷凍庫で保存する
2.使いやすい大きさに新生姜をカットする
3.冷凍用保存袋に新生姜を広げて入れる
4.保存袋の空気を抜いてから冷凍庫で保存する
結論
新生姜の旬は一般的に「夏頃(6~8月頃」と思われている。これも現在の新生姜の流通量を見れば正しいが、本来の旬の時期は「秋頃(10~11月頃)」となっている。そのため、新生姜の旬は1年に2回あると覚えておこう。また、旬の新生姜を見つけたらぜひ甘酢漬けなどにして食べてみよう。
(参考文献)
- ※:農畜産業振興機構「野菜ブック しょうが」
https://www.alic.go.jp/content/000125411.pdf - ※1:農林水産省「野菜生産出荷統計」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/ - ※2:東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報・年報)」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/
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